(※写真はイメージです/PIXTA)

現代社会において、相続は単なる財産の承継にとどまらず、家族の歴史や人間関係が複雑に絡み合う問題です。特に、核家族化やライフスタイルの多様化が進むなかで、予期せぬ相続問題に直面するケースが増えています。本記事ではAさんの事例とともに、過去の人間関係や財産管理の不備による相続時トラブルについて、木戸真智子税理士が解説します。※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

家族は甥だけ…孤独死した叔母

都内のタワーマンションに住む女性Aさん(70代)が孤独死しました。たまたま連絡した甥が、何度かけてもAさんが電話にでなかったことを気にしてはいたものの、「叔母は70代にしては見た目も若いし、暮れに会ったときにはいつもと変わらず元気そうだったので大丈夫だろう」と思っていた矢先でした。

 

ある日異臭がするとマンションの管理人から甥に連絡があり、管理人と家主の立会いのもと自宅を訪れてみると、Aさんが亡くなっていました。冬に異臭がするまで発見されなかったため、死後1ヵ月近く経過しているとみられました。Aさんと甥は頻繁に連絡を取りあう関係ではなく、お盆とお正月に会う程度でした。

 

というのも、甥の母親は数年前に他界しており、甥は代々引き継がれてきた実家を母親から引き継いで居住しています。母親はAさんの姉でもあったので、甥の住居はAさんにとっての実家でもありました。そのため、お盆やお正月には顔を合わせていたのです。

 

Aさんは独身でした。過去に結婚をしていた時期もあったのですが、数年で離婚してしまい子どももおらず、Aさんにとって甥だけが唯一の身内です。

 

頭の片隅で心配していたことが、深刻な問題に

そんななか少し前から気になっていたものの、言い出せずにいた甥の困りごとが浮上します。それは、実家の敷地が自宅、駐車場、アパートの3筆にわかれていること。この駐車場とアパートの2筆の土地は相続により、甥とAさんが1/2の持分で所有していました。

 

万が一のことがあったらどうしようかな、と考えているうちに思ってもいない事態に発展してしまったのです。

 

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