ネット証券の口座数1位の「SBI証券」と2位の「楽天証券」。個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」を始めるには、どちらのほうがおすすめでしょうか? iDeCoの金融機関を選ぶときの3つのポイントから比較します。
SBI証券か楽天証券か?iDeCoを始めるならどっち?…3つの視点で解説 (※写真はイメージです/PIXTA)

老後に備えた資産形成への関心の高まりから口座数が伸びている「iDeCo(イデコ)」。「SBIや楽天なら知っているけど、どちらがおすすめ?」「サービス内容の違いは?」「上手く使い分ける方法はないの?」と知りたい方も多いのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、人気の「SBI証券」と「楽天証券」のiDeCo口座について、証券会社出身のSGO編集者が初心者にもわかりやすく解説します。どちらで口座開設しようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

1. SBI証券と楽天証券…iDeCo口座の比較一覧

まず最初に、iDeCoに関する項目を中心にSBI証券と楽天証券を比較してみましょう。なお、SBI証券のiDeCoには「オリジナルプラン」と「セレクトプラン」がありますが、前者は2021年1月で新規受付を停止しているため、「セレクトプラン」で比較しています。

 

SBI証券と楽天証券のiDeCo口座の比較

 

ご覧のように、総合口座の数はSBI証券がわずかに多いです(iDeCo口座は楽天証券が非公表のため比較できず)。

 

運営管理手数料はどちらも無料で、商品の数はSBI証券のほうが多いです。また、iDeCoの商品選びでカギとなる「インデックスファンド」の数もSBI証券のほうが多いです(詳細は後述)。しかし、楽天証券は土日祝もコールセンターで質問に対応しているので、初心者にも安心です。

 

2. iDeCoの金融機関選びで失敗しないための3つのポイント

iDeCoの金融機関選びで失敗しないための3つのポイント
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI証券と楽天証券のiDeCo口座の特徴を詳しく解説する前に、iDeCoを取り扱う100以上の金融機関のなかから口座を選ぶポイントを3つ紹介します。iDeCoは1人1口座しか作れず、変更する場合は手間と手数料がかかるので、ポイントを押さえて慎重に選びましょう。

 

■iDeCo口座を選ぶときの3つのポイント

 

  • 1.「運営管理手数料」が無料かどうか
  • 2.「信託報酬」が低い商品を多く取り揃えているかどうか
  • 3. 安心してお金を預けられるかどうか(サポート体制など)

 

それぞれ解説していきます。

 

2.1. 毎月の「運営管理手数料」が無料かどうか

iDeCoの口座選びでは、手数料が安い金融機関を選ぶことが重要です。iDeCoは数十年間にわたって運用するので、毎月のわずかな手数料の差が長期で見ると大きな差となって現れます。

 

まず、金融機関に関係なくかかる手数料が次の3つです。

 

■加入時手数料(初回のみ)

iDeCoを始めるには、加入時の手数料として2,829円がかかります。ただし、これは口座開設をした金融機関ではなく国民年金基金連合会へ払うものなので、差別化のしようがありません。

 

■口座管理手数料(毎月)

iDeCoの運用期間中に国民年金基金連合会に105円(掛金の拠出がある場合)と信託銀行に66円払い、毎月171円、年間にすると2,052円かかります。これも差別化のしようがありません。

 

■給付時手数料

まだ先の話になりますが、iDeCoで積み立てた資産を受け取るときにかかる手数料で、振込の都度440円かかります。

 

そして、金融機関によって異なる手数料が次の2つです。ここがポイントです。

 

■運営管理手数料(毎月)

iDeCo口座を開設した金融機関に毎月払う手数料で、最も差がつく項目です。高いところでは毎月440円かかり、年間で5,280円、30年間加入すると158,400円もかかります。そのため、運営管理手数料が無料の金融機関を選ぶことがiDeCoの口座選びでは必須です。

 

■移管時手数料

iDeCo口座を途中で変更するときにかかる手数料で、無料の金融機関と4,400円かかるところがあります。ただし、最初の口座選びで失敗しなければ関係ないので、口座選びの段階で気にする必要はありません。

 

2.2.「信託報酬」が低い商品を多く取り揃えているかどうか

信託報酬とは投資信託の運用や管理にかかる手数料のことで、ファンドごとに異なります。ただし、同じ投資信託であれば、どこの金融機関で購入しても信託報酬は一緒です。

 

日経平均株価などの株価指数に連動した運用を目指す「インデックスファンド」の信託報酬は、0.1%~0.2%程度のものが多いです。一方、株価指数を上回るパフォーマンスを目指す「アクティブファンド」は企業リサーチの費用などが含まれるので、信託報酬は1~3%程度とやや高めです。

 

そのため、iDeCoの口座選びでは、信託報酬が低い投資信託、つまりインデックスファンドを多く扱っている金融機関を選ぶことが大切です。

 

2.3. 安心してお金を預けられるかどうか(サポート体制など)

iDeCoは長期にわたって運用するので、金融機関との付き合いも長くなります。そのため、口座数が多くて投資家に支持されていたり、電話によるサポート体制が充実していて問い合わせがすぐにできたりと、安心してお金を預けられる金融機関を選びましょう。

 

以上3つのポイントを踏まえた上で、次の章からはSBI証券と楽天証券の特徴をそれぞれ見ていきます。

 

3. SBI証券のiDeCo口座(セレクトプラン)の特徴

SBI証券のiDeCoトップページ

 

3.1. SBI証券のコスト面の特徴

金融機関ごとに異なるiDeCoの運営管理手数料は、SBI証券なら無料です。

 

また、信託報酬が安い「eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)」シリーズを8種類扱っているのが特徴です。この「eMAXIS Slim」シリーズは、コンセプトに「他社が同じテーマ(内容)の投資信託の信託報酬を引き下げたら、ウチも同水準を目指して引き下げます」と打ち出しており、常に最低水準のコストで運用できる点で個人投資家の人気を集めています。

 

実際、投信ブロガーが選ぶ「Fund of the Year 2020」というイベントで、上位10位までのファンドのうち、「eMAXIS Slim」シリーズが5つもランクインしています。ちなみに、SBI証券のiDeCoでは、ランキングトップ10のうち4つの「eMAXIS Slim」を購入できます。

 

3.2. SBI証券の商品ラインナップ

それでは、SBI証券のiDeCoセレクトプランで購入できる37本の商品を見てみましょう。ファンドのタイプごとに、信託報酬が低い順に並べています。ちなみに、背景が黄色のファンドは、先ほどの「Fund of the Year 2020」のトップ10にランクインしているファンドです。

 

SBI証券のiDeCoセレクトプランでの取扱商品
※クリックすると拡大できます

 

SBI証券のiDeCoセレクトプランには、信託報酬が低いインデックスファンドの取り扱いが16本もあるので、幅広い選択肢のなかから自分に合った商品を選ぶことができます。

 

■SBI証券のiDeCo商品ラインナップの特徴

 

  • ・信託報酬が低い「インデックスファンド」の取り扱いが多い(16本)
  • ・個人投資家に人気の「eMAXIS Slim」シリーズを扱っている(8本)
  • ・「外国株式」の取り扱いが多い(13本)
  • ・個人投資家に人気のレオス・キャピタルの「ひふみ年金」も扱っている

 

3.3. SBI証券のサポート体制

SBI証券は口座数が国内トップで、信頼性は抜群です。また、土日は新規加入の問い合わせのみですがコールセンターで対応しているので、平日は忙しくて電話ができない人でも安心です。

 

コールセンター:0120-581-214、携帯電話の場合:03-5562-7560(有料)
受付時間:8:00~18:00(平日・土日)
※土日は新規加入に関する内容のみ、祝日と年末年始は休業

 

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4. 楽天証券のiDeCo口座の特徴

楽天証券iDeCoトップページ

 

4.1. 楽天証券のコスト面の特徴

iDeCoの運営管理手数料は、楽天証券でも無料です。また、信託報酬も全体的に低水準なので、安心して始められます。信託報酬はリターンを押し下げる要因になるので、なるべく低いものを選びましょう。

 

4.2. 楽天証券の商品ラインナップ

それでは、楽天証券のiDeCo口座で購入できる32本の商品を見てみましょう。ファンドのタイプごとに、信託報酬が低い順に並べています。ちなみに、背景がピンク色のファンドは、先ほどの「Fund of the Year 2020」のトップ20にランクインしているファンドです。

 

楽天証券のiDeCo取扱商品一覧
※クリックすると拡大できます

 

楽天証券のiDeCoには、インデックスファンドの取り扱いが11本あります。また、世界有数の運用会社バンガード社が運用するETFにファンドを通じて投資できる「楽天・バンガード・ファンド」シリーズを取り扱っていることも特徴です。

 

■楽天証券のiDeCo商品ラインナップの特徴

 

  • ・信託報酬が全体的に低水準
  • ・世界有数の運用会社バンガード社の「楽天・バンガード・ファンド」シリーズを扱っている

 

4.3. 楽天証券のサポート体制

楽天証券の口座数は2位ですが、新規口座開設数では3年連続で1位を獲得しており、SBI証券を追い上げています。

 

土日祝も電話ですべての問い合わせに対応しているので、平日は仕事で忙しい方でも、休みの日にじっくり口座開設を検討できます。また、基本的な内容であればAIチャットで質問できるので、初心者でも安心です。

 

コールセンター:0120-545-401
携帯電話の場合:0570-000-401(有料)、03-6739-1363(有料)
受付時間:10:00~19:00(平日)、9:00~17:00(土日祝)
※年末年始は休業

 

なお、楽天証券ではつみたてNISA楽天カードで決済すると楽天ポイントが1%貯まるサービス(上限は月500ポイント)が人気ですが、iDeCoではカード決済はできないので注意が必要です。

 

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5. 主なインデックスファンドの信託報酬をSBI証券と楽天証券で比較

繰り返しになりますが、iDeCoは長期での運用が前提になるので、信託報酬がなるべく低いインデックスファンドを選ぶことが、受け取る年金を最大化する上で重要です。

 

そこでこの章では、SBI証券と楽天証券で扱っているタイプが近いテーマのインデックスファンドどうしの信託報酬を比べてみます(カッコ内は信託報酬)。

 

■国内株式

 

■外国株式(S&P500)

 

■国内外株式(全世界株式)

 

■バランス型
※1本の投資信託で株式や債券などに分散投資できるファンド。厳密に言うとインデックスファンドではない。

 

これを見ると、どのインデックスファンドでも、SBI証券のほうが信託報酬が低いことがわかります。そのため、どのようなポートフォリオ(複数の資産の組み合わせ)で運用するかにもよりますが、iDeCoはSBI証券で始めたほうが最終的なパフォーマンスは高くなる可能性があります。

 

まとめ:「SBI証券」はiDeCo、楽天証券は「つみたてNISA」と使い分けるのが有効か

この記事では、SBI証券と楽天証券のiDeCo口座について比較しました。常に低い信託報酬を目指す「eMAXIS Slim」シリーズがラインナップされていることから、iDeCoではSBI証券のほうが楽天証券よりもやや有利です。

 

しかし、楽天証券もサービスが充実している優れた口座なのは確かです。そのため、iDeCoはSBI証券を始め、楽天カードで決済すると1%の楽天ポイントが貯まる利点を活かして、つみたてNISAは楽天証券で始めるといったように、両社のメリットを活かして上手に使い分ける方法が有効だと考えます。

 

資産運用を行う上での参考にしてください。

 

iDeCoをどこの金融機関で始めて何の商品を買えばいいのか悩んでいる方は、『iDeCo(イデコ)おすすめの金融機関9選と商品7本を比較【2021年版】』で初心者にもわかりやすく解説しているので、参考にしてください。