「ゲーム機を買ってもらった」アメリカの小学校で毎朝行われる「自慢話」…「リスペクト」する心が育つワケ

「ゲーム機を買ってもらった」アメリカの小学校で毎朝行われる「自慢話」…「リスペクト」する心が育つワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

アメリカの小学校で教師に「髪の色が違う。背が低い、高い。太っている。小さい。みな、それぞれ違います。それをリスペクトしてほしい」と言われたそうです。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)で解説します。

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人の数だけ価値観があるアメリカ社会

他国のことを知ることは、自考するヒントになります。これからは私が4年間暮らし、仕事をしたアメリカで気付いたことを記しました。

 

アメリカが日本より優れていると言うつもりはありません。アメリカやアメリカ人のダメな部分、負の部分もたくさんあります。

 

日米のどっちが秀でていて、どっちが劣っていると単純に比べることは、合理的ではありません。他国には、私たち日本が参考にしたい材料があります。なかなか気付かないことです。参考になる好材料だけをピックアップしてみました。これから、アメリカ人とどう付き合っていくのか。アメリカという国とどう向き合っていくのか。その判断の参考にもなるはずです。

 

そして、数カ月でもいいから、一度、外国で生活してみることをお勧めします。どんな国・地域でもいい。思いもよらぬ新しい発見が必ずあると思います。

 

■アメリカ人には人の数だけ“基準”がある

 

アメリカ人はよく笑います。街中でも、道ですれ違う人も、電車の中でも、会話を楽しんでいます。どこか、余裕があるように見えました。

 

「アメリカ人は10人いれば、10通りのスタンダード(基準)がある」

 

アメリカに住む知人はこう言います。個人主義が徹底しているというアメリカでは、すべての個人に存在を認めようという空気が強いのだと言います。

 

だから、空気が軽いのでしょうか。多くの人が楽しんでいるように見えるのでしょうか。アメリカ人は自分をとても大切にしているように見えました。

 

自分を大切にしたいから、他人の個も大切にしようとするのでしょう。だから、あいさつをし、会話をし、笑顔でいられるのでしょう。それらは、自分を主張し、相手を受け入れるための技術、テクニックなのかもしれません。

 

人を評価する尺度やモノサシ、価値観などは、本来、人の数だけあっていいと思います。

 

100人いるのに、3つの尺度しかなかったら、この3つの中に100人を無理やり押し込めなければいけない。それでは息苦しい。

 

「日本社会は人を平均値に押し込めようとするから天才が生まれにくい」

 

日本からニューヨークに移り、アーティストとして10年以上活動する知人のKさんはこう言います。アメリカ社会は激しい競争社会なので、「最高」と「最低」が生み出されやすく、結果的に「平均層」が日本ほど多くないとKさんは指摘します。

 

世界有数のITやSNSなどの会社。世界有数の音楽、芸術、映画。アメリカ社会は「世界有数」を数多く輩出しています。

 

一方で、強烈な格差を生み、ホームレスや薬物依存者の増加といった問題も深刻化しています。個人主義のアメリカの方が必ずしも良い社会だとは思いません。アメリカの方が日本より居心地が良いと必ずしも思いません。ただ、日本は、アメリカと比べると、個人の存在が軽視されています。

 

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本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す/不可能を可能にする/日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)より一部を抜粋し、再編集したものです。

自考

自考

岡田 豊

プレジデント社

アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

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