経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

まず現地に足を運んで調査すべき6つのポイント

現地で調査すべき6つのポイント

 

ビギナーは、基本的に「これは!」と思う不動産を見つけたら、まず現地に足を運んでみよう。現地で調査すべきポイントは主に次の6点だ。

(1)建物の状態
(2)建物周辺の環境
(3)適用される法制度の状況
(4)街の様子
(5)地域の中心地(最寄り駅)までの環境
(6)周辺の賃貸住宅の状況

 

まず、(1)の建物の状態については、大きく収支に影響するだけに最も重要だろう。これまでも何度か説明してきたが、中古不動産の場合は雨漏りや配管の破損、シロアリなど購入後修繕が必要になるケースがある。構造上に問題がなくても、室内の劣化状態がひどいとリフォーム費用がかかる。こうした状態は写真だけではわからない。建物の状態を目視して確認すべきだろう。

 

これはと思う物件を見つけたら、現地に足を運んでチェックすべきである。(※写真はイメージです/PIXTA)
これはと思う物件を見つけたら、現地に足を運んでチェックすべきである。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

次に(2)の建物周辺の環境については、周辺の建物、隣接する敷地の確認だ。高層の建物が周辺にあると日照条件が悪くなる。隣接する建物が工場だったり、幹線道路から近いと、音が気になる。

 

 

また臭気を出す施設があるとその点もネックとなる。郊外になると、隣接する敷地が崖地だったというケースもあり、豪雨などで崩れる恐れもある。こうした賃貸経営にマイナスになる要素が購入目的の不動産にはなくても、周辺の環境や建物にはあるかもしれないのだ。

 

(3)の適用される法制度の状況については、用途地域など建築基準法上の問題の確認、道路付けや境界の確認などは不可欠だ。例えば、用途地域内で事務所は不可の場所の場合、そのこと自体は物件概要でもわかるが、周辺を見て歩くと、その理由はより具体的にわかるという。

 

(4)の街の様子については、部屋探しをする人たちにとって、生活しやすい場所かどうかを確認すべきだろう。例えば、大きいスーパーや商店街、病院、公園、飲食店、カフェなどがあるか、さらにどんな店や施設があるかを確認する。その他、街に住む人たちはどんな人たちか、道行く人を観察し、地元の不動産会社に聞く。

 

(5)の地域の中心地までの環境も、生活していく上でポイントになる。例えば最寄り駅から徒歩15分ほどかかる場所に立つアパートがあったとする。主要な交通手段が電車である都市部の場合は最寄り駅から10分以上かかる賃貸住宅は一般的に敬遠される傾向があるが、駅からそのアパートまでの道のりの途中に賑やかな商店街や気持ちのいい公園、おしゃれなカフェやバーなどがあれば、その距離を長いとは感じなくなる。逆に、最寄り駅から近くても急な坂があると、敬遠される可能性が高い。

 

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