(※写真はイメージです/PIXTA)

「相続税の申告期限」を確認したのち、「事情により、延長は認められるのか?」「申告しないとどうなるのか?」についてみていきましょう。

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    相続税申告が必要になるのはどんな場合?

    相続税は、正味の遺産総額から基礎控除額を引いた「課税遺産総額」に課税されます。基礎控除額の範囲内であれば、納税はもちろん申告の必要もありません。

     

    正味の遺産総額とは「相続や遺贈によって取得した、現金や預貯金・不動産・株式などの財産」と「相続時精算課税制度の適用を受ける贈与財産」から「債務、葬式費用、非課税財産(お墓や死亡保険金など)」を差し引いた価格を指します。

     

    【関連記事】相続時精算課税制度とは?利用のメリット・申請手続きの方法|基礎から注意点まで、税理士がまるっと解説

     

    そして基礎控除額は以下の式で求められます。

     

    3000万円+600万円×法定相続人の数

     

     

    課税遺産総額が基礎控除額を超え相続税が発生する場合、被相続人の住所地を所轄する税務署への申告が必要となります。相続税の申告書は、税務署窓口にて受け取り、もしくは国税庁ホームページにてダウンロードが可能です。

     

    では、申告が必要である場合、いったいいつまでにおこなえばよいのでしょうか。

    相続税の申告期限は「10ヵ月以内」

    相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に行うことになっています。 例えば、1月6日に死亡した場合にはその年の11月6日が申告期限になります。 なお、この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります(国税庁HPより)。

     

    10ヵ月と聞くと「意外と長い」ように思われるかもしれませんが、申告までにやらなければならないことが多いため、ゆっくり進めていられるものではありません。

     

    人が亡くなった後におこなうべき、「死亡届の提出」「クレジットカードの解約」「未支給年金の請求」といったチェック項目・期限については、下記のリストをご確認ください。
    【チェックリスト】相続手続一覧

    期限を延長してもらうことは可能…?

    ただし相続税の申告期限は、やむを得ない事情があると認められる場合に、最大2ヵ月の延長を認められることがあります。

     

    やむを得ないとされるケースには、「相続人の移動」「遺留分の侵害額請求」「遺贈に係る遺言書の発見」「相続人である胎児が生まれた場合」が挙げられます。

     

    また災害や、最近では新型コロナウイルスの影響があった場合に認められることもあります。

     

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    延滞・過少申告・無申告によるペナルティに要注意!

    期限までに申告しない場合、「無申告」とされ、無申告加算税がかかってしまいます。 無申告加算税とは、期限内に相続税の申告をしなかった場合、通常納めべき税金に加えて課される、いわばペナルティ的な性格の税金です。

     

    申告を失念していた場合には無申告加算税が課されますが、遅れて納付した場合には延滞税、実際の額よりも少なく申告したことを税務署に指摘され、修正申告をした場合には過少申告加算税、意図的に申告しなかった・隠蔽しようとしたとみなされる場合には最も重い重加算税が課されてしまいます。

     

    相続税申告だけでなく、納税の期限も「亡くなったことを知った翌日から10ヵ月以内」です。納税は税務署だけでなく金融機関でも可能です。期限までにきっちり申告・納税ができるよう、相続の際にははやめに税理士へ相談する、あるいは生前対策として遺言書を遺すなど、万全の準備を整えておきましょう。

     

     

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