1人のカリスマ指導者ではなく「社員全員が考える」…リクルートが“常勝”する根本理由

1人のカリスマ指導者ではなく「社員全員が考える」…リクルートが“常勝”する根本理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

強権の国家リーダーが選んだ閣僚や政策ブレーンだけで決める政策。一方で、国民全員から集約したアイデアをベースに決めた政策。どちらが有効で、どちらが国民を幸福にするのでしょうか。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)で解説します。

【Jグランドの人気WEBセミナー】
税理士登壇!不動産投資による相続税対策のポイントとは?
<フルローン可>「新築マンション」×「相続税圧縮」を徹底解説

一人で考えるより、全員で考えた方がいい

■1人のカリスマ指導者よりも全員で自考するメリット

 

強権の国家リーダーが選んだ閣僚や政策ブレーンだけで決める政策。一方で、国民全員から集約したアイデアをベースに決めた政策。どちらが有効で、どちらが国民を幸福にするのか。

 

国民全員からアイデアを集約する手法は手間がかかって非効率です。内容はピンキリでしょうし、自分の利益しか考えない独善的な類いも多いでしょう。

 

しかし、選択肢が多いということは、質の高い政策になる可能性が高くなるということです。一人で考えるより、全員で考えた方がいいと思う理由がここにあります。

 

会社経営も同じです。カリスマ社長が良いアイデアを1人ですべて決めれば経営のスピードは速いし、目先の競争に勝てるでしょう。しかし、そんなカリスマ社長がいる会社の社員100人は、受け身体質が染みつき、考える力を失うかもしれません。そんな組織は、カリスマ社長が衰えた時、一気に傾いていくのかもしれません。

 

例えば、創業60年のリクルートは、独特の企業文化を掲げ、成長を続けてきました。

 

1970年代から「個の自立(自律)」を組織文化に掲げ、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という社訓を浸透させてきました。

 

社員は経営トップに依存せず、自ら考えて社内で数多くの新規事業を立ち上げてきました。会社は、社員が退社して起業するケースを歓迎し、同時に、その起業をビジネス拡大につなげ、社員と会社がウィンウィンになる文化を大事にしてきました。

 

リクルートホールディングスの峰岸真澄社長(当時)は次のように言いました。

 

「企業理念のひとつに“個の尊重”というものがあります。個を挙げる企業は珍しいと思いますが、これは個人への期待であり、個人の志や欲望をつぶさずに伸ばしたり広げたりした方が成長するからです。例えば、当社の企業文化を表す風景として、新入社員が『先輩、これどうしたらいいでしょう』と尋ねると、『どうしたらいいと思う?』と聞き返される。(中略)まず、自分で考えざるをえないのです」

 

社員が自考しています。

 

企業の多くが社の方針の軸を会社側に置いています。しかし、リクルートは社員が自分の成功のために自考し、結果的にそれを会社の成功につなげるという手法を取り入れてきたといいます。社員全員が自考できる文化を持ったユニークな会社だと思います。

 

岡田 豊
ジャーナリスト

 

 

↓コチラも読まれています 

ハーバード大学が運用で大成功!「オルタナティブ投資」は何が凄いのか

富裕層向け「J-ARC」新築RC造マンションが高い資産価値を維持する理由

 業績絶好調のジャルコのJ.LENDINGに富裕層が注目する理由 

コロナ禍で急拡大!トラックリース投資に経営者が注目する理由

  「給料」が高い企業300社ランキング…コロナ禍でも伸びた会社、沈んだ会社

本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)より一部を抜粋し、再編集したものです。

自考

自考

岡田 豊

プレジデント社

アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録