(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもの自殺が過去最高を記録しました。夢を抱いて未来を切り拓いていくはずの若者が、自ら命を絶っていく社会とは、明らかに歪んでいます。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社)で解説します。

個人を追い詰めてしまう要因とは

■自殺した人が11年ぶりに増加 子どもの自殺が過去最多に

 

厚生労働省と警察庁が発表した2020年の自殺者は、2万1081人に上りました。リーマンショック直後の2009年以来、11年ぶりに増加に転じました。2019年から912人増えました。厚労省は、新型コロナウイルスの感染拡大で生活苦が広がったり、悩みが深刻化したりした影響が大きいとみています。

 

男性は11年連続で減りましたが、女性は2年ぶりに増加に転じ、7026人と過去5年で最多です。また、小中高生は同様の統計を取り始めた1980年以降で最多となりました。

 

人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)の速報値は、16.6人(0.8人増)。男性が22.7人(増減なし)、女性が10.8人(1.5人増)でした。都道府県別では29都府県が前年比で増えました。小中高生の自殺者は440人で、内訳は小学生13人、中学生120人、高校生307人。高校生は過去最多で、特に女子高校生が著しく増えています。

 

コロナ禍で多くの人たちが心身のバランスを崩しています。そうした環境を大人たちがフォローし切れなかったことも背景にあるのでしょう。

 

そして2020年度に自殺した小中高生は415人と、前年度より100人近く増え、過去最多になりました。調査した文部科学省は「コロナ禍における学校や家庭の環境変化が大きな影響を与えている」と分析。コロナ禍という危機のさなか、私たち大人は、子どもを守ることができませんでした。深刻な事態です。「生きていてほしい」。そう、強く、強く願っています。

 

しかし、そうした思いや言葉だけでは状況は変わりません。子どもたちを追い詰める社会の仕組みを変える。このことが最も重要な課題です。「子ども」とは、言い換えれば、「未来」です。子どもが自殺する社会は、未来を見いだせない社会だということです。

 

■個人より社会の秩序を優先する社会

 

2019年について、15歳から39歳までの日本人の死因で一番多いのは「自殺」です。愕然とします。40歳代では1位の「悪性新生物」に次いで「自殺」が2位。10歳から14歳でも「自殺」が死因の2位です。若い人の自殺が多いのが日本の特徴です。極めて深刻な問題です。

 

2018年の自殺の原因や動機を警視庁と厚生労働省が次のようにまとめています。1人3つまでの理由をカウントした場合、多い順に①健康問題、②経済・生活問題、③家庭問題、④勤務問題、⑤その他、⑥男女問題、⑦学校問題、となるそうです。

 

自殺の原因や動機は本人でない限り、はっきりと分からない部分もあります。調査では分からないこと、データに反映されないこともあるでしょう。

 

なぜ、自殺が多いのか。日本社会には、個人を追い詰めてしまう目に見えない要素があふれていることがひとつの背景だと私は推察します。人を評価するモノサシ、価値観などが少なすぎます。そうしたものは人の数だけあっていいはずなのに、数えるほどしかない。個人を軽視する構造です。個人より、社会の秩序、国家の秩序を優先しようとする社会です。

 

私たち一人ひとりがお互いを認め合い、尊重し合うためには、自考で自分の価値観、基準を創り出し、それを受け入れ、社会に少しずつ変革を起こしていく必要があります。

 

岡田 豊
ジャーナリスト

 

 

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    本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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    岡田 豊

    プレジデント社

    アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

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