富裕層にも、富裕層を目指す人にも読んでほしい
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夫の死…想定外の現実に直面したキャリア妻
「そんな……なにかの間違いではありませんか?」
65歳の美咲さん(仮名)は、年金事務所の窓口で呆然としていました。
美咲さんは、大学卒業後、大手企業に就職し、ずっとフルタイムで働いてきました。月収は約40万円です。子どもが小さいころは時短勤務をしたこともありましたが、夫の康彦さん(仮名/享年67)とともに家計を支えながら、3人の子どもを育てあげました。教育費のピークも過ぎ、やっと自分たちの老後を楽しめると思った矢先、康彦さんは突然の病で亡くなったのです。
「夫は年金をしっかり払っていたし、遺族年金も当然もらえると思っていたのに……」
美咲さんは年金事務所で提示された金額を見て目を疑いました。
「65歳になってから受け取れる遺族年金は……たったの月5万円?」
予想していた金額とはあまりにもかけ離れています。なぜこんなに少ないのでしょうか。
共働き世帯に影響する遺族年金の仕組み
「夫が亡くなったら遺族年金がもらえる」――そう思っている人は多いですが、その仕組みを正しく理解している人は少ないようです。日本の遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」の2種類があります。
遺族基礎年金:18歳未満のこども(障害がある場合は20歳未満)がいる配偶者に支給されます。
遺族厚生年金:厚生年金に加入していた被保険者が亡くなった場合、残された配偶者に支給されます。
美咲さんのケースでは、子どもがすでに成人しているため、遺族基礎年金の支給対象外となります。また、美咲さん自身が厚生年金に加入し、65歳から自身の老齢厚生年金(約12万円)を受け取るため、遺族厚生年金は一部支給停止となりました。遺族厚生年金は、亡くなった配偶者の厚生年金の一部(原則4分の3)が支給されますが、自身の老齢年金との併給調整が入るため、受給額が減少するのです。
こうした説明を懇切丁寧に年金事務所の窓口で受けた美咲さんでしたが、「私はフルタイムで働いてきたからこそ、夫と対等な立場で老後を迎えられると思っていたのに……そんなルール知りませんよ。まったく納得いきません!」と憤りをあらわにします。
こうしたルールを知らずにいると、「共働きだからこそ損をする」ケースに陥ることもあります。
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