ネット証券2強といわれる「楽天証券」と「SBI証券」。「つみたてNISA(積立NISA)」を始めるには、どっちのほうがおすすめでしょうか? FP資格を持つ証券会社出身のSGO編集者が、口座選びのポイントをはじめ、使い分け方のヒント、移換・変更方法などを解説します。
楽天証券とSBI証券の「つみたてNISA」を比較…どっちがおすすめ?

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この記事は2023年時点の情報をもとに、楽天証券とSBI証券の「つみたてNISA」について解説しています。2024年から始まった「新NISA」に関しては『SBI証券と楽天証券…「新NISA」を始めるならどっちがおすすめ?【10項目で比較】』で解説しているので、ご覧ください。

 

金融庁が2023年9月22日に公表した「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」によると、2023年6月末時点の「つみたてNISA」の口座数(証券会社と銀行の合計)は835万8,139口座に増加。

 

『貯蓄から投資へ』の流れのなか、若年層を中心につみたてNISAを始める人が増えています。

 

しかし、どこの金融機関で始めようかを調べていくうちに、

 

「楽天証券やSBI証券に絞ったけど、どっちがおすすめ?」

「サービス内容の違いは?」

「両方使うことはできるの?」

 

というような疑問を持つ人もいるはずです。

 

そこで本記事では、楽天証券とSBI証券のつみたてNISAに焦点を絞り、投資初心者にもわかりやすく解説します。

 

なお、2024年からの新しいNISA(以下、新NISA)では、現在のつみたてNISAは「つみたて投資枠」として引き継がれます。しかし、投資枠は別々に管理されるので、2023年12月にNISA口座を開設して投資をしても、新NISAの非課税保有限度額(1,800万円)が減ることはありません。

 

新NISA対策にも有効な内容となっているので、ぜひ最後までお読みください。

 

1. 楽天証券とSBI証券…つみたてNISAの比較一覧

積立nisaのメリットのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

つみたてNISA(積立NISA)は、金融庁主導で2018年から始まった、少額による「長期・積立・分散投資」を支援するための非課税制度です。

 

毎年40万円まで積み立てが可能で、最大20年間、合計800万円までの投資で得た利益と、投資信託から出る分配金(株式の配当金にあたるもの)が非課税になるのが特長です。

 

 

つみたてNISAは1人1口座しか作れず、併用はできません。あとから変更することもできますが、手間がかかるので、どこの金融機関で始めるかは慎重に決める必要があります。

 

そこでおすすめなのが、ネット証券の2強といわれている楽天証券SBI証券

 

つみたてNISAに関して結論からお伝えすると、楽天証券とSBI証券のどちらかを選んでおけば、口座選びで失敗することはありません。

 

ただし、2023年6月買付分から楽天証券のクレカ積立のポイント進呈率がアップしたことに伴い、2024年から新NISAで月5万円以上を積立買付するなら、ポイント還元においては楽天証券のほうがやや有利になりました。

 

両社のつみたてNISAに関する主要な項目を比較表で見てみましょう。各項目のポイントは後ほど解説するので、ここでは概要をつかんでおけば大丈夫です。

 

■つみたてNISAにおける楽天証券とSBI証券の比較

比較項目 楽天証券のロゴ SBI証券のロゴ
取扱銘柄数 206本
(2023年12月1日時点)
211本
(2023年12月1日時点)
積立頻度 毎日・毎月 毎日・毎週・毎月
最低積立投資額 100円より 100円より

キャッシュレス
決済の方法

・楽天カード
・楽天キャッシュ

・三井住友カード
・Oliveフレキシブルペイ
ポイント還元率

・0.5~1%(楽天カード)
→カードの種類による

・0.5%(楽天キャッシュ)
→楽天カードからチャージ

0.5%~5.0%

→カードの種類による

投信保有時に
付与される
ポイントの付与率

・「楽天オルカン」:年率0.017%
・「楽天S&P500」:年率0.028%

※上記2銘柄以外は一定残高達成時のみ

・1,000万円未満:0~0.15%
・1,000万円以上:0~0.25%

貯まるポイント 楽天ポイント

・Vポイント(クレカ積立時)

・Tポイント、Pontaポイント、
Vポイント、dポイント、
JALのマイル、PayPayポイント
より選択(投信保有時など)

連携できる銀行 楽天銀行 住信SBIネット銀行

連携する銀行での

優遇金利(普通預金)

・残高300万円以下:0.1%

・残高300万円超:0.04%

(どちらも税引前)

年0.01%

(税引前)

口座管理手数料 0円 0円
買付手数料 0円 0円
公式ページ 詳細を見る 詳細を見る

 

ご覧のように、楽天証券とSBI証券のつみたてNISAには、細かい部分で違いがあることがわかります。

 

つみたてNISAの開設数No.1(2022年9月時点)

楽天証券の公式サイトへのリンク

 

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2. つみたてNISAの口座選び…失敗しないためのポイント3つ

積立nisaの口座選び…失敗しないためのポイント3つ
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券とSBI証券のつみたてNISA口座の違いを説明する前に、つみたてNISAの口座選びで失敗しないためのポイントを3つお伝えします。

 

 

それぞれ解説します。

2.1. 商品ラインナップの数(銘柄数)

投資信託のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

つみたてNISAで購入できる商品は、金融庁が定めた要件を満たした「長期・積立・分散」に適した261本の投資信託とETF(上場投資信託)に限られます。しかし、つみたてNISAを扱っている金融機関は、そのなかから商品を絞り込んで提供します。そのため、商品ラインナップの数が多いほうが、自分に合った銘柄を選ぶことができます。

 

2.2.「ポイント」などの独自サービス

ポイントサービスのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

つみたてNISAの商品はどこの金融機関で買っても買付手数料は無料(=「ノーロード」)なので、手数料でどこの金融機関が有利かを決めることはできません。

 

そこで重要になるのが、「ポイント」などの金融機関による独自のサービス。

 

毎月の積立額の支払いは、証券口座からの振替や銀行口座からの引き落しが一般的ですが、グループ会社のクレジットカードで決済できる金融機関もあります。その場合、決済金額に対してクレジットカードのポイントが付与されるので、ポイント分だけ実質的にリターンを高めることができます。

 

また、保有している投資信託の残高に応じて毎月ポイントが付与される証券会社を選べば、時間の経過とともに着実にポイントを貯めることもできます。

 

貯まったポイントは、カードの利用代金に充てたり、ネットショッピングで利用できたり、株式や投資信託の購入代金に充てたり(=「ポイント投資」)できるので、物価が上がるなか節約にもつながり一石二鳥です。

 

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2.3. 引き落しに対応している銀行など

銀行のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

つみたてNISAの毎月の積立金額は、証券口座の預り金からの「振替」や銀行口座からの「引き落し」が一般的です。

 

銀行口座からの引き落としの場合、メガバンクや主要なネット銀行であれば、大体のつみたてNISAを扱う金融機関で対応しています。

 

しかし、地方銀行や信用金庫には対応していない金融機関もあるので、自分が普段利用する銀行が対象になっているかを事前に確認することをおすすめします。

 

■補足

つみたてNISA口座を選ぶその他の項目に、「積立頻度」や「最低積立投資額」が挙げられることがあります。

積立頻度の選択肢は「毎月」「毎日」(SBI証券は「毎週」もあり)から選べる金融機関が多いですが、運用成績は売却時の価格によって左右されるうえ、積立頻度によって大差はないとされているので、あまり重視する必要はありません。

また、最低積立投資額は「100円」から始められるネット証券もありますが(「1,000円」が一般的)、毎月100円を買い続けても大きな金額にはならないので、こちらもあまり重視する必要はありません。

 

\つみたてNISAの銘柄数はトップクラス

SBI証券の公式サイトへのリンク

 

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3. 楽天証券とSBI証券…つみたてNISAの主要項目の違い

積立nisaのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

それでは、楽天証券とSBI証券のつみたてNISAの主要な項目を比較していきましょう。

 

3.1. 取扱い銘柄数

ファンドのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

まずは、楽天証券とSBI証券のつみたてNISAの取扱い銘柄数(2023年12月1日時点)を比較します。

 

■楽天証券とSBI証券のつみたてNISAの銘柄数

証券会社 取扱い銘柄数
楽天証券のロゴ

206本(第3位)

SBI証券のロゴ

211本(第2位)

 

両社の取扱銘柄数は、つみたてNISAの全261銘柄の80~85%をカバーしており、大きな差はありません。

 

違いは、SBI証券が楽天証券の主力商品「楽天・全米株式インデックス・ファンド」などの楽天インデックス・シリーズを扱っているのに対して、楽天証券はSBI証券の主力商品SBI・V・S&P500インデックス・ファンドなどのSBI・Vシリーズを扱っていない点。

 

言い換えると、SBI証券のつみたてNISAであれば、SBI証券と楽天証券の両方の人気ファンドを選ぶことができます

 

 

3.2.「ポイント」などの独自サービス

ポイントサービスのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券とSBI証券のつみたてNISAで特色が出るのが、ポイント還元サービスです。

 

ポイントが貯まる「積立時」と「保有時」の2回のタイミングで比較します。

 

3.2.1. 積立時のポイント還元率はどちらも0.5%が基本だが…

クレカ積立のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

結論からお伝えすると、楽天証券とSBI証券の「積立時」のポイント還元率は、年会費がかからない手段の場合はどちらも0.5%です。

 

しかし、楽天証券にはクレジットカード決済以外にも「楽天キャッシュ」という決済手段があり、月5万円以上を積立買付するなら、ポイント還元においては楽天証券のほうがお得になります。

 

■決済手段による積立時のポイント還元率を比較

証券会社 クレジットカード決済 電子マネー決済
楽天証券のロゴ

0.5%
(一般カード)

0.75%
(ゴールドカード)
※年会費:2,200円
1.0%
(プレミアムカード)
※年会費:11,000円

0.5%

(楽天キャッシュ)
※楽天カードでチャージ

SBI証券のロゴ

0.5%

(一般カード)

1.0%

(ゴールドカード)
年会費:5,500円

5.0%

(プラチナカード)
※年会費:33,000円

なし

 

それぞれ解説します。

 

楽天証券は「楽天カード決済」で基本還元率0.5%

 

楽天カード決済のポイント進呈率引き上げ
(引用:楽天証券)

 

楽天証券で楽天カードを使って投資信託の積立額を決済すると、カードの種類によって0.5~1%の楽天ポイントが還元されます。

 

また、楽天証券には、楽天カードとは別に「楽天キャッシュ」という独自の決済手段があります。楽天カードから楽天キャッシュにチャージするときに楽天ポイントが0.5%還元され、チャージした楽天キャッシュで楽天証券で月5万円まで積立買付ができます。

 

楽天カード決済による投信積立の上限も月5万円までと決まっているので、楽天キャッシュによる積立買付と合わせると、月10万円までキャッシュレスで投信積立をすることができ、全額が楽天ポイント付与の対象になります。

 

そのため、2024年から始まる新NISAの「つみたて投資枠」で毎月10万円(年間120万円)を積立買付する場合は、次のように楽天カードと楽天キャッシュを併用することで、新NISAのつみたて投資枠の全額をポイント還元の対象にすることができます。

 

楽天カード決済と楽天キャッシュ決済の併用のイメージ図
(引用:楽天証券

 

クレジットカード以外で楽天キャッシュのようなポイントを貯めながら投信積立ができる決済手段があるのは今のところ楽天証券だけなので、非課税の恩恵を受けながらポイント還元を最大化したい人は、楽天証券は新NISAを始める最有力の口座になります。

 

2024年からの新NISA口座にもおすすめ

楽天証券の公式サイトへのリンク

 

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SBI証券は「三井住友カードによるクレカ決済」でポイント付与率0.5%

SBI証券でも月5万円までクレカ積立ができ、三井住友カードを使って投資信託の積立額を決済すると、カードの種類によって0.5~最大3.0%のVポイントが付与されます


※ 特典を受けるには一定の条件がございますので、三井住友カードのホームページをご確認ください

 

VポイントはSMBCグループの共通ポイントのことで、SBI証券でポイント投資に利用できたり、三井住友カードの利用代金に充てたり、Amazonギフトカードに交換できたり、使い道には困りません。

 

カードの種類によるポイント付与率や年会費は次のとおり。

 

■SBI証券でクレカ積立ができる三井住友カードを比較

  ①三井住友
カード(NL)
②三井住友カード
ゴールド(NL)
③三井住友カード
プラチナプリファード
カード
デザイン
三井住友カードナンバーレスのデザイン 三井住友ゴールドカードナンバーレスのデザイン 三井住友カードプラチナリファードのデザイン
カードのランク 一般カード ゴールドカード プラチナカード
クレカ積立の
ポイント付与率
0.5% 1.0% 3.0%
クレカの基本
ポイント還元率
※1
(ショッピング利用時)
0.5% 0.5% 1%
カードの年会費 永年無料 5,500円(税込)※2 33,000円(税込)
おすすめの人 主に初心者 年間100万円以上使う人 年間200万円以上使う人
申込対象 満18歳以上の方
(高校生は除く)
満18歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方(高校生を除く)
公式サイト  詳細を見る   詳細を見る   詳細を見る 

※1:特典を受けるには一定の条件がございますので、三井住友カードのホームページをご確認ください
※2:年間100万円以上のゴールドカード利用で翌年度以降の年会費がずっと無料(通称:「100万円修行」)
→年間100万円利用の対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。

 

 

ゴールドカードやプラチナカードでクレカ積立をすればポイント付与率を最大5.0%※2までアップさせることはできますが、年会費がかかるうえ、カードの審査に落ちる場合もあります。

 

また、年会費がポイント獲得数を上回ったり、ゴールドカードの年会費を永年無料にするために無駄な買い物をしたりしたら本末転倒です。

 

そのため、普段あまりカードを利用しない人や投資初心者は、年会費無料の一般カードでクレカ積立を始めることをおすすめします。

 

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3.2.2. 保有残高に応じて付与されるポイントはSBI証券が有利だが…

投信保有ポイントのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

投資信託の保有残高に応じて付与されるポイントは、全銘柄が対象のSBI証券のほうがおすすめです。

 

楽天証券は投信保有ポイントが銘柄限定で復活!
スマホを持ちながらパソコン操作をする女性
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券では、以前は投資信託の保有残高10万円ごとに楽天ポイントが毎月3~10P付与されました。

 

しかし、2023年4月に毎月末時点の投資信託の残高が初めて一定の金額に到達した場合のみ、所定の楽天ポイントが付与される仕組みに変更。これには、「積立残高を目標にしてほしい」という楽天証券側の意図があるようです。

既存の「投信残高ポイントプログラム」
 
基準残高に応じた進呈ポイント
(引用:楽天証券)

しかし、この仕組みだと投信保有残高が2,000万円に達しても獲得できる累計ポイントは2,090Pにしかならないので、あまり評判がよくありませんでした。

 

そこで、楽天証券は新NISAスタートに備えて2023年10月27日に「投信残高ポイントプログラム」を復活させました。対象銘柄は、楽天・プラスシリーズの4銘柄。

 

■「投信残高ポイントプログラム」の対象銘柄の信託報酬とポイント還元率

対象ファンド 信託報酬
(年率)
ポイント還元率
(年率)

楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
(愛称:楽天オルカン)

0.0561% 0.017%

楽天・S&P500インデックス・ファンド
(愛称:楽天S&P500)

0.077% 0.028%

楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド
(愛称:楽天先進国)

0.088% 0.033%

楽天・日経225インデックスファンド
(愛称:楽天日経225)

0.132% 0.053%

 

信託報酬からポイント還元率を差し引いた実質コストも安くなるので、全世界株式や米国株式、先進国株式のインデックスファンドで新NISAを始めようと検討していた方には嬉しいニュースとなっています。

 

楽天ポイントをお得に貯めるなら

楽天証券の公式サイトへのリンク

 

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SBI証券は投信保有ポイントの付与率が高水準
SBI証券は投信保有のポイント付与率が最も高くておすすめ
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI証券には、投資信託の月間の平均保有残高に応じて最大0.25%のポイントが貯まる「投信マイレージ」という仕組みがあります。ポイント付与率は銘柄によって異なりますが、同様のサービスを提供しているネット証券のなかで、SBI証券は投信保有ポイントの付与率は高水準なのが特長です(11月より松井証券も開始)。

 

個人投資家に人気の5本のファンドのポイント付与率を比べたのが次の表です(一覧は、SBI証券の公式サイト「投信マイレージサービスポイント付与率(年率)」で確認できます)。

 

■主要ネット証券の投信保有ポイントの比較

 

ご覧のように、SBI証券の投信保有のポイント付与率は3社のなかで最も高くなります。

 

また、SBI証券のクレカ積立では「Vポイント」しか選べませんが、投信マイレージなら「Tポイント」「Pontaポイント」「Vポイント」「dポイント」「JALのマイル」「PayPayポイント」の6種類から選んで貯めることができます。

 

しかも、投信マイレージはつみたてNISA(新NISA)に限らず、課税口座(特定口座や一般口座)での投信保有残高も対象になるため、まとまったお金を投資信託で運用したい場合は、SBI証券なら初月から着実に投信保有ポイントを獲得することができます。

 

\貯められるポイントの選択肢は6種類/

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3.3. 引き落しに対応している銀行など

引落しに対応している銀行のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

つみたてNISAの積立額は、銀行から引き落しすることもできます。

 

メガバンクや主要ネット銀行にしか対応していない金融機関もあるなか、楽天証券とSBI証券なら、メガバンクやゆうちょ銀行、主要ネット銀行を含む約200の金融機関から引落口座を選ぶことができます。

 

具体的な金融機関は、以下のリンクよりご確認ください。

 

 

そのなかでも楽天証券とSBI証券の場合は、同じグループ内の銀行口座と連携することで、銀行の預金残高を株式や投資信託の買付代金に充てられたり、銀行の普通預金金利がアップしたり、様々なメリットを受けることができます。

 

3.3.1. 楽天証券は楽天銀行と「マネーブリッジ」をすると普通預金金利が最大0.1%にアップ

マネーブリッジの説明図
(引用:楽天証券

 

楽天証券と楽天銀行の口座を連携して受けられるサービスのことを「マネーブリッジ」といい、次のようなメリットがあります。

 

■「マネーブリッジ」のメリット

 

  • 「自動入出金(スイープ)」で資金移動が簡単になる
  • 「らくらく入出金」で24時間手動で入出金ができる
  •  メガバンクの約100倍の金利がつく

 

マネーブリッジの設定をすることで、楽天証券と楽天銀行での資金移動が簡単になり、取引がしやすくなります。

 

自動入出金(スイープ)のイメージ図
(引用:楽天証券

 

さらに、マネーブリッジを申し込むと、楽天銀行の普通預金金利が次のようにアップします。

 

  • 普通預金残高が300万円以下の分:年利0.1%(税引前)
  • 普通預金残高が300万円を超えた分:年利0.04%(税引前)

 

300万円以下の分には年利0.1%の金利がつき、これはメガバンクの100倍の水準。300万円を超えた分にも年利0.04%の金利がつきます。さらに、楽天証券で投資に回していない資金は楽天銀行に毎日自動出金されるので、待機資金を有効活用できます。

 

■お知らせ

2024年9月1日以降は、普通預金残高が300万円以下の部分は年0.18%(税引前)、300万円を超える部分は年0.12%(税引前)に優遇金利がアップします。

 

マネーブリッジで資金移動がスムーズに

楽天証券の公式サイトへのリンク

 

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3.3.2. SBI証券は住信SBIネット銀行との「SBIハイブリッド預金」なら金利が0.01%にアップ

SBIハイブリッド預金の仕組み
(引用:住信SBIネット銀行)

 

SBI証券の口座と連携した住信SBIネット銀行側の口座のことを「SBIハイブリッド預金」といい、次のようなメリットがあります。

 

■「SBIハイブリッド預金」のメリット

 

  • 証券口座に買付余力がなくても株式を購入できる
  • 株式の売却代金をSBIハイブリッド預金に自動振替できる
  • メガバンクの約10倍の金利がつく

 

楽天証券のマネーブリッジとは若干仕組みが異なりますが、SBI証券ではSBIハイブリッド預金を申し込むことで、証券口座と銀行口座の資金移動が楽になって取引しやすくなります。

 

預り金自動スィープサービスの仕組み
(引用:SBI証券)

 

さらにSBIハイブリッド預金を申し込むと、住信SBIネット銀行の普通預金金利が0.01%(税引前)にアップ。楽天銀行のマネーブリッジの金利0.1%(税引前)よりは低いですが、SBI証券で投資に回していない待機資金を有効活用できるので、積極的に利用しましょう。

 

\SBIハイブリッド預金で資金移動がスムーズに/

SBI証券の公式サイトへのリンク

 

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4.【新NISA対策】楽天証券とSBI証券…使い分け方のヒントと筆者の運用プラン

ヒント
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここまで、楽天証券とSBI証券のつみたてNISAを様々な観点から比較してきました。本章では、筆者が楽天証券とSBI証券をどのように使い分けていて、2024年からの新NISAはどっちで始めるかの運用計画を紹介します。

 

これが正解というわけではありませんが、考え方のヒントとしてお役立てください。

 

4.1. NISAは楽天証券

新NISA
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

筆者は楽天市場で日用品を買ったり、楽天ふるさと納税を利用したり、街中のお店の会計時に楽天カードを提示したりして楽天ポイントを貯めるのが好きなので、証券会社も楽天証券を利用しています。

 

そして、貯まった楽天ポイントを楽天モバイルの支払いに充てて、毎月3,000~4,000円かかる通信費をタダにすることを目標にしています。次の画像が、筆者の楽天モバイルの実際の利用明細です。

 

楽天ポイント利用履歴
■筆者の楽天モバイルの利用明細

 

そのため、2024年から始まる新NISAも楽天証券で行います。しかし、つみたてNISAでは「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」を設定していましたが、新NISAでは投信保有ポイントプログラムに対象となった「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」に銘柄を変更して積立予約をしました。

 

この2つのファンドは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」という同じ指数に連動するように設計されているので、ほぼ同じ運用成績が見込めます。

 

■「変更前」の筆者の積立設定状況

口座区分 銘柄 決済手段 積立額
つみたてNISA

eMAXIS Slim全世界株式
(オール・カントリー)

クレカ積立
※楽天カード(一般)
33,333円
特定口座 クレカ積立
※楽天カード(一般)
16,667円
特定口座 楽天キャッシュ 50,000円
特定口座 証券口座 500円
※楽天ポイントを1P利用
変更前の筆者の積立設定状況の画面

 

毎月の積立設定額
 

 

■「変更後」の筆者の積立設定状況

口座区分 銘柄 決済手段 積立額
新NISA
(つみたて投資枠)

楽天・オールカントリー
株式インデックス・ファンド

クレカ積立
※楽天カード(一般)
50,000円
楽天キャッシュ 50,000円
変更後の筆者の積立予約設定の画面

 

楽天証券の積立予約受付
 

全世界株式と同じくらい人気の「米国株式」にしなかった理由は、米国が今後も数十年間にわたって成長し続けると信じる自信がなく、世界中の株式に投資をして世界経済の成長を享受できたほうが安心だと考えたからです。

 

\楽天ポイントをお得に貯めるなら/

楽天証券で新NISA口座を開設する

 

 

4.2. iDeCoはSBI証券

iDeCo
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

一方、iDeCoはSBI証券のセレクトプランで毎月23,000円を拠出しています。

 

なぜiDeCoはSBI証券で運用しているかというと、低コストで人気の「eMAXIS Slim」シリーズをはじめとした低コストのイデックスファンドの商品ラインナップが楽天証券より充実しているからです。ちなみに、筆者は「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」に全額を投資しています。

筆者のiDeCo資産状況
 
筆者のiDeCo資産状況
 

iDeCoにはクレカ積立がなく、どこの金融機関で始めてもポイントは貯まらないので、信託報酬(投資信託の運用や管理にかかるコスト)が低い銘柄を多く取り扱っているかどうかが口座選びの決め手になります

 

\低コストのインデックスファンドが充実/

SBI証券で新NISA口座を開設する

 

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4.3. 口座選びで迷ったら最後は“好み”

2つの選択肢まで迷っている女性
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券かSBI証券で迷ったら、たとえば次のようなことをヒントにしてNISA口座を決めることをおすすめします。

 

  • 普段から貯めているポイントが貯まるかどうか
  • サイトの使いやすさ
  • iDeCoや通常の株式取引と同じにするかどうか

 

具体的には、(筆者のように)楽天市場でよくネットショッピングをして楽天ポイントを貯めている人は楽天証券、VポイントやTポイント、Pontaポイント、dポイント、JALのマイル、PayPayポイントを貯めている人はSBI証券がおすすめです。

 

また、新NISAの成長投資枠では株式取引もできるので、投資信託の設定画面だけでなく、株式取引の画面にも注目してみるのもいいかもしれません。この方法だと、株式取引ができる「総合口座」を両社で先に開設し、使い勝手を試してから気に入ったほうのNISA口座を申し込むこともできます。

 

ただし、すべての項目を100%満たした証券会社は存在しないので、最終的にはあなたの“好み”で使いやすそうなほうを選べば、愛着も湧いて長く運用を続けることもできます。

 

 

【補足】運用シミュレーションション…2,000万円を貯めるには?

老夫婦
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

2019年ごろから「老後2,000万円問題」が話題になり、貯金額の目標として意識するようになった人もいるはずです。ここでは、金融庁の資産運用シミュレーションツールを使って、つみたてNISAとiDeCoで毎月56,000円(つみたてNISA33,000円+iDeCo23,000円)を積み立てて、利回り5%で20年間運用できたときの運用成績を紹介します。

 

資産運用シミュレーション
■運用シミュレーション (金融庁の「資産運用シミュレーション」ツールを利用)

 

ご覧のように、元本1,344万円に対して運用益は957.8万円となり、20年間で約2,300万円に増えることがわかります。

 

必ず同じ結果になるわけではありませんが、毎月大体5万円を積立投資に回して利回り5%で運用できれば、20年間で2,000万円を貯められる試算になります。参考にしてください。

 

5. つみたてNISA口座を移換(乗り換え)するときの注意点と変更方法

トラック
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

つみたてNISAで資産形成をしている人のなかには、「SBI証券に乗り換えたい」「楽天証券に乗り換えたい」と思った方もいるかもしれません。

 

ここでは、つみたてNISA口座を他社に移換するときの注意点と変更方法を解説します。

 

5.1. つみたてNISA口座を移換するときに注意点

つみたてNISA口座を他社に乗り換える場合は、次の点に注意しましょう。

 

■つみたてNISA口座を移換するときの注意点

 

  1. その年の非課税投資枠を少しでも使っている場合は、変更は来年から
  2. 10月1日以降に変更手続きをする場合は、変更は来年から
  3. 変更前の金融機関のつみたてNISAの残高は移換できない

 

ご覧のように、つみたてNISA口座を変更する場合は様々な制約があり、簡単には移換できません。そのため、乗り換えるかどうかは慎重に判断しましょう。

 

 

5.2. つみたてNISA口座を変更する流れ

つみたてNISA口座を他社に移換する場合の一般的な流れは、以下のとおりです。

 

■つみたてNISA口座を変更する流れ

 

  1. 現在つみたてNISA口座を開設している金融機関から「勘定廃止通知書」を取り寄せる
  2. 移換先の金融機関から「NISA口座開設届出書」を取り寄せる
  3. 1.と2.の書類に「本人確認書類」と「マイナンバーを確認できる個人番号記載書類」を同封して移換先に郵送
  4. 移換先と税務署の審査結果を待つ
  5. 約1~2ヵ月で移換完了

 

つみたてNISA口座の変更には税務署が絡んでくるので、時期にもよりますが移換完了まで1~2ヵ月程度かかります。いつから運用を始めたいと決めている場合は、余裕を持って手続きをしましょう。

 

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6. よくある質問

楽天証券とSBI証券の積立nisaのQ&A
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、楽天証券とSBI証券のつみたてNISAに関するよくある質問に5つ回答します。本文と重複する内容もありますが、復習のためにお役立てください。

Q1. 楽天証券とSBI証券のつみたてNISAは両方同時に使えますか?

つみたてNISAは1人1口座しか開設できず、両社のつみたてNISA口座を同時に持つことはできません。ただし、通常の証券総合口座であれば、両方持つことも可能です。

 

Q2. 楽天証券とSBI証券のつみたてNISAは、使いやすさはどちらのほうが優れていますか?

両社はつみたてNISAでもサービスを競い合っており、一概にどちらのほうが圧倒的に優れているということはありません。最終的には、普段から貯めているポイントが貯まるかなどの“好み”の問題になります。

 

Q3. 楽天証券とSBI証券のつみたてNISAの手数料を教えてください。

つみたてNISA制度の買付手数料は無料で、もちろん楽天証券とSBI証券も無料です。そのため、コストで差がつくのは、選ぶファンドの信託報酬の違いになります。

 

Q4. SBI証券で楽天カードを使ってクレジットカード払いはできますか?

SBI証券でクレカ積立ができるのは、三井住友カードとOliveフレキシブルペイ、東急カード、アプラスカード、タカシマヤカード、大丸松坂屋カード、UCSマークのついたカード、オリコカードで、楽天カードは使えません。

 

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Q5. 楽天証券とSBI証券で「つみたてNISA」と「iDeCo」を使い分けることはできますか?

できます。つみたてNISAとiDeCoは別の制度なので、必ずしも金融機関を同じにする必要はありません。

 

7. まとめ

新NISA
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

この記事では、楽天証券SBI証券のつみたてNISAに焦点を絞り、両社の違いを比較しました。冒頭で紹介した比較表を改めて載せておきますので、復習用にお役立てください。

 

■つみたてNISAにおける楽天証券とSBI証券の比較

比較項目 楽天証券のロゴ SBI証券のロゴ
取扱銘柄数 206本
(2023年12月1日時点)
211本
(2023年12月1日時点)
積立頻度 毎日・毎月 毎日・毎週・毎月
最低積立投資額 100円より 100円より

キャッシュレス
決済の方法

・楽天カード
・楽天キャッシュ

・三井住友カード
・Oliveフレキシブルペイ
ポイント還元率

・0.5~1%(楽天カード)
→カードの種類による

・0.5%(楽天キャッシュ)
→楽天カードからチャージ

0.5%~5.0%

→カードの種類による

投信保有時に
付与される
ポイントの付与率

・「楽天オルカン」:年率0.017%
・「楽天S&P500」:年率0.028%

※上記2銘柄以外は一定残高達成時のみ

・1,000万円未満:0~0.15%
・1,000万円以上:0~0.25%

貯まるポイント 楽天ポイント

・Vポイント(クレカ積立時)

・Tポイント、Pontaポイント、
Vポイント、dポイント、
JALのマイル、PayPayポイント
より選択(投信保有時など)

連携できる銀行 楽天銀行 住信SBIネット銀行

連携する銀行での

優遇金利(普通預金)

・残高300万円以下:0.1%

・残高300万円超:0.04%

(どちらも税引前)

年0.01%

(税引前)

口座管理手数料 0円 0円
買付手数料 0円 0円
公式ページ 詳細を見る 詳細を見る

 

結論を言うと、楽天証券とSBI証券はどちらもおすすめです。

 

ただし、2024年からの新NISAで月5万円以上を積立買付して「積立時の獲得ポイント数」を最大化したい場合は、楽天証券のほうがおすすめです。しかし、SBI証券には全銘柄が対象の「投信保有ポイント」もあるので、積立額や銘柄によっては、SBI証券のほうがより多くのポイントを獲得できます。

 

ポイントはあくまでも“おまけ”で、還元率は変更されることもあります。そのため、最終的には“好み”の問題となり、ずっと付き合っていきたいと思えるほうの口座で始めることをおすすめします。

 

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■楽天証券の投信NISAカスタマーサービス

 

  • 固定電話:0120-106-298(無料)
  • 携帯電話:03-6739-3400(有料)
  • 受付時間:(平日)8時30分~17時、(土日)9時~17時 ※祝日・年末年始を除く

 

■SBI証券のサポートデスク

 

(平日)※ガイダンス番号「3番」がNISA・投資信託

  • 固定電話:0120-104-214(無料)
  • 携帯電話:0570-550-104(有料)
  • 受付時間:8時~17時(土日祝・年末年始を除く)

 

(土日)※NISA・投資信託専用

  • 固定電話:0800-170-2888(無料)
  • 携帯電話:03-6629-9719(有料)
  • 受付時間:9時~17時(平日・年末年始を除く)