特集 水面下で爆速する資産インフレ…どうなる、どうする富裕層

水面下で爆速する資産インフレ…どうなる、どうする富裕層

日本はバブル経済崩壊後、30年もの間停滞が続き、物価も給料も上昇の兆しが見えません。「強い日本円」はもはや幻想と化し、日本円による資産保有自体が、大きなリスクになりかねない状況です。これからを生きる富裕層は、自身の資産防衛のためにどんな行動を起こすべきでしょうか。専門家たちが様々な見地から解説します。

認知症の父の預貯金5000万円…使い込んだ兄に、妹は返還請求できるのか?【弁護士が解説】
高島 秀行
【関連記事】相続対策で「娘婿」と養子縁組したが…娘の離婚で起こり得る、恐ろしいトラブル【弁護士が解説】父の通帳を見ると、5000万円ものお金が引き出され…Aさんは、貸マンションを何棟も持っている資産家です。Aさんには、子どもが長男Xさんと長女Y子さんがいます。Aさんは認知症が進行したため施設へ入所しており、賃料や通帳の管理などは長男のXさんが行っていました。 Aさんが亡くなり、Y子さんがAさんの通帳を見ると、5000万円ものお金が引き出されていることが…
賃貸物件の立ち退き問題…「老朽化に伴う耐震補強工事」が正当事由にならないケース【弁護士が解説】
山口 明
【関連記事】サブリース契約を解約したい賃貸物件オーナー、立ちはだかる「立退料負担」の壁旧耐震基準の建物は、耐震補強工事が努力義務だが…耐震性能とは「地震力に対する建物の強さ」をいいます。1981年に改正された建築基準法の耐震基準(いわゆる「新耐震基準」)は、中規模の地震動(震度5強程度)でほとんど損傷せず、大規模の地震動(震度6強~7に達する程度)で倒壊・崩壊しないように設計されています。したがって、新耐震基準が適用される年代に建築された建物…
金融資産を多く持つ高齢者に「超・長期投資」をお勧めするワケ
藤波 大三郎
【関連記事】投機的な「短期投資」を好む人…大ケガする前に「長期投資」へ切り替えよ日本の金融資産の大半を保有する高齢者たち70歳代以降になると、相続について考えることも増えてくることでしょう。この年代の富裕層の方の資産運用として大切なのは「超長期の運用」だといわれています。 人はだれでも高齢期になると、無意識のうちに健康問題、孤独、そして死への不安を抱えて暮らすことになりますが、相続の話題、例えば「終活」は、そうした不安を顕在化させる可能性…
【富裕層の資産防衛】まず「公的年金ポートフォリオ」に倣い、そこから積立投資を実施する
藤波 大三郎
【関連記事】年金300万円、貯蓄5000万円…ゆとりのはずが老後破産の理由コロナ禍で「資産運用に慎重になった」富裕層たち野村総合研究所によると、コロナ禍が富裕層の方々の意識や行動に影響を与えています。同所のアンケート結果によれば、個人資産の管理・運用について「経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をするようになった」「自分の考えだけで資産の管理・運用をするのは限界があると感じた」(野村総合研究所ホームページ)…
投機的な「短期投資」を好む人…大ケガする前に「長期投資」へ切り替えよ
藤波 大三郎
【関連記事】年金300万円、貯蓄5000万円…ゆとりのはずが老後破産の理由【関連記事】恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ株式市場は急変する…「予測に賭ける投資」は危ない富裕層の方々の資産運用は短期売買での運用、いわタイミング・アプローチが多いのが現実かもしれません。日本証券業協会の「平成30年度 個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」によると、個人株主の保有期間は「10年以上」(22.8%)が最も多く、40.3%が5年以上保有…
亡き父と暮らしていた「内縁の妻」…相続を理由にマンションを退去させることは可能か【弁護士が解説】
高島 秀行
【関連記事】相続対策で「娘婿」と養子縁組したが…娘の離婚で起こり得る、恐ろしいトラブル【弁護士が解説】死去した父親は、内縁の妻と10年以上同居していたAさんは、貸マンションを何棟も持っている資産家です。Aさんには、子どもが長男Xさんと長女Y子さんがいます。Aさんの妻は20年以上前に亡くなっており、Aさんは、マンションで内縁の妻Bさんと10年以上同居していました。 Aさんが亡くなり、そのマンションは、Xさんが相続したのですが、Bさんには退去してほしいと思…
長年連れ添った夫婦なら、自宅贈与がお得に「贈与税の配偶者控除」【弁護士が解説】
工藤 敦子
【関連記事】遺灰から「金歯」が…相続人がいない場合、誰の財産になるのか【弁護士が解説】居住用不動産or購入資金の贈与、2千万円まで非課税に贈与税の配偶者控除の特例とは、一定の要件を満たした場合、夫婦間の自宅の土地・建物(居住用不動産)又は自宅用の土地・建物の購入資金の贈与について、2000万円まで贈与税が非課税になる制度です。 原則として、夫婦間であっても、年間110万円(基礎控除)を超える額の財産を贈与した場合、その超過分につき、贈与税が課され…
高まるインフレ懸念…資産分散の選択肢に「外国籍投信」「外債」がお勧めな理由
藤波 大三郎
【関連記事】不動産オーナーの資産分散に「国内外リート」「新興国株式」がお勧めである理由わが国でも「インフレへの懸念」が高まっているが…現在、米国、欧州でインフレが始まっていることから、わが国でもインフレへの懸念が高まっています。しかし、まずは「インフレ」というものをどうとらえるか、よく考えてみる必要があると思います。 インフレは継続的な物価上昇とされますが、まず言えることは、インフレが多くの人に被害を及ぼすことでしょう。 被害を及ぼす例…
相続財産の売却時に、所得税を節税できる!「譲渡所得の取得費加算の特例」【弁護士が解説】
工藤 敦子
【関連記事】遺言書を超えるコントロール機能も…富裕層の資産防衛に役立つ「民事信託」を弁護士が解説売却した相続財産の相続税を「取得費」に含められる相続又は遺贈により取得した土地や建物、株式などの財産を、一定期間内に売却した場合、その財産の相続にかかった相続税を、その財産の取得費に加算することができます。これを、「譲渡所得の取得費加算の特例」といいます。 この特例は、譲渡所得の特例ですので、相続した財産であっても、事業所得や雑所得とすべき譲…
父が逝去、兄は行方不明…名義変更ができない妹は「絶体絶命」か?【弁護士が解説】
高島 秀行
【関連記事】相続対策で「娘婿」と養子縁組したが…娘の離婚で起こり得る、恐ろしいトラブル【弁護士が解説】相続人である兄が行方不明、遺産分割協議に着手できずAさんは、貸マンションを何棟も持っている資産家です。Aさんには、子どもが長男Xさんと長女Y子さんがいます。しかし、長男Xさんは大学卒業後に家を出たまま、行方不明です。Xさんの住民票上の住所は、実家であるAさんの自宅になっています。 Aさんが亡くなり、Y子さんはAさんの遺産について遺産分割協議をした…
競売物件を落札後…「安すぎる家賃設定」の増額請求は可能か?
山口 明
【関連記事】サブリース契約「家賃の増額・減額」をややこしくする法的背景 「近隣相場と比較して安い」だけでは理由にならない競売物件として、好立地にある優良な賃貸物件が出ているのを見つけました。しかしその物件は、近隣相場にくらべて相当低い賃料で賃借されていることがわかりました。賃料が低いのは、現所有者と賃借人が密接な関係であるからだという理由も判明しました。 このような場合、該当の物件を競落したあとで、賃料の増額請求はできるのでしょうか。 …
日本の企業オーナーの資産分散に「海外債券」をお勧めする理由
藤波 大三郎
【関連記事】不動産オーナーの資産分散に「国内外リート」「新興国株式」がお勧めである理由「自社の業績変動と異なる値動き」をする資産を持つ企業オーナーの資産状況は、大半が自身の経営する企業の株式で占められている場合が少なくありません。これは、保有資産の大半が自分が経営する企業の業績に依存する資産であるということになります。だとすれば、資産運用として「自分の企業の業績の変動と異なる価格変動をする資産」を保有することで、分散投資の効果を活用し、…
遺言書を超えるコントロール機能も…富裕層の資産防衛に役立つ「民事信託」を弁護士が解説
工藤 敦子
【関連記事】父が亡くなり母も亡くなった…「混乱の相続」どうすべきか?営利目的でなく家族等が引き受ける信託=「民事信託」「信託」とは、委託者が財産を受託者に預け、受託者がその財産を受益者のために管理・処分し、受益者に利益等を得させることをいいます。 委託者は、自分を受益者として利益等を受け取ることもできます。投資信託のように事業として行う信託を商事信託、営利を目的とせず家族などが引き受ける信託を「民事信託」又は「家族信託」といいます。民事…
【弁護士が解説】再婚相手の連れ子に、自分の財産を渡したくない…手段はあるのか?
高島 秀行
【関連記事】相続対策で「娘婿」と養子縁組したが…娘の離婚で起こり得る、恐ろしいトラブル【弁護士が解説】血のつながらない子へ、自分の財産を渡したくない…Aさんは、貸マンションを何棟も持っている資産家です。Aさんには、長男Xさんと長女Y子さんという、2人の子どもがいます。 長男Xさんは1度結婚し、離婚しました。1度目の妻とのあいだには子どもはいませんでした。 その後、Xさんは再婚しました。相手のPさんとは再婚同士で、Pさんには前の夫との子どもであるQさ…
不動産オーナーの資産分散に「国内外リート」「新興国株式」がお勧めである理由
藤波 大三郎
【関連記事】不動産投資「やめとけ」の真相…リスクを知らずに失敗する人、不動産投資を始めて成功する人の決定的な差日本の地価が「一律に上昇する」現象はもう起こらない地権者の方の多くは、商業ビル、賃貸マンション、貸地などを経営されていますが、このような方の資産内容は、不動産がほとんどというケースも珍しくありません。 すると、リスク分散の観点から、証券・銀行から債券投資を勧められることも多くなります。これは、土地がインフレに対して強く、インフレ…
相続した古い空き家、売却すれば「3000万円の特別控除」も…適用条件を弁護士が解説
工藤 敦子
被相続人の住居を相続→一定期間内の売却で税控除アリ不動産を売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に税金がかかります。被相続人がひとりで住んでいた住居を相続し、一定期間内に売却した場合、譲渡所得から3000万円を控除した額が課税価格となり、税金が安くなります。これを「相続等により取得した空き家を譲渡した場合の3000万円特別控除の特例」といいます。 被相続人が老人ホーム等に入居していた場合この特例は、空き家をなくすことを目的にしているため、…
【弁護士が解説】老親に下された認知症の診断「いまからできる相続対策」はあるのか?
國丸 知宏
【関連記事】非課税額110万円を贈り続ける「相続対策」は本当に有効か?資産家の高齢父に突然下った「認知症」の診断本日ご相談に来られたのは、40代の小川さんです。小川さんの70代の父親は、長年会社経営をしており、多くの資産を築いていました。会社を引退して以後、自宅で悠々自適な生活をしていましたが、雑誌やテレビなどで相続対策にも興味を持ち、盆や正月に家族で実家に集まったときには、「僕も相続対策をしたほうがいいかもしれないなぁ」などと口にするように…
相続対策で「娘婿」と養子縁組したが…娘の離婚で起こり得る、恐ろしいトラブル【弁護士が解説】
高島 秀行
【関連記事】認知症で施設入所の高齢父が再婚!?…資産家一族に降りかかった「後妻業」トラブル相続対策として娘婿と養子縁組するも、娘夫婦は離婚へAさんは、貸マンションを何棟も持っている資産家です。 Aさんには、子どもが長女Y子さん1人しかいません。Y子さんが結婚した際に、自分が亡くなったあとは、Y子さんと結婚相手のXさんで財産を守って行ってもらおうと、Xさんと養子縁組をしました。Y子さんとXさんとのあいだに子どもも生まれました。 ところが、結婚して10年…
資産家の父の死で判明した「疎遠の兄」の足跡と想定外の相続人【弁護士が解説】
高島 秀行
父が亡くなり、疎遠な兄の消息を探ると…Aさんには、長男Xさん、長女Y子さんがいます。 Aさんは長男Xさんと折り合いが悪く、Xさんが大学を卒業して以降、ずっと疎遠でした。AさんとXさんはその後、会う機会がありませんでしたが、Xさんがひとり暮らしをしているという話を、Aさんは人づてに聞いていました。 ある日、高齢のAさんが急病で亡くなってしまいました。Y子さんはXさんに知らせようとしましたが、連絡が取れません。とりあえずAさんの葬儀などは済ませませたもの…
認知症で施設入所の高齢父が再婚!?…資産家一族に降りかかった「後妻業」トラブル
高島 秀行
認知症で施設に入所していた父が「再婚」していたAさんには、長男Xさん、長女Y子さんがいます。Aさんの配偶者であるBさんはすでに亡くなっています。 Aさんが、自宅(1億円)、貸マンション(2億円)、預貯金(3000万円)、株式等(3000万円)を残して亡くなりました。 XさんとYさんは、Aさんが亡くなったので、相続手続をするために、Aさんの戸籍を取ってみると、Aさんが、亡くなる半年前にCさんと婚姻をしていることがわかりました。Aさんは亡くなる1年くらい前から認知…

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