「投資家向け」「住む人向け」に分けて物件情報を出す
戸建ての場合は、2種類の売り方が考えられます。マイホームとしての売却と、戸建て賃貸物件としての売却です。
収益不動産専門会社の場合には、戸建て賃貸でしか取り扱えません。空室でも賃貸相場という予想利回りが付き、「現在募集中です」と売り出せます。賃貸中であれば区分マンションと同じで、投資家に売る場合と、住む人に売る場合、その両方に出します。値段は結構変わります。
マイホームでの売却は、空いている戸建てであれば可能です。普通のマイホームを取り扱っている不動産会社に声をかけます。建物がボロボロで使えないような状態であれば、古家付き土地として売りに出すのがポイントです。
面白いことに、中古でマイホームを探している人は、中古戸建ての情報しか見ません。しかし、土地を探している人は土地しか見ませんので、それぞれの人たちが見るところに、物件情報を出す必要があります。
中古物件を壊すという観点がありませんので、それぞれ戸建て土地付き建物として出したり、土地情報として出したりします。両方とも情報を出すのです。土地のところには、「古家付き」と記載しておきます。
実需の場合は、利回りや積算価値といった投資で使われる指標は一切考慮に入れられないため、高く購入してもらえる可能性が高まります。
まず「隣の住人」に声を掛ける
一番の理想は、その土地の隣に住んでいる人に売ることです。隣が売りに出たら買おうかな・・・と思っているケースは、案外多いものです。これは不動産業者なら誰しも知っています。鉄則として隣人に必ず声を掛けるのです。戸建てなら地つながりは魅力的に映るものです。
アパートの場合は、周りに知られず売却したいという不動産オーナーもいるので、声は掛けられません。
土地によっては、隣を購入することで角地になったり、後ろの家を購入することで二面道路になったりして、資産価値が上がります。家族がいれば、いずれ子ども世帯を住まわせるために土地を広げたいという希望があるものです。こういった場合には、まず隣地の住人に声を掛けるとよいでしょう。