特集 法人の税金対策&財務改善

法人の税金対策&財務改善

同業種で同レベルの売り上げを上げていたとしても、会社の「儲け」については大きく異なってくるケースが少なくない。その要因はもちろん様々だが、「税金対策」と「財務改善」に対する経営者自身の意識と知識、そして実行力が高ければ高いほど、より「儲かる会社」になっているのではないだろうか。そこで本特集では、法人の税金対策と財務改善にスポットを当て、具体的な手法を含めて各種のアイデア、ノウハウをご紹介する。

節税のために「赤字決算」を目指す場合の留意点とは?
真下 和男
法人税を節税できるかどうかで企業の運命が決まる!?企業が納めなくてはならない税金には11種類あります。 【法人が負担すべき税金】 ①法人税(国税)・・・法人の所得に対し、課税される税金。個人や個人事業主の所得税に相当する ②復興特別法人税(国税)・・・東日本大震災からの復興の財源のための税金。平成24年4月1日から平成27年まで施行。税額は法人税額の10% ③法人住民税(都道府県税・市区町村税)・・・地方自治体の住民サービスに対して、住民が負担す…
戦略意思決定における「CFO」の役割とは?
佐藤 英志
数年後のB/S、P/Lをシュミレーションできるか?それでは戦略意思決定に必要な管理会計とはどんなものなのか。事業部門ごとに貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を作ることは、その有効な方法論のひとつである。その事業部門が使用している資産をB/Sの左側に置き、その資産を調達した原資は借金だったのか、それとも自己資本だったのかで、右側の構成が変わる。その事業が生み出しているキャッシュフローは、借金を返済した上でもなおプラスになっているのか。これま…
税理士選びの失敗による消費税関連の「訴訟事例」とは?
真下 和男
「消費税」をめぐって税理士が訴えられる例は多い消費税を取り巻く様々な状況から自分の身を守るという意味で、会計実務を担うパートナー選びは重要です。パートナー選びを間違ったことで、痛い目を見た事業者がたくさんいます。 たとえば、株式会社日税連保険サービスが発行する「税理士職業賠償責任保険事故事例(2014年度版)」には、次のような事例が報告されています。適宜注釈を加えつつ抜粋して、3例を紹介します。 ●「消費税課税事業者選択届出書」の提出失…
最大限の経営成果を上げるための「戦略意思決定」とは?
佐藤 英志
全社で実行の意志を共有し、納得できる戦略なのか?最大限の経営成果を上げるために、会社としてどんな戦略で臨むのか。 戦略意思決定とは、最大限の利益を上げるために、企業がヒト、モノ、カネという3大経営資源を有効に配置し、実際に行動に移すための戦略を立て、会社としての意志を固めることを言う。 上場企業であれば、稼ごうとする利益が投資家へのリターンも含んだものであるということは大前提になる。当然、「戦略」は合理的なものでなければならないし、「実…
ROEから見た「ICU行き企業」の実例
佐藤 英志
破綻の原因となった受講料の一括前払いシステム英会話教室を展開していたノヴァは、NOVAうさぎを起用したCMで一般人にも知名度が高い。創立は1981年8月で、株式公開はその15年後の1996年11月だ。「駅前留学」のキャッチコピー通り、利便性が高い全国主要都市のターミナル駅の目の前に教室を設け、その数はピーク時には994に達した。だが、高額の受講料を一括前払いさせておきながら、予約が取れないなどの苦情が相次ぎ、解約・受講料の返金を巡るトラブルが多発してしまった…
社長に求められる「もっとも正しい判断」とは何か?
関根 威
戦いの真の相手を教えてくれる「経営計画書」「理事長、大変です! 今度あの事務所がこんなことを始めたようです。月々○○円でここまでやるようです。ホームページに書いてありました」 理事長とは私のことですが、社員からこんな報告を聞くと、10年前の私なら、あたふたして、何とかしなければと騒いでいた気がします。最近ではほとんど行かなくなりましたが、業界向けのセミナー。10年前は、セミナーに行くたびに、これからのトレンドはこっちか、今度はあっちかと方針…
消費税の「原則課税」と「簡易課税」――どちらが得なのか?
真下 和男
経費の見込みなども考慮し、慎重に選択する消費税の納税義務が生じたとして、原則と簡易のどちらも選択できる場合、どちらを採用したほうが「お得」かを考えていきましょう。仮にサービス業を営んでいる事業者を例にとります。サービス業の場合、簡易課税を選択するとみなし仕入率は50%ですから、この事業者の納税額は「消費者から預った消費税の半分」ということになります。 さて、この事業者の売上のうち70%を、給与などの不課税取引が占めていたとしましょう。すると…
ROEから見た「トラディッショナル企業」の実例とは?
佐藤 英志
ROE13.8%の大丸と8.5%の松坂屋HDが統合して誕生J.フロント リテイリングは、2007年9月に大丸と松坂屋が経営統合して誕生した持ち株会社である。まず統合直前の2007年8月末(中間期末)時点での、両社の経営指標をざっとチェックしてみよう。 大丸の総資産は3784億円で、内訳は現預金366億円に固定資産2319億円と、総資産の約6割を固定資産が占めている。中間時点の売上高は4090億円なので、366億円の現預金は、売上高1カ月分程度にしかならない。これはあまり潤沢とは言…
会社の5年後の未来を決める「事業の方向づけ」とは?
関根 威
なぜ「現状分析」が必要なのか?会社が厳しい状況になると、コンサルタントに助けを求めることが多いです。社員に「今の会社の問題点は何ですか」とヒアリングをして、外部環境の要素を加味し、「御社の問題点はここです」といった「現状分析」をやります。 しかし、現状を知れば知るほど、気持ちが暗くなるから改革の意欲がわかない。うすうすわかっていることをダメ出しされると、「できない理由の発表会」になりがちです。 では、現状分析はなぜ必要なのでしょうか。そ…
会計実務に慣れた人でもミスをしやすい「消費税」
真下 和男
特に混乱を生じやすい「仕入」「売上」の考え方消費税を理解するときに混乱を生じやすいのが、「仕入」「売上」の考え方です。会計学でいうところの「仕入」「売上」と、消費税法でいうところの「課税仕入」「課税売上」は内容が異なります。少しややこしいのですが、ここはぜひ理解してください。 たとえば、店舗などの固定資産を売却した際の売却代金は、消費税法では課税売上になります。店舗を1000万円で売ったら、単純にその1000万円が課税売上として計上され…
高い利益率の割にROEが低水準な「メタボ企業」の実例
佐藤 英志
資金効率が良くない理由は何か?養命酒製造は、養命酒の老舗メーカーで、創業は徳川幕府開幕前年の慶長7年(1602年)。ミネラルウオーターやみりんなども扱ってはいるが、今も全売上高の97%以上が養命酒の売上高で、連結子会社もなく、決算は単体決算という会社である。法人化は大正12年(1923年)で、昭和30年(1955年)の上場から半世紀以上が経過しているが、公募増資は1972年を最後に途絶えている。直近の2009年3月期の総資産は349億円で、純資産は311億円。自己資本比…
中小企業の経営を劇的に変える「経営計画書」の策定方法
関根 威
目標達成のための方法を考え、計画する会社は伸びる私は、経営にウルトラCは基本的にないと思っています。 コンサルタントに依頼して現状分析したり、経営セミナーなどに参加して、他の会社の成功事例や、やり方を表面的につまみ食いしても、会社の風土や考え方、価値観がそもそも違うのですから、ウルトラC級に会社が変わることはないように思うのです。得やすいものは失いやすく、得難いものは失いにくい。 しかし唯一、中小企業の経営をウルトラC級に変える例外がある…
税理士でさえも間違える「消費税のロジック」とは?
真下 和男
「分からないから」といって専門家に任せきりにしない2014年4月に消費税の税率が5%から8%になり、さらに2017年4月には10%へのアップが控えています。税率が上がるということは、それだけ経営への影響も大きくなるということ。会社が赤字でも消費税は納税しなくてはなりません。税率が8%に引き上がった際の、中小零細企業を中心に起きた動揺の大きさを思うと、来るべき再増税に備えて一刻も早く有効な対策を講じたいところです。 しかしながら、日本の消費…
ROEから見たエクセレント企業「ディー・エヌ・エー」の例
佐藤 英志
効率的な経営でROEを向上させたディー・エヌ・エーディー・エヌ・エーは、オークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」、携帯電話用ゲームサイト「モバゲー」などの企画・運営会社である。ITバブル真っ盛りの1999年3月に、マッキンゼーのコンサルタントだった南場智子氏が設立した。2005年2月に東証マザーズに上場、2007年12月には東証一部に指定になった優良企業である。2009年3月期は連結売上高376億円に対し、営業利益が158億円。営業利益率は実に42%という高水準だ…
ROEから見る「トラディッショナル」「ICU行き」企業とは?
佐藤 英志
借金に頼って利益をあげる「トラディッショナル企業」前回に引き続き、ROEを軸に分類した「トラディッショナル」企業と「ICU」行き企業について見ていこう。 トラディッショナル企業は、現在最も該当数が多い。利益率はそれなり、資産効率もそれなりで、金融機関からの借金もそれなり、もしくはやや過多という状態だ。参入企業数の多い、建設、流通、アパレル、不動産開発といった伝統的な産業が該当しやすいので、トラディッショナル企業と呼びたい。トラディッショナル企…
なぜ融資を引き出すためには「事業計画」が重要となるのか?
関根 威
中小企業の信用補完制度のあり方が問題視されている!?中小企業の8割ぐらいが利用しているであろう信用保証協会。信用保証協会とは、ご存知の通り、基本的に各都道府県に設置されていて、大手に比べて信用力のない中小企業は、保証協会に保証料を払うことによって、銀行から融資を受けることができます。 借り手である中小企業が、業績悪化で借金の返済が不能になると、銀行は保証協会から代わりに残債の全額を受け取ります(これを代位弁済という。2…
ROEから見る「エクセレント企業」「メタボ企業」とは?
佐藤 英志
3つの指標が良好な「エクセレント企業」とは?ROE(当期純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ)の優良度と、成長性の視点で日本企業を大きく4つに分類したものが、以下の図である。すべて筆者の造語だが、それぞれを「エクセレント」「メタボ」「トラディッショナル」「ICU行き」と命名している。エクセレント企業とは、ROEを構成する3つの指標がともに良好な会社のことだ。当期純利益率はもちろんとして、総資産回転率と財務レバレッジの良好さは、成長性に対する高い意…
社長が理解しておくべき「営業キャッシュフロー」とは?
関根 威
銀行は「本業」で「いくら借金を返せるのか」を見る銀行員が貸出先の返済能力を見る場合に、「営業キャッシュフロー」という言葉をよく使います。営業キャッシュフローとは、その言葉の通り、営業活動によって得た1年間のキャッシュ(株の投資で得た配当や銀行金利、固定資産の購入など間接的にかかわったものを除いたもの)です。 銀行が、なぜこの営業キャッシュフローを口にするかといえば、本来の営業活動で、会社がどれだけ借金を返す能力が…
長期的な視点で考える「ROE」の向上策とは?
佐藤 英志
一時的なROE向上策の濫用は危険数字だけで言えば、ROEの値を向上させるのはそれほど難しくない。ROEは「当期純利益÷自己資本」で算出するため、とにかく分子(当期純利益)を増やせば値を引き上げることができる。逆に分子を増やせなくても、分母(自己資本)を減らすことができれば、ROEの値は一時的に改善されるだろう。だが、当期だけの利益を考えたり自己資本を減らしたりしてROE向上を図るのは諸刃の剣だ。経営陣が代わると、前経営陣を否定することで、新経営陣の経…
銀行から有利な条件を引き出すための「営業利益」の作り方
関根 威
銀行が見るのは損益計算書の「営業利益」損益計算書には、下記図表のように「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前利益」「税引後利益」の5つの利益が表示されており、それぞれに意味があります。 [図表]損益計算書①売上総利益・・・売上高から売上原価(商品の仕入れや製造、工事などの直接原価)を引いた利益 ②営業利益・・・売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた利益 ③経常利益・・・営業利益から主に銀行の金利など財務活動によっ…

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