特集 不動産の「高値」売却術

不動産の「高値」売却術

2020年の東京オリンピック開催に向けた数年のうちに、価格的にはいったんピークを迎えるという声も多い国内不動産市場。ここに来て、ピーク到来の時期に関しては、2019年、いや2018年、いやいや2017年・・・というように、より早い時期を観測する向きも増えている。中には、現状すでに「不動産バブル」の状態であり、もはや崩壊しつつある段階、という見方も出てきている。本特集では、今後、飛躍的にニーズが高まるであろう「不動産の売却」にスポットをあて、より高値で売却するための考え方・具体的な方法・テクニックなどを、その道の専門家がお伝えする。

収益不動産がいま「絶好の売却タイミングにある」といえる理由
新川 義忠
最高値が付きやすい時期であることは間違いない!?需要と供給でいえば、収益不動産の供給量が少ない中で、買い手のほうが多くいるため、売主にとって有利です。「買い時」か「売り時」かと問われれば、間違いなく後者でしょう。不動産価格の上昇は、銀行の融資状況と相関しています。銀行が融資を出しやすい状況下では、物件に高値が付きやすいのです。 また東京オリンピック開催決定などを受けて、海外の投資家が日本の不動産を買い漁っています。加えて、不動産投資ブーム…
「収益資産」と「不良資産」を線引きする基準とは?
松本 俊人
収益ではなく「価値」を生んでいるかどうか?不動産は、大きく二つに分類することができます。 一つは、そこにかかる経費以上に有効に活用されている収益資産です。そして、もう一つは有効に使用されていないために収益を生まず、固定資産税や維持費による支出のほうが大きい不良資産です。 あなたの所有する不動産は、収益を生む資産になっているでしょうか、それとも逆に手間とコストのかかる不良資産でしょうか。 ここでいう収益というのは、直接的にお金を生むかどう…
「共有名義不動産」を高値かつスムーズに売却する方法とは?
松本 俊人
「共有名義不動産」の売却が難しい理由とは?この事例は、物件自体は非常に条件のよいものでした。都心につながる路線のある駅からは徒歩約12分で、緑あふれる緑道や公園が近くにある閑静な住宅地です。土地50坪、建物は30坪で築30年近く経っていました。 一人で住んでいたおじいさんが亡くなったために、遺産分割協議が行われ、この自宅物件が売却されることになったのですが、問題が一つありました。 なんと、この物件の所有権は、おじいさんの子ども5人の共有名義にな…
不動産の売却を成功に導く「売却目的の明確化」とは?
新川 義忠
不動産投資の成功を妨げる物件への「愛着」物件を長く所有するうちに愛着が湧いて、感情的に「売りたくない!」と考えている人もいます。「売却を見据えて買いなさい!」とはよく言われることですが、それでも売却できずに持ち続けている人が多いのは、この感情による部分も大きいのです。 株やファンドといった有価証券と異なり、不動産投資の対象になるのは、実際に人が住んでいる建物です。売買が可能とはいえ、ネット証券のようにクリックひとつで売却することはできま…
「人口減少地区」のワケあり物件を高値で売却する方法
松本 俊人
そもそも「絶対的な基準」が存在しない土地の価格弊社の本社は、埼玉県川口市の東川口駅にあります。埼玉県川口市自体は、県庁所在地であるさいたま市の隣に位置していて、東京都足立区と接するために、東京への通勤圏にあるベッドタウンとしての性格を持っています。 しかし、東川口駅というのは川口市の中でいえば、市役所のあるJR川口駅とは路線も別だし距離も遠く郊外に位置しています。どちらかといえば川口市の中でもさらに郊外の住宅地という位置づけで、周囲には…
対象物件の「過去の売却事例」を知り過ぎてはいけない理由
新川 義忠
物件の売却事例を知り過ぎると「売り時」を逃す!?売却をするに当たり、対象物件の過去の売却事例を調べることが可能です。知らないよりは知っておいたほうがいいでしょうが、知り過ぎると売れなくなるという側面もあることを理解しておく必要があります。 「レインズ(指定流通機構)」を使えば、過去の売却額を知ることができます。不動産会社に聞ける環境があるなら、自分の物件の過去の売却額を調べてもらってもよいでしょう。ですが多くの場合、安値で取引されていたこ…
「戸建て」物件をより高い値段で売却する方法とは?
新川 義忠
「投資家向け」「住む人向け」に分けて物件情報を出す戸建ての場合は、2種類の売り方が考えられます。マイホームとしての売却と、戸建て賃貸物件としての売却です。 収益不動産専門会社の場合には、戸建て賃貸でしか取り扱えません。空室でも賃貸相場という予想利回りが付き、「現在募集中です」と売り出せます。賃貸中であれば区分マンションと同じで、投資家に売る場合と、住む人に売る場合、その両方に出します。値段は結構変わります。 マイホームでの売却は、空いて…
「嫌悪施設」の問題点を打ち消して高値売却を実現する方法
松本 俊人
「リフォーム」で嫌悪感を打ち消す嫌悪施設近くの物件は、その嫌悪施設が気にならないというお客様を探して売却するのが基本です。 とはいえ、そんなお客様が運よく見つかるとも限りませんから、リフォームによって嫌悪施設への嫌悪感を打ち消すようにすることも忘れてはなりません。 弊社では、都内のゴミ収集所近くの2階建ての事務所を買い取って、リフォームを施してから高く売却したことがあります。このときは、建物の内装、外装のリノベーションに500万円ほどの…
「モンスター入居者」を穏便に退去させて物件価値を上げる方法
松本 俊人
「契約前」であればオーナーは入居者を選ぶ権利があるモンスター入居者もまた、収益物件の人気を下げる一大要因です。物件広告などには記載されませんが、購入を検討している買い手が、アパートの住人に聞き込み調査を行えばすぐにわかってしまいます。 トラブルを引き起こすモンスター入居者は、同時にクレーマーでもあります。家賃滞納常習者に滞納督促をすると、その3倍くらいクレームを言ってきます。 弊社では、ワンルームアパートに外国人が複数名入居して騒音問題…
現金(キャッシュ)での売却が期待できる物件にする方法
新川 義忠
建物に価値がなくても「土地」に価値があれば良い現金での物件売却が期待できるケースについて見ていきます。 現金で購入する層は、主に3000万円以下の小規模な物件を狙っています。築年数が古くても入居率が良い高収益の物件は、人気が高いものです。 加えて3000万円以下の場合には、積算評価もあまり重要視されません。もちろん積算があったほうがよいのは間違いありませんが、築古アパートでいえば、建物に価値がなくても土地に価値があれば買いたい人はたくさ…
駅から遠い築古物件を満室にした「ある設備」とは?
松本 俊人
収益物件は、物件を快適に維持する必要があるが・・・現在、日本では空室の多い物件が増えています。その原因を人口の減少に求める人もいますが、いくら少子高齢化だといっても、ニーズがゼロになっているわけではありません。どちらかといえば、空室の多い物件は、近隣物件との競争に負けているだけです。 そして、競争に負ける原因は、僭越ながら、不動産オーナーさんが、物件にお金と手間をかけていないことにあるのではないかと筆者は考えています。 収益物件というも…
専任か一般か――失敗しない「媒介契約」の結び方
新川 義忠
3種類の「媒介契約」はそれぞれ一長一短売買仲介の依頼の仕方には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類ありますが、それぞれ一長一短があります。 ①専属専任媒介契約 売却を1社だけに任せるときに結ぶ契約です。自分で買い手(たとえば、親戚や知人など)を見つけたとしても、依頼した不動産会社を通して取引することが、契約で義務付けられています。 媒介契約の有効期間は3カ月となり、必ず1週間に1回以上の業務報告を受けることがで…
大規模リフォームで築古物件の高値売却に成功した事例
松本 俊人
地域のニーズを調べて「用途変更」を実施専用住宅、アパートやマンションなどの建物は、生物(なまもの)です。建ててからある程度の年数が経ってしまうと、老朽化したり、陳腐化したりして、価値がなくなります。 そのため、物件をいつまでも収益物件として、あるいは商品としてフレッシュに保とうと考えるのならば、定期的に個性的なリフォームが必要になります。 ご自分の住む自宅であれば、30年間一度もリフォームなしでも、不便でなければかまわないのですが、他人に…
高値売却をサポートしてくれる「不動産会社」の選び方
新川 義忠
信頼できる業者は、規模ではなく「業務経験」で選ぶ物件を高く売るためには、売却を依頼する不動産会社選びも重要です。アパートやマンションなど収益不動産であれば、その会社がどの程度顧客を抱えているかといった点も、大切な指標になります。 地場の不動産会社など、顧客の母数が少ない業者に頼むと、「レインズ(不動産流通標準情報システム)」のみに頼ったり、孫請けの業者に丸投げされる場合があるからです。 もちろん、孫請け自体が絶対に悪いとも言い切れません…
いわゆる「事故物件」のマンションを満室にする方法
松本 俊人
大規模な「リノベーション」でイメージを一新する「大島てる」(http://www.oshimaland.co.jp/)という事件・事故物件サイトをご存じでしょうか。「事故物件公示サイト」と銘打たれたこのホームページでは、日本全国の地図(グーグルマップ)にマッピングするかたちで、事件や事故のあった物件を住所とともに掲載しています。運営元は株式会社大島てるで、目的は事故物件の情報提供と情報収集だそうです。 事故物件の定義は、「殺人事件、自殺、火災などの事件・事故で死亡…
物件の主要な買主となる一般投資家、大家、一般法人の特徴
新川 義忠
副業として不動産投資を行う「一般の投資家」層物件の買主には、どのような層がいるのでしょうか。メインとなるのが、一般の不動産投資家です。サラリーマンであったり、公務員や士業など、安定した本業を持ちながら、副業として不動産投資を行っています。昨今の不動産市況の活性化は、資産家でも地主でもない、これらの一般の投資家層が増えたことによって起こっています。筆者の経営する会社のお客様も、大部分こういった方々です。 ひと口に不動産投資家といっても、収…
いわゆる「嫌悪施設」のそばにある物件を売却する方法
松本 俊人
まれに「嫌悪施設」の存在を気にしない人がいる「ワケあり物件」には、それぞれ不人気になる「ワケ」があり、それらは一様なものではありません。ですから、ここでそれぞれの「ワケ」について細かに対処方法を記すことはできないのですが、おおざっぱにいえば、その「ワケ」を気にしない相手に売却することが最も簡単な解決策になります。 たとえば、嫌悪施設がそばにある物件の場合、その嫌悪施設に移転してもらうことはまず不可能です。基本的には、我慢をするしかありま…
「買主の心情」を見抜いて物件の高値売却を実現する方法
新川 義忠
物件は「ターゲット」によって売り方が変わる物件を売却するときに重要なのは、買い手側の目線を持つことです。まず一番に考えるのは、誰に売るのかということ。そして想定する買主はどんな物件を求めているのかを考えます。ターゲットによって、売り方が変わってくるのです。 たとえば、不動産投資家であれば次の条件です。 ●利回り10%以上●駅から10分以内●平成築 所有する物件と当てはめて考えてみてください。そもそも、皆がほしがる物件を持っている不動産オーナ…
土地の価値を高める「地上げ」の上手な進め方
松本 俊人
「地上げ」に悪いイメージを持つ人は多いが・・・かつてバブル景気の時代に「地上げ」という言葉がメディアを騒がせました。「地上げ」とは、読んで字の如く、土地の価値を上げることを指します。 バブル景気の頃、「地上げ」にはネガティブなイメージがついていました。その土地に長年住んでいる老人のもとに、ある日とつぜん不動産屋が現れて、土地を売ってくれというのです。それを断ると、今度はヤクザのような怖い人が交渉に来たり、あの手この手の嫌がらせが始まった…
物件の高値売却のためにも知っておきたい「融資」の知識
新川 義忠
「融資」は購入時のみ気にすればいいとは限らない最適な出口戦略は、その物件の持つ特性などによって変わります。たとえばRCマンションのような規模の大きな1棟物件は、融資の状況に左右されます。木造アパートであれば、とくに収益が重視されます。融資関連は購入時に気にするものというイメージを持っている人も多いと思いますが、有利に売却を進める上でも、融資に対する考え方は重要です。 その解説をするため、まずは購入者目線で考えてみましょう。 融資をフルに…

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