経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

自己資金を用意、金融機関の信用を勝ち取る

融資の決め手は「経営力」と「純資産」

 

どのように金融機関に対して交渉すればいいかについて考えてみよう。

 

まず、金融機関は融資する際に何を見て判断しているのか。

 

「金融機関が事業に融資するときに見るのは、その人の経営力と純資産」

 

金融機関が事業に融資するときに見るのは、その人の経営力と純資産だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
金融機関が事業に融資するときに見るのは、その人の経営力と純資産だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

こう話すのは元メガバンク支店長で、家主でもある菅井敏之さんだ。金融機関にとって、純資産があるということは、万が一返済できない事態が起きても、貸し倒れのリスクが少ないということだ。ただ、あくまで不動産賃貸という事業に融資するため、純資産だけあればいいというわけではない。融資する人の経営者としての資質や金融リテラシー、判断力など経営力が重要な条件となる。昨今、問題が多い「サブリース」はサブリース会社が経営のプロとして運営するため、経営力のない人でも融資を受けやすかった面があったことも事実だ。

 

地主であれば土地という純資産が武器になる。だが、純資産を持たないビギナーは、その点が不利になる。

 

「不動産投資では、融資条件をいかに良くするかということが重視されるが、それほど即効性のある手法などはない。自己資金を貯め、収入を増やし、属性を上げるという、コツコツ積み上げていく地味な努力が必要だ」

 

こう話すのは資産運用のスクール、ファイナンシャルアカデミーの講師で、賃貸住宅を所有する家主でもある束田光陽さん。融資を受けやすくする近道はない。まずは自己資金をある程度用意することから、家主業に対する姿勢を金融機関に示すことが重要だ。

 

自己資金がある程度貯まったら金融機関に足を運び、きちんとした事業計画書を作成して渡し、「この人なら融資したい」と思わせることが重要だろう。融資を受けやすくするために、経費にならない土地の購入費を現金で用意することは有効だ。

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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