銀行を回り、賃貸住宅の事業計画を説明
土地は自己資金、建物は事業計画書を作って銀行回り
北海道札幌市で、賃貸マンションを4年で10棟152戸取得した外村真美さんは、1棟目の土地を自己資金で購入した。当時27歳というから驚きだ。
その後、金融機関から賃貸住宅を建てるための融資を受けることができた。1棟目はもちろん、その後も融資を受けるときにポイントになったのは、購入したい不動産があるエリアの賃貸状況と問題点、その問題点を克服する建物の企画などのプレゼン資料を用意し、説明して回ったことだ。
購入したい不動産があるエリアの昼と夜を歩いてみたときの雰囲気、周辺の空室状況などを調べ、何がこのエリアでの問題なのかについて分析し、まとめたレポートを提示。その問題点をどのようにしたら克服できるのかという検証と、それを反映した自身がつくりたいと考える賃貸住宅の企画を説明した。
外村さんが家主業を始めるきっかけは、実は資産運用ではなく、祖父が住んでいた土地を守るためだった。祖父が住んでいたその土地を市場価格で購入し、賃貸住宅として生かすことが目的だったという。そのため、家主業に対する思いも人一倍強かった。
「自分がつくる賃貸住宅で喜んでもらえる人を増やしたい。入居者一人ひとりの日々の暮らしに物語があることを忘れずに応援したい」
そんな自身の思いに共感してくれる担当者に出会うことは簡単ではなかったが、諦めずに自分の思いを理解してくれる担当者に出会うまで、いろいろな金融機関を回ったという。その結果、長期保有を視野に、物件を一棟一棟見極めて購入する姿勢は、単なる投資目的ではないと金融機関からも受け止められ、次々と融資を受けることができたという。
また、金融機関を回るとき、どの金融機関に当たればいいか、その選び方も重要だ。金融機関にもいろいろな種類があることを知っておこう。家主業での取引先としては、メガバンク、地方銀行、信用金庫、信用組合、日本政策金融公庫、ノンバンクなどがある。下から順に融資を受けるハードルは低くなる一方、金利の水準は高くなる。まず小規模不動産から投資をするのであれば、地方銀行や信用金庫、信用組合などが融資を受けやすいだろう。
金融機関には、基本的に営業エリア内に在住、あるいは事業所があることなどの条件があるため、遠隔地の不動産を購入する際は、自身が在住、もしくは事業所があるエリアの金融機関の支店が、購入予定の不動産があるエリアにあるかどうかも重要になってくる。ノンバンクは融資を受けやすいが、その分金利が高いので、利用の仕方には注意が必要だ。
永井ゆかり
「家主と地主」編集長
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