氷河期世代の52歳。厳しいノルマに悲鳴!心を病み、実家に出戻り
山本健一さん(仮名・52歳)。市内郊外にある実家に戻り20年が経過。大学進学時、実家から通うこともできたにも関わらずひとり暮らしを始め、それから15年ほどして実家に出戻り……なぜ?
――大学進学で家を出たのは、教師だった父からただ逃げたかった
厳格な健一さんの父。生活態度から勉強に至るまで何かと口うるさく、窮屈な思いをしてきたといいます。「ひとりでしっかりと生活できるようようになりたい」と訴えたところ、家を出ることを許してくれたとか。
大学卒業と共に就職し、普通にサラリーマンをやっていた健一さんが、再び実家に戻ってきたきっかけは失業。就職をしたのは、就職氷河期のはしりのタイミング。健一さんの場合、大学を卒業しても職がない、という状況は回避できたものの、自分が望む会社への就職は叶わず、「正直、仕方がなく」という会社で働くことに。
朝8時から朝礼がスタート。ラジオ体操から始まり、社訓を大声で唱和。昨日の営業成果を読み上げられ、ノルマを達成していれば称賛され、達成していなければとことん批判を受ける。朝礼が終われば5分以内に営業活動で外に出なければならない。受注を上げなければ帰社しづらく、すでに陽が落ちているなか、途方に暮れる……そんな毎日を過ごしていたとか。
そんな生活を10年ほど続けたという健一さん。その間、転職を考えたこともありますが、不況が続いていたこと、また名の知れた会社ではあったこともあり踏ん切りがつかず、気づけば10年ほど経っていたといいます。そんなときに体に不調をきたします。
朝、電車に乗ろうとするも足が動かず、動悸が止まらない……医師から心の病と診断され、休職を余儀なくされ、そのまま退職に至ったとか。そんな息子を心配し、実家に呼び寄せた、というのがことの顛末です。