企業を支える「エンゲージメント向上」に注力
8.リモートワークで希薄となった企業カルチャーを熟成するには、オンラインコミュニケーションを通したエンゲージメント向上が重要となる。手前味噌だがCBREでは、全社員向けのCEOとの対話時間、スキルラーニングのプログラム、素晴らしい仕事をしたチームやメンバーを祝う時間など、様々なイベントを設けている。
また部門単位では、ビジネス上の情報交換や、日ごろの悩みを仲間と話し合う機会を設けるなど、オンラインの交流によって帰属意識の向上を図っている。
9.企業のワークプレイス構築をリードするCPO(ChiefPlaceOfficer)を組み込む。最近、海外では不動産戦略やファシリティマネジメントに関わると同時に、エンゲージメント向上に向けたカルチャー作りをマネージするCPOの存在が注目されている。
これは単なる役員ポジションではなく、経営層、広報、総務、IT、人事、経営企画部、タスクチームなどが連携を取り、チームでその役割を果たすこともできる。カルチャーを日々の働き方に落とし込むことで、エンゲージメントの高い組織作りが可能になるだろう。
10.社員への影響を考慮した、チェンジマネジメントを重視すべきだ。オフィスの中長期プランを実行に移す際、最も影響を受けるのは社員であろう。彼らの変化がなくては、カルチャーの促進や多様で柔軟な働き方の定着といった目標も、絵に描いた餅に等しい。
新しい働き方を、社員が自分事として捉える道のりのガイドを、チェンジマネジメントと呼ぶ。新しい働き方の制度を整え、オフィスという箱を作って終わるのではなく、社員のマインドチェンジにも時間と労力をかけるべきだ。
千葉 哲也
シービーアールイー株式会社
マーケティング&コミュニケーションBZ空間編集グループ 編集長
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