(※画像はイメージです/PIXTA)

コロナ禍を契機に、富裕層の投資行動はますます慎重になっているとの調査結果が出ているようです。しかし、先行き不透明な状況のなか、ただ立ち尽くしているだけでは資産は目減りしてしまいます。お勧めなのは、長期の運用を視野に入れた公的年金のポートフォリオをまねつつ、長期投資を行うことです。メリットと安全性について、メガバンク出身の目白大学短期大学部ビジネス社会学科教授、藤波大三郎氏が解説します。

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コロナ禍で「資産運用に慎重になった」富裕層たち

野村総合研究所によると、コロナ禍が富裕層の方々の意識や行動に影響を与えています。同所のアンケート結果によれば、個人資産の管理・運用について「経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をするようになった」「自分の考えだけで資産の管理・運用をするのは限界があると感じた」(野村総合研究所ホームページ)と回答しています。つまり、資産運用に慎重になったと思われます。

 

資産運用の勉強に取り組まれるのは、非常にいいことです。富裕層にとって、投資という資産管理の技術の学習は必要です。

 

その学び方ですが、資産運用の場合はまず、専門家の運用のコピーをすること、つまり「マネをすること」を始めるのがいいと思います。これは資産運用に限らず、物事を学ぶ場合はまず、コピーから始めるのではないでしょうか。例えば、長期的な分散投資のモデルとしては、企業年金連合会の分散投資の基本ポートフォリオ(運用資産の基本的な資産配分)などがあると思います。

公的年金の「基本ポートフォリオ」をまねるメリット

公的年金の基本ポートフォリオは、国内債券25%、国内株式25%、外国債券25%、外国株式25%で、標準偏差は12.32%、期待収益率は4%です。標準偏差が12.32%とは、1年間に投資の結果が上下12.32%の範囲に確率約68%で収まる程度の価格変動性があるということです。こうしたモデルに学び、ご自分の運用を考えてはと思います。

 

個別の株式投資での運用を行ったり、仕組み債等の投資商品に大金をつぎ込んだりといったことは、こうしたモデルに学べば防ぐことができます。

 

例えば、外国為替証拠金取引といった投資商品は、公的年金の運用では取り入れられていませんが、投資経験が少ない人の場合は情報の選択が難しく、このような商品に多額の資金を投入することになったりします。これは資産運用を行う場合、自分で考えるだけで、人に相談することやほかのモデルに頼らないことから起こります。

 

公的年金のポートフォリオは、長期の資産運用のモデルにするにはよい例であえると思います。あれこれ勉強することも大切ですが、まずモデルに学び、そのコピーをするのです。そして、コピーを行いながら勉強を重ねてゆくうちに、投資家が持つ情報、例えば自分が経営する企業の業界に関する情報等を織り込んだ、オリジナリティある運用姿勢が現れてくるものです。

 

なお、いまはインターネットでさまざまな投資アドバイスを知ることが可能です。しかし、そうした意見は玉石混交で、極端な意見も多いのです。

 

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