ダラスを本拠とする世界最大(2019年の収益に基づく)の事業用不動産サービス会社、シービーアールイー株式会社(CBRE)。同社の「ジャパンリテールマーケットビュー 2021年第2四半期」より一部抜粋し、コロナ禍の主要都市のリテール市場について見ていきます。
2021年の「全国百貨店売上高」は前年同期比でプラス
2021年4~6月の全国百貨店売上高は、対前年同期比42.8%増のプラスとなった。前年同期の緊急事態宣言に伴う、臨時休業や時短営業などの営業自粛の反動によるもの。ただし、期中に3度目の緊急事態宣言が発出されたことから、外出自粛などによる集客減の影響があった。そのため、前々年の同期間と比べると、31.8%減のマイナスとなった。
商品別では、ラグジュアリーブランドや高級時計、美術宝飾品などの高額品の売り上げが好調に推移した。また、巣ごもり需要関連の家電、高級家具などの商品も好調だった。
今期(Q2)の東京・銀座ハイストリート賃料は、対前期比横ばいの24.30万円(月/坪)。ハイストリートの募集物件では、ラグジュアリーブランドを中心とした複数のリテーラーから引き合いがみられている。東京プライム賃料は、23期連続横ばいの40万円となった。希少な一等地への出店に、前向きなラグジュアリーブランドがいることが主因。
大阪・心斎橋では、心斎橋筋商店街を中心に需給バランスの緩みがみられた。そのため、心斎橋ハイストリート賃料は対前期比2.1%下落の13.81万円となった。ただし、御堂筋を中心にラグジュアリーブランドからは強い出店ニーズがみられており、心斎橋プライム賃料は4期連続横ばいの25万円となった。
名古屋・栄でも高級時計ブランドの出店ニーズがみられている。ただし、ハイストリートのなかでも高級時計の出店エリアからはずれたところでは、出店ニーズは弱含んでいる。そのため、栄ハイストリート賃料は対前期比1.4%下落の7.05万円となった。プライム賃料は3期連続横ばいの10万円(月/坪)。
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シービーアールイー株式会社(CBRE)
リサーチ
ディレクター
CBRE日本法人は、不動産賃貸・売買仲介サービスにとどまらず、各種アドバイザリー機能やプロパティマネジメント、不動産鑑定評価などの17の幅広いサービスラインを全国規模で展開する法人向け不動産のトータル・ソリューション・プロバイダーです。CBREの前身となった生駒商事が1970年に設立されて以来、約半世紀に亘り、日本における不動産の専門家として、全国10拠点で地域に根ざしたサービスを展開してきました。
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CBREグループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン500」や「S&P500」にランクされ、ダラスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社です(2021年の売上ベース)。全世界で105,000人を超える従業員(ターナー&タウンゼントの従業員を除く)が、100カ国以上でクライアントに対し、幅広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティングを主要業務としています。
2007年シービーアールイー入社。投資家や一般事業会社所有の不動産に対して、有効活用を提案するコンサルティング業務に従事。2010年リサーチに異動。グローバルならびにAPACレポートの日本パート作成に携わり、海外クライアントに対して日本のオフィス、物流施設、商業施設の賃貸市場に関する情報を発信。2014年から商業施設の賃貸市場に特化し、各種レポートの執筆とともに国内外のクライアントに対してマーケットの考察を提供している。グラスゴー大学院社会科学部、早稲田大学経営管理研究科卒業。
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