西日本の二大都市「広島」vs.「福岡」…賃貸オフィス市場を徹底比較 (※写真はイメージです/PIXTA)

ダラスを本拠とする世界最大(2018年の収益に基づく)の事業用不動産サービス会社、シービーアールイー株式会社(CBRE)が発行する事業用不動産専門誌『BZ空間誌』の特集「西日本の二大都市 広島VS福岡」から一部抜粋し、両都市の賃貸オフィス市場を徹底比較します。

「広島」の業務特性・開発動向・オフィスマーケット

出所:CBREリサーチ
[図表1]広島の特徴 出所:CBRE発行「BZ空間」2022年秋季号

 

オフィスマーケット対象ビル 調査概要

・オールグレード:オフィスエリアに所在する、延床面積1,000坪以上の新耐震基準に準拠したオフィスビルを対象。

・大型ビル:オフィスエリアに所在する、基準階200坪以上、または延床面積10,000坪以上の新耐震基準に準拠したオフィスビルを対象。

 

想定成約賃料(共益費込)

・新規賃貸借契約における想定成約賃料であり、CBREの根付に基づく推定値。募集賃料、契約更改時の継続賃料等は対象外。

・中層階にて1フロアを賃借したケースを想定。

・共益費を含み、フリーレント等インセンティブ分を加味しない賃料。

 

広島県の県庁所在地であり、中国地方の政治、経済、文化の中心地である広島市は人口では全国11位、事業所数9位である。東京から飛行機で1時間半、大阪からも新幹線で1時間半の距離に位置する。

 

本州西域の小売卸業、サービス、そして地域の主産業である製造業の中心機能を担い、自動車製造業のマツダと関連企業が集積する。中心地の交通インフラは市電とバス。ビジネスゾーンは、古くからの中心地である八丁堀から紙屋町にかけての相生通り沿い、紙屋町から平和大通りにかけての鯉城通り沿い、そして近年は、相次ぐ再開発で賑わうJR広島駅周辺も、業務集積地として注目のエリアとなっている。

 

出典:CBRE「BZ空間」2022秋期号
[図表2]【広島】主要オフィスビル&開発マップ 出所:CBRE発行「BZ空間」2022年秋季号

 

広島市の賃貸オフィスビル全体の総貸室面積は約14万坪の市場規模で、そのうち大型ビルが占める割合は約48%。2017年と2019年に新規供給があったものの、近年は新規供給零ゼロの都市も多く、供給抑制傾向が続いている。開発予定についても、新たな広島駅ビルにはオフィス床は予定されておらず、今年竣工の広島JPビルディング以降2027年度まで、オフィスビル開発計画は予定されていない。

 

2001年~2021年 オールグレード新規供給:約39,500坪

1年あたり平均:約1,900坪

 

広島最新オフィスマーケットデータ

製造業中心の業務特性からか、人口や事業所数に対して賃貸オフィス市場の規模が比較的小さい広島。さらに、広島駅周辺より市内中心部の方が業務集積度合いが高い。そのコンパクトさゆえに、市況悪化時における数棟の大型供給が市場に与える影響は大きく、また、全国展開企業の需要が一定数担保される広島駅周辺の市場は、市内中心部に比べ安定傾向にある。

 

出所:CBREリサーチ
[図表3]空室率・想定成約賃料 出所:CBRE リサーチ

 

■広島マーケットサマリー

今期(2022年6月期)の空室率は、大型ビルで対前期(同年3月期)比+0.3ポイントの2.1%。オールグレードでは同+0.6ポイントの3.1%となった。公的機関による短期賃借の終了や、縮小移転に伴う二次空室によって空室が発生した。

 

想定成約賃料は、大型ビルで対前期比-0.6%の16,500円/坪。オールグレードは同-0.3%の11,790円/坪となった。空室が長期化しているビルで賃料が引き下げられている。来期(同年9月期)には約6,000坪の新規供給が予定されているが、空室を抱えて竣工することが予想される。

 

そのため、来期には空室率は5.8%まで上昇する見込み。新規供給により、既存ビルでは二次空室の発生も懸念されることから、2023年3月期には6.1%まで上昇すると予想。その後は新規供給の予定がないことから空室率は低下に転じ、2024年末の空室率は4.4%と予想する。今後、空室率の上昇傾向により、2023年末まで想定成約賃料は緩やかに下落すると見込む。その後、空室率の低下に遅行して賃料の下落ペースは鈍化し、2024年後半はほぼ横ばいで推移する見通し。2024年末には今期に対して-4.8%と予想する。

 

出所:CBREリサーチ
[図表4]新規供給・新規需要・空室率〔オールグレード〕 出所:CBRE リサーチ

 

出所:CBREリサーチ
[図表5]想定成約賃料のポジション〔2009年9月~2022年6月の最高・最低値〕 出所:CBRE リサーチ

 

出所:CBREリサーチ
[図表6]規模別・エリア別 想定成約賃料推移 出所:CBRE リサーチ

 

2009年9月から現在に至る想定成約賃料レンジにおける現在のポジションだが、大型ビル、オールグレード、調査対象エリア別において、これまで一貫して賃料上昇傾向が続いており、すべてがほぼ上限の水準となっている。供給抑制が続いてきた都市であり、ビルの規模も中小規模が主力のマーケット。そのため、エリア間格差より大型ビルとオールグレードとの賃料格差が非常に大きいのが、広島の賃料相場と特徴となっている。

 

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写真は、リサーチ エグゼクティブディレクターの大久保寛氏。
CBREのリサーチ部門の責任者として、オフィス、物流施設、商業施設の賃貸市場ならびに売買市場のリサーチ業務を統括。製鉄会社および投資銀行勤務を経て1997年から2013年まで証券アナリストとして株式リサーチ業務に従事。2000年からはJREITを中心に不動産セクターを担当。UBS証券、ゴールドマンサックス証券、マッコーリーキャピタル証券、みずほ証券を経て、2013年10月より現職。

著者紹介

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※本連載は BZ空間誌 2022年秋季号 掲載記事掲載当時のものです。
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