富裕層が注目する「オルタナティブ投資」とは
「人生100年時代」———。老後の長い生活をより豊かに安定して送るためには、心身の健康とともに、金銭面での不安の解消が大切になります。ただ、終身雇用や年功序列の崩壊、公的年金制度の先行きなど、将来に不安を抱える人は少なくないようです。そこでなるべく早い段階から資産形成をはじめ、十分な資産を確保しておくことが大事になります。
低金利が続く日本では、金融機関の預貯金だけでは資産を増やすことは難しいです。そのため預貯金以外の手段による資産形成に注目が集まっています。ただ、株や債券、FXなど多くの金融商品があり、何に投資したらがいいのかわからない、またはリスクが心配といった疑問や不安を持ち、資産運用はしたいけれども始められないという方も少なくないようです。
そこで、高度な専門知識を持っていなくても、誰でも簡単に始めることができ、比較的少ないリスクで収益を狙うことができる手段として、SAMURAI証券がおすすめする投資方法が「オルタナティブ投資」です。
「オルタナティブ投資」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。機関投資家らプロの投資家の間では一般的ですが、投資経験のない人や経験の浅い個人投資家にはまだなじみが薄いかもしれません。
オルタナティブ投資とは、上場株式や投資信託、債券といった「伝統的資産」と呼ばれる金融商品以外の新しい投資対象や投資手法をいいます。
「オルタナティブ(Alternative)」とは、「代わりの」や「習慣にとらわれない」という意味です。具体的には、不動産、金・銀・プラチナ、未公開株、デリバティブ(金融派生商品)などです。ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)や不動産投資型クラウドファンド、またユニークなものとしてワインやウイスキーへの投資もオルタナティブ投資に含まれます。
こうした「伝統的資産」以外の多種多様な金融商品を資産運用のポートフォリオに組み入れることで、リスクを分散させつつ、ポートフォリオ全体のリターンを上げることができると言われています。実際、オルタナティブ投資は世界的に注目されています。
なぜいま「オルタナティブ投資」が注目されているのか、そして私たちSAMURAI証券がオルタナティブ投資を推奨するのかを説明します。
従来、資産運用の主流は株式や債券などの伝統的資産での運用でした。通常、株式と債券の価格は負の相関関係にあり、株価が上がる時は、債券価格は下がり、株価が下がる時は債券価格は上がります。ポートフォリオに両方を組み入れることで、リスク分散が図れました。
ところが、2008年に起きたリーマン・ショックではこの常識が通用せず、株と債券が同時に暴落し、金融マーケットが総崩れになったのです。新型コロナウイルス感染症が爆発的に拡大した2020年にも株と債券が同時に下落する局面がありました。
このような世界的金融危機に備えるためには、伝統的資産だけではないポートフォリオをつくる重要性が指摘されているのです。そこで注目されているのが「オルタナティブ投資」です。
ハーバード大学基金は平均利回り11%の実績
オルタナティブ投資という聞きなれない投資手法に怪しさや不安を感じる人も多いと思います。しかしながら、オルタナティブ投資を活用した資産運用の成功例として、世界的に注目されているのが、米国の名門・ハーバード大学基金の資産運用です。
ハーバード大学には、卒業生らから年間1000億円以上の寄付金が集まります。それを独自の資産運用会社が運用しています。投資の元手が金融機関などに返済する必要のない寄付金であるため、流動性・換金性をあまり意識することなく、流動性・換金性の低いオルタナティブ投資に積極的に投資して高いリターンを狙っています。
実際にハーバード大の2021年度のパフォーマンスを見ると、資産の74%がオルタナティブ投資に振り分けられています。2021年6月時点で、残高は532億ドルあり、運用会社設立以来の平均利率は約11%という高さです。ハーバード大学基金はほぼ右肩上がりで資産を増やすことに成功している優良な機関投資家です。
ハーバード大は中長期投資を前提に運用を行っています。金融市場は短期的には上下に変動しますが、中長期的には世界経済は緩やかに成長しているからです。また、短期的な市場変動に一喜一憂して、売買を繰り返すことを避ける狙いもあります。
このように、日本の一般投資家にはまだなじみに薄い「オルタナティブ投資」ですが、世界トップの名門大学がポートフォリオに組み入れて、大きな成果を上げているのです。
ハーバード大学基金は卒業生らからの寄付金で運用されているように、個人投資家も基本的に余剰金で資産運用しています。金融機関からの借入金で投資をするケースは極めて少ないでしょう。つまり、個人投資家もハーバード流ポートフォリオを参考にした、流動性・換金性に縛られない中長期的な資産運用が可能というわけです。
もちろん、これはハーバード大のように資産の約70%をオルタナティブ投資に振り分けるという意味ではなく、また利率11%を目指すということでもありません。従来のポートフォリオに「オルタナティブ投資」を一定割合組み込むことで、リスク分散とともに、より高いパフォーマンスを目指そうというものです。
ただ、個人投資家がハーバード流ポートフォリオを自分で組み立てて運用するのは簡単なことではありません。
そこで活用をおすすめしたいのが、SAMURAI証券のオルタナティブ投資プラットフォーム「Alterna Bank(オルタナバンク)」です。金融業界での豊富な専門知識と経験を生かした安全性の高いオルタナティブ投資の商品を提供しています。ハーバード流ポートフォリオを実践して、将来に向けた資産形成に寄与できるものと自信を持っています。