(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍において、多くの企業が今後の働き方・働く場の転換を余儀なくされました。アフターコロナ時代のオフィス戦略は、コロナ前と比べてどう変化していくのか。ダラスを本拠とする世界最大(2019年の収益に基づく)の事業用不動産サービス会社シービーアールイー株式会社(CBRE)が、各種データを紐解きながら、今後求められるオフィスの役割を探ります。

最適な「MEスペース」「WEスペース」の配分を算出

4.次に具体的なオフィスのあり方だが、まずは個人用の「MEスペース」と社員の共用スペースである「WEスペース」の割合を算出すべきだろう。従来のオフィス内は、組織図をそのままレイアウトに落とし込んだものが主流で、「MEスペース」がオフィス面積の約7割を占めていた。

 

だが今後のオフィスは、交流の場である「WEスペース」を増やし、コミュニケーション重視の場所に変えることが重要だ。企業独自のカルチャーに合った「MEスペース」と「WEスペース」の割合を戦略的に算出すべきだろう。

 

5.オフィスに必要な要素を整理し、設計要件をまとめる。リモートワーク導入は、オペレーションコストの見直し、通勤時間削減、オフィス面積最適化などの狙いがある。だが、出社率が30%だからオフィス面積も30%に減らすのは短絡的だ。

 

将来のオフィスに必要な面積を出すには、設計要件をまとめる必要がある。デスクの数や、コラボレーションスペース、偶発的な雑談の場など、どんなサイズのスペースを、いくつ用意したら適度な利用率で運用できるかを計算する方式を用いるべきだ。

 

また、個人作業向けに最適なスペースを用意したり、最速かつセキュリティの高いネット環境、目に優しい照明や適度な空調や温度など、快適な環境を組み込むことも、オフィスづくりの成功につながる。

 

6.持続可能なオフィス運用プログラムを構築する。最低でも3~5年は変更なく、増員計画や組織変更計画を見据え、フレキシブルな働き方の制度と運用ルールをしっかり作ることが重要だ。また、フリーアドレスやABWなどを導入する場合は、一つのデスクを何人が使うかという「シェア率」を想定した設計が必要となる。

 

7.専門家の情報を集める。これまで、ワークプレイス構築のステップを説明してきたが、そこから次第に自社の目指すべきシナリオが見えてきただろう。それをさらに実現に近づけるには、専門家の持つノウハウを活用すべきではないだろうか。

 

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※本記事はシービーアールイー株式会社(CBRE)の「BZ空間 2021夏季号」より一部抜粋・再編集したものです。
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