頼むから出て行ってくれ…年収420万円・年金暮らし目前の63歳父が葛藤。貯金1,000万円・37歳会社員息子の「このままずっと実家暮らし」を拒絶するワケ

頼むから出て行ってくれ…年収420万円・年金暮らし目前の63歳父が葛藤。貯金1,000万円・37歳会社員息子の「このままずっと実家暮らし」を拒絶するワケ

以前は、実家に長く住んでいることが社会的に好ましくないとされていました。しかし、近年では価値観の変化や経済的な背景も影響し、実家に居続けることが必ずしも否定的に捉えられなくなってきています。とはいえ、本当に大切なのは親と子それぞれが同居に納得していること。中島さん(仮名)の事例と共に見ていきましょう。

37歳で実家に居続ける長男に「子育てが終わらない気分」

中島さん(仮名・63歳)は60歳で定年を迎えた後も、同じ会社で継続雇用として就労中。しかし、年収は現役時代の3割減で420万円程度に。業務負担は減らない中で、「年金を受け取るまで、あと少し頑張ろう」と考えながら働いています。

 

そんな中島さんには息子が2人います。次男(34歳)は大学卒業と同時に家を出て、家庭を持っています。一方、長男(37歳)はいまだに実家を出ず、中島さん夫婦と一緒に暮らしています。

 

長男は中小企業の事務職できちんと仕事をしています。年収は高くないものの、貯蓄は1,000万円程度。もう十分自立できる状態でありながら、なぜか長男は一向に実家を出ません。このことが、中島さんを悩ませていました。

 

長男が家に入れる金額は月3万円。これは新卒時代から変わらない金額だそう。しかし、問題はお金というより生活面にあります。

 

料理は母親任せで、テーブルに揃った食事を食べるだけ。食後の食器を洗ったこともありません。週末には中島さん夫婦が買い物に出かけ、冷蔵庫や食品棚に入れた食料品は遠慮なく食べてしまいます。洗濯ももちろん母親の仕事で、掃除は自室のみです。

 

ずっとそんな状態でしたが、「そのうち独り立ちするだろう」と思い続けて数年。一向にその気配がない長男に対して、再度この先どうするのか聞いたところ、返答はこうでした。

 

「実家にいれば、家賃や生活費が10万円以上浮くからお金が貯まりやすい。だから安い給料でも多少の貯金があるんだよ。毎月3万円は入れてるし、父さんと母さんだって俺が金を持っている方が安心だろう? 家にいればいざっていう時にも面倒見れるし、出る理由がないよ」

 

どうやら、このままずっとこの家にいるつもりのよう。むしろ「親のためでもある」という言いぶりです。しかし、中島さんは決してそんなことを求めていないといいます。

 

「親孝行と思っているなら大間違いですし、もし月に10万円入れると言われても出て行ってくれたほうがいい。家計に余裕があるわけじゃないけれど、あの子がいなくなれば生活費は減るだろうし、なにより気が楽になります。中年になっても昔と変わらず家をうろうろする息子を見ると、『いつまで子育てが続くのか』と思ってしまいます」

 

中島さんは、60歳を過ぎて年金生活が見えてきた中で、子どもの面倒を見続ける暮らしから脱出したい気持ちが一気に強くなったといいます。

 

あやふやにしていては状況が変わらないと悟り「いい加減出ていくべきだ」と率直に伝えた中島さん。しかし、長男は「わかった、わかった」と言いながら、行動に移す様子はありません。

 

「親子仲が悪いわけではないので、逆に状況を変えるのが難しい。でも、一人で暮らして生活する力をつけてくれなきゃ。息子の貯金や世話はあてにしないという覚悟もしています。とにかく今年いっぱいで家を探すよう、何度も伝えているところです」

 

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