(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、自宅で療養している感染者は2022年8月3日時点で、過去最多の143万8000人に上ったことが厚生労働省のまとめで分かりました。第7波では新型コロナに感染したあとに搬送先が見つからず自宅で死亡する人も。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)で解説します。

自宅療養中に死亡するコロナ患者が相次ぐ

 

■病院に入れず自宅での死亡相次ぐ、これが先進国、日本の姿

 

2021年1月。新型コロナウイルスの重症患者は連日、最多を更新し続け、医療機関の逼迫は深刻度を増していきました。病院に入りたくても入れてもらえず、自宅療養中に死亡するコロナ患者が相次ぎました。愕然とします。日本は、医療には信頼がおける国だったはずです。しかし、病院がいっぱいなので受け入れてもらえず、死んでしまうケースが現実に立て続けに起きたのです。

 

一方で、病院がいっぱいのため、すぐにでも手術を受けるべきがん患者が手術、治療を先延ばしされるケースも相次ぎました。これが、先進国、日本の現実の姿です。実際の力量でした。医療体制を強化する時間はあったはずですが、政府などは十分な対応ができませんでした。

 

2021年1月26日の衆院予算委員会。野党に追及された菅首相の答弁です。

 

「例えば必要な検査を必要な時に受けることができない。そうした体制ができてない。そうしたことについては責任者として大変申し訳なく思います」

「必要な医療を受けられる、必要な医療には必要な医療を提供させる、提供できるようなそうした体制をできてない。そういうことに対して国民のみなさんが不安を感じている。そういうことだというふうに思います」

 

ようやく、自らの失政を認め、謝罪しました。

 

しかし、状況は悪化します。自宅や高齢者施設など医療機関以外で死亡した新型コロナウイルス感染者は2021年8月に250人に上りました。前月の7月の31人から急増し、最多だった同年1月の132人を上回りました。人の命は戻ってきません。政府や自治体には頼れないということなのでしょうか。自分の命は自分で守るしかないのでしょうか。

 

岡田 豊
ジャーナリスト

 

 

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本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)より一部を抜粋し、再編集したものです。

自考

自考

岡田 豊

プレジデント社

アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

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