SBI証券で2023年8月に販売された投資信託のうち、つみたてNISAの「月間積立設定金額」が多い人気のファンドを1位から10位まで紹介します。売れ筋ランキングを参考にして、個人投資家はどのような銘柄で資産形成をすべきかのヒントを探ります。FP資格を持つ証券会社出身のSGO編集者が解説。
【2023年9月版】SBI証券で人気の投資信託ランキング…おすすめは?

国内株式の約3,700銘柄に対して、6,000本以上販売されている投資信託。

 

「運用のプロが運用しているから安心」

「分配金が毎月出るから生活費の足しになる」

「銀行の窓口で『今月のおすすめ』と紹介された」

 

という言葉を信じて購入したにもかかわらず、運用コスト以上の利益を出せずに「こんなはずじゃなかった…」と後悔している個人投資家も多いのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、証券口座数トップのSBI証券で2023年8月に販売された投資信託のなかから、つみたてNISAの「積立設定金額」が多いファンドを1位から10位まで紹介します。

 

対面型の証券会社ではなく、ネット証券で自分の判断で投資信託を購入している個人投資家は、どのような銘柄を買っているのでしょうか?

 

上位銘柄を参考にして、あなたの資産運用のヒントにしてください。

 

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1. SBI証券で人気の投資信託ランキング【2023年8月積立分】
1位「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」
2位「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」
3位「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」
4位「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」
5位「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」
6位「iTrustインド株式」
7位「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」
8位「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」
9位「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」
10位「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」
2. SBI証券の「つみたてNISA月間積立設定金額ランキング」総括
2.1.「米国株式」「世界株式」「先進国株式」を選ぶ人が多い
2.2. 資産形成の鉄則は「長期・積立・分散」
まとめ:SBI証券でおすすめのインデックスファンド

1. SBI証券で人気の投資信託ランキング【2023年8月積立分】

ランキング
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

早速、つみたてNISA月間積立設定金額(2023/8/1~2023/8/31)より、SBI証券で2023年8月に積立設定された投資信託を金額が多い順に紹介します。

 

順位 前月比 ファンド名 資産クラス 信託報酬
(税込)
SBI証券
iDeCo
セレクトプラン
1位

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

全世界株式

0.05765% ×
2位

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

米国株式 0.09372%
3位 SBI-V・S&P500インデックスファンド 米国株式 0.0938% ×
4位

SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

米国株式 0.0938% ×
5位

eMAXIS Slim先進国株式インデックス

先進国株式 0.09889%
6位

iTrustインド株式

インド株式 0.9828% ×
7位 NEW はじめてのNISA・全世界株式インデックス
(オール・カントリー)
全世界株式 0.05775% ×
8位

SBI・全世界株式インデックス・ファンド

全世界株式

0.1102%
9位

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

バランス型

0.143%
10位

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)

全世界株式 0.05765% ×

 

各ファンドの特徴を見ていきましょう。

 

なお、純資産やトータルリターンの数字は、ウェルスアドバイザー株式会社の2023年9月21日時点のデータです。

 

1位「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」

ファンド名 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
資産クラス 全世界株式
連動する指数 MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
基準価額 20,155円
純資産額 1兆4,740.70億円
信託報酬(税込) 0.05775%
トータルリターン +19.84%(1年)、+19.63%(3年)      
運用会社 三菱UFJ国際投信
ファンドの特色 業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指すことで人気の「eMAXIS Slim」シリーズ。愛称は『オルカン』。
日本を含む47ヵ国の先進国と新興国の株式に投資できます(ロシアは除外)。
投資先の割合は、1位がアメリカ(62.0%)、2位が日本(5.4%)、3位がイギリス(3.7%)。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022のイベントでは、4年連続で1位にランクイン。

※表のなかのファンド名をクリックすると、最新の価格やチャートが見れます。

 

2位「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」

ファンド名 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
資産クラス 米国株式
連動する指数 S&P500指数
基準価額 23,302円
純資産額 2兆6,321.86億円
信託報酬(税込) 0.09372%
トータルリターン +21.13%(1年)、+22.90%(3年)、+17.03%       
運用会社 三菱UFJ国際投信
ファンドの特色

業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けることで人気の「eMAXIS Slim」シリーズ。
S&P500インデックスマザーファンドへの投資を通じて、米国企業500社に投資します。
投資先の割合は、1位がアップル(7.0%)、2位がマイクロソフト(5.2%)、3位がアマゾン(2.7%)。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022のイベントでは、3位にランクイン。

※表のなかのファンド名をクリックすると、最新の価格やチャートが見れます。

 

3位「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」

ファンド名 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
資産クラス 米国株式
連動する指数 S&P500指数
基準価額 21,342円
純資産額 1兆1,097.02億円
信託報酬(税込) 0.0938%
トータルリターン +21.00%(1年)、+22.74%(3年) 
運用会社 SBIアセットマネジメント
ファンドの特色 愛称は『SBI・V・S&P500』。2021年6月15日に『SBI・バンガード・S&P500』から名称変更。
世界最大級の運用会社バンガード社の「バンガード・S&P500ETF」を通じて、米国企業500社に投資できます。

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4位「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」

ファンド名 SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
資産クラス 米国株式
連動する指数 CRSP USトータル・マーケット・インデックス
基準価額 13,466円
純資産額 1,855.46億円
信託報酬(税込) 0.0938%
トータルリターン +19.74%(1年)  
運用会社 SBIアセットマネジメント
ファンドの特色

愛称は『SBI・V・全米株式』。2021年6月29日より運用開始。
世界最大級の運用会社バンガード社の「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」を通じて、
米国株式市場で投資可能な約4,000銘柄(大型・中型・小型株)に投資できます。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022のイベントでは、13位にランクイン。

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5位「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」

ファンド名 eMAXIS Slim先進国株式インデックス
資産クラス 先進国株式
連動する指数 MSCIコクサイ・インデックス
基準価額 24,167円
純資産額 5,396.76億円
信託報酬(税込) 0.09889%
トータルリターン +21.49%(1年)、+21.52%(3年)、+15.06%(5年)
運用会社 三菱UFJ国際投信
ファンドの特色 業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けることで人気の「eMAXIS Slim」シリーズ。
日本を除く世界の主要先進国(22ヵ国・地域)の株式に投資できます。
投資先の割合は、1位がアメリカ(74.2%)、2位がイギリス(4.4%)、3位がカナダ(3.8%)。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」のイベントでは、5位にランクイン。

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6位「iTrustインド株式」

ファンド名 iTrustインド株式
資産クラス インド株式
連動する指数 アクティブ運用なのでなし
基準価額 18,101円
純資産額 98.55億円
信託報酬(税込) 0.98%
トータルリターン +10.80%(1年)、+23.77%(3年)、+11.62%(5年)
運用会社 ピクテ・ジャパン
ファンドの特色

中長期的に成長が期待できるインド企業25~30社に株式投資するアクティブファンド。
組入上位銘柄は、HDFC銀行(9.7%)、インフォシス(8.3%)、ICICI銀行(7.6%)。

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7位「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」

ファンド名

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)

資産クラス 全世界株式
連動する指数

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス

基準価額 10,449円
純資産額 7.61億円
信託報酬(税込) 0.05775%
トータルリターン データなし
運用会社 野村アセットマネジメント
ファンドの特色

2023年7月10日より運用開始。全世界株式型のなかで信託報酬が最安のファンドとして話題に。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスファンドに連動するように設計されており、
日本を含む全世界の株式に投資できる。

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8位「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」

ファンド名 SBI・全世界株式インデックス・ファンド
資産クラス 全世界株式
連動する指数 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
基準価額 18,997円
純資産額 1,388.41億円
信託報酬(税込) 0.1102%
トータルリターン +19.44%(1年)、+19.47%(3年)、+12.96%(5年)
運用会社 SBIアセットマネジメント
ファンドの特色

愛称は『雪だるま(全世界株式)』。3つのETF「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VT)、
「SPDR ポートフォリオ・ディベロッブ・ワールド(除く日本く)ETF」(SPEW)、
「SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツETF」(SPEM)を通じて、
日本を含む先進国・新興国などの全世界の株式約8,000銘柄(大型・中型・小型株)に投資できます。

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9位「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」

ファンド名 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
資産クラス バランス型
連動する指数 バランス型なのでなし(合成指数)
基準価額 14,902円
純資産額 2,223.01億円
信託報酬(税込) 0.143%
トータルリターン +8.57%(1年)、+10.21%(3年)、+7.17%(5年)
運用会社 三菱UFJ国際投信
ファンドの特色

業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けることで人気の「eMAXIS Slim」シリーズ。8つの資産
「国内株式」「先進国株式」「新興国株式」「国内債券」「先進国債券」「新興国債券」「国内REIT」「先進国REIT」
に12.5%ずつ均等に投資(ロシアは除外)するのが特徴で、ミドルリスク・ミドルリターンの運用成績を目指す。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」のイベントでは、17位にランクイン。

※表のなかのファンド名をクリックすると、最新の価格やチャートが見れます。

 

10位「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」

ファンド名 eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
資産クラス 全世界株式
連動する指数 MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)
基準価額 20,294円
純資産額 3,139.68億円
信託報酬(税込) 0.05775%
トータルリターン +19.79%(1年)、+19.91%(3年)、+13.93%       
運用会社 三菱UFJ国際投信
ファンドの特色 業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けることで人気の「eMAXIS Slim」シリーズ。
『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』から日本を除く先進国と新興国の株式に投資できます(ロシアは除外)。
投資先の割合は、1位がアメリカ(65.5%)、2位がイギリス(3.9%)、3位がカナダ(3.3%)。
すでに日本の個別株式を保有しており、日本株の資産構成比を高めたくない人におすすめです。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」のイベントでは、19位にランクイン。

※表のなかのファンド名をクリックすると、最新の価格やチャートが見れます。

 

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2. SBI証券の「つみたてNISA月間積立設定金額ランキング」総括

パソコンを操作している女性
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここでは、2023年8月にSBI証券のユーザーがつみたてNISAで選んだ銘柄の傾向から、個人投資家はどのような投資信託を選んで資産形成をすべきかのヒントを探ります。

 

2.1.「米国株式」「世界株式」「先進国株式」を選ぶ人が多い

米国のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

今回のランキングを資産クラスごとに分けると、次のようになります。

 

  • 米国株式:3本
  • 全世界株式:4本
  • 先進国株式:1本
  • インド株式:1本
  • バランス:1本

 

「全世界株式」と「先進国株式」の投資先の約60~70%は米国株であることを考えると、半数以上にあたる7本のファンドの動向は、世界経済の中心である米国がカギを握っているといえます。

 

なお、インドの代表的な株価指数「インドSENSEX指数」が高値圏で推移して堅調だったことから、7位にインド株式がランクインしていることも2023年8月の世界の株価動向の傾向でした。

 

 

2.2. 資産形成の鉄則は「長期・積立・分散」

資産ポートフォリオ
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

資産形成の鉄則は、信託報酬が低いインデックスファンドによる「長期・積立・分散」です。

 

・信託報酬…投資信託の運用や管理にかかる手数料のこと。保有中はずっとかかる。
・インデックスファンド…日経平均株価などの指数に連動するように設計された投資信託のこと。

 

ただし、今後も経済の成長が期待でき、長期的に見ると株価が右肩上がりになる確率が高い国や地域に投資することが前提であることを忘れてはいけません。

 

株価が横ばいもしくは右肩下がりになることが予想される国や地域、商品を選んでしまうと、いくらドルコスト平均法で「株価が高いときは少なく、株価が安いときは多く」毎月定額でコツコツ買っても、最終的に損する確率は高くなります。

 

しかし、米国は移民を受け入れて人口が増えており、その分労働者の数も多いので、彼らが生み出すサービスの価値の合計(=GDP)の増加とともに長期的な株価の上昇が期待できます。

 

そのため、今回のランキングで「米国株式型」が3本も入ったことは、個人投資家が米国の力強い経済成長を期待した結果だと考えることもできます。

 

一方、少子化が進み人口の減少が予想されている日本は、上記セオリーからすると、現在は上昇していても長期的な株価の上昇は見込みにくいとされています。

 

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まとめ:SBI証券でおすすめのインデックスファンド

積立投資
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

繰り返しになりますが、資産形成の基本は、低コストのインデックスファンドによる運用です。

 

今回のランキングに入った10本のうち、信託報酬が最も高いファンドは、9位の「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」でした。逆にいうと、信託報酬0.15%以下がTOP10に入るボーダーラインだったということになります。

 

ちなみに、SBI証券がつみたてNISAで扱う銘柄のなかで信託報酬が最も高いファンドは、1.65%の「フィデリティ・欧州株・ファンド」です。信託報酬だけで1.65%のコストがかかると、それを上回るリターンが期待できなければ投資する意味がありません。

 

今回のランキングで信託報酬が0.30%以下のファンドが上位を占めているのは、わずかなコストの差が10年や20年といった長期になると大きなパフォーマンスの差になって現れることが個人投資家にも周知され始めてきたからだと考えられます。

 

信託報酬の違いによるパフォーマンスをグラフで比べてみましょう。

 

信託報酬の違いによるパフォーマンス比較
■信託報酬の違いによるパフォーマンス比較 (引用:三菱UFJ国際投信

 

信託報酬が0.189%(ピンク色)と1.00%(青色)とでは、20年後にはパフォーマンスの差は25.5%(ポイント)にもなります。そのため、同じ資産クラスの投資信託で迷ったら、信託報酬が低いほうが有利になります。

 

最後に、今回のランキングに入ったインデックスファンドを資産クラスごとに整理しておきます。

 

■SBI証券でおすすめの投資信託

 

【米国株式】

  • eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500インデックスファンド
  • SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

 

【全世界株式】

  • eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
  • はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)
  • SBI・全世界株式インデックス・ファンド
  • eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)

 

【先進国株式】

  • eMAXIS Slim先進国株式インデックス

 

本記事を参考にして長期投資に適した銘柄を見つけ、あなたの資産運用にお役立てください。

 

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