※画像はイメージです/PIXTA

令和3年4月16日から、新型コロナウイルスによる相続税の納付期限の延長申請について、要件が厳しくなりました。申請理由がどの程度のものなら税務署から認められるのかなど、税務署とのリアルな対応を交えて説明していきます。

「相続税のコロナ特例の延長」これまでの経緯

新型コロナウイルス感染症の悪化により、令和2年4月14日、国税庁のホームページにおいて、「相続税の申告・納付期限の個別指定による期限延長手続に関するFAQ」が公表されました。

 

内容としては、新型コロナウイルス感染症の影響により、相続人等が期限までに申告・納付ができない、やむを得ない理由がある場合には、個別申請をすることにより期限の延長が認められるという内容になります。

 

やむを得ないものとしての具体的な理由としては、下記項目が例示されていました。

 

・体調不良により外出を控えている場合

・平日の在宅勤務を要請している自治体に住んでいる場合

・感染拡大により外出を控えている場合

 

こちらの取り扱いについてですが、原則としては、相続人ごとに個別に延長するための申請書を提出する必要がありました。

 

ただし、例外的な扱いとして、相続税の申告書の右上の余白に、『新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請』と記載することによって期限を過ぎた場合でも、その提出日が申告期限として扱われるという簡便的な対応が認められておりました。

 

実務の現場では、その当時は、この簡便的な対応で申告をすることが主となっておりました。

 

その理由としては、事前に個別延長申請を提出する場合には、自分自身で期限を定めなくてはいけないこと、また、相続人ごとに個別での申請が必要となるため、手間を要することが理由でした。相続税実務を多く経験する税理士も例外的な対応が多かったのではないでしょうか。

 

例外対応による簡便的なコロナ延長申請として申告書を提出した場合、税務署の担当者から、電話にて形式的な確認があり、コロナ延長申請を受理して承認されるという対応がなされていました。

コロナ特例の延長申請の対応が厳格化に

手続き上、事務的な負担の少なかった簡便的な延長申請ですが、令和3年4月16日以降に期限延長を行う場合、別途『災害による申告、納付等の期限延長申請書』を提出する方法のみとなってしまいました。

 

また、これまでの延長理由として、コロナによる症状がなくても、単純に外出を控えているという曖昧な理由でも承認されるというかなり間口の広い取り扱いでした。

 

しかし、延長理由についても下記のように細かい部分での要請がされることになりました。

 

・納税者や相続税申告を行う税理士が新型コロナウイルスに感染した場合や濃厚接触の事実があること

・発熱の症状があり、感染症の疑いがあること、基礎疾患を患っているため感染すると重症化する可能性がある方

・生活の維持に必要な以外に、自宅等から外出自粛が要請されている場合

 

以上から、具体的な理由が求められていることになり、何でも容認されるという訳ではないという姿勢が見受けられます。

 

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