先行き不透明感強まるなか、不動産投資の有効性が広く知られるようになったが、リスクヘッジするには多額の資産を必要とするなど、参入障壁の高い投資手法としても知られている。そこで注目したいのが少額から始められる「不動産投資クラウドファンディング」だ。今回、注目したのは2021年9月のリニューアルから2024年7月末までに会員数が約1,600%増加と、多くの支持を集めている不動産投資クラウドファンディング「COZUCHI」。なぜ「COZUCHI」は、これほど多くの投資家から支持を集めているのか。サービスを運用するLAETOLI株式会社代表取締役CEOの武藤弥氏の話から紐解いていく。

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「不動産投資クラウドファンティング」が注目されるワケ

2024年8月5日には日経平均株価が過去最大の下げ幅を記録し、翌日8月6日には過去最大の上げ幅を記録するなど、投資環境の先行き不透明感が増しています。そのようななか「資産形成に成功するためにはアセットアロケーションを意識することが重要」と独立系FP、長岡理知氏は言う。

 

アセットアロケーションとは「投資種類を分散させること」。株式や国債、投資信託といった金融資産とは異なる種類にも投資を行い、リスクを分散させる。金融資産とは異なる種類の資産として思い浮かぶのが「不動産」だ。「不動産は金融投資と異なり現物資産です。価格変動の末に紙くずになるかもしれない株式と異なり、たとえ価格が下がったとしても土地や建物という現物が存在し続けます。金融資産とはリスクが異なるため、不動産投資も行うことでポートフォリオ全体のリスクを分散させることが可能になります」(長岡氏)。

 

ここで懸念となるのが「不動産投資には巨額の元手が必要であること」ではないだろうか。不動産投資の多くは、銀行からの借り入れをして物件を購入する。そのため、不動産投資を始められるのは銀行が融資してくれる属性の人、つまり高所得者だけの特権だ。また、不動産管理・運用の実務がかなり煩雑であることもデメリットである。

 

不動産投資は参入障壁が高い……このようなデメリットを克服する手法として注目されるのが不動産投資クラウドファンディングである。「不動産投資クラウドファンディングは、簡単にいうと、投資家から小口の資金を集め特定の不動産に投資し、運用益を投資家に分散するという仕組みです」(長岡氏)。

 

複数の不動産への投資をひとつのファンドで行える手法としてはREITが有名だが、REITは市場でリアルタイムで売買されているため、市場環境や銘柄によって投資金額が変動する。一方、不動産投資クラウドファンディングはファンドごとに投資物件が固定され、1物件もしくは少数の決められた物件に投資するのが一般的。「不動産投資クラウドファンディングは、1万円からなどと少額から投資できるのも人気の理由です」(長岡氏)

 

2018年、募集総額12.7億円だったのが、2023年には1,007.8億円と不動産投資クラウドファンティングの市場は急拡大し、現在、100社以上がサービスを展開。まさに群雄割拠という状態だ。

 

【図表】不動産投資クラウドファンティング 募集総額とファンド供給数の推移 出所:国土交通省『不動産証券化の実態調査』より作成
【図表】不動産投資クラウドファンティング 募集総額とファンド供給数の推移 出所:国土交通省『不動産証券化の実態調査』より作成
 

 

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「COZUCHI」…約半数が想定を超える年利回りを記録

日本マーケティングリサーチ機構の調査によると「COZUCHI」は、2024年4月末時点で累計投資額トップの不動産投資クラウドファンディングである。2024年7月末時点で、その投資額は777億円に上り、会員数は約7万5,000人。元本毀損は一度もなしと、信用度も高い。その概要や特徴について、「COZUCHI」を運用するLAETOLI株式会社代表取締役CEOの武藤弥氏に改めて伺った。

 

LAETOLI株式会社代表取締役CEO 武藤弥氏
LAETOLI株式会社代表取締役CEO 武藤弥氏

――「COZUCHI」は少額の1万円からスタート可能な不動産投資クラウドファンディングです。取り扱う不動産はマンションや商業施設からホテル、オフィス、そして開発用地までと多彩で、年間を通し4~10%と高い年利回りを実現しています。短期と中長期の運用スタイルを用意しているので、サービス内でバランスよくポートフォリオを組むことも可能です。

 

COZUCHIは運用期間が3ヵ月〜2年程度の「短期運用型」のファンドを中心に展開してきたが、2023年6月には「中長期運用型」のファンドをリリース。半年に一度、出資持ち分を売却する機会を設け、不動産投資において悩みの種になりがちな「低い流動性」を考慮した細やかな対策を講じている。また、物件選定から運用管理までを事業者に任せられるため、不動産投資の専門知識が不要なのも魅力だ。

 

昨今、クラウドファンディングを活用した不動産投資は注目を集め、さまざまなサービスが誕生している。「どのサービスを利用するか」と迷ってしまうが、COZUCHIは他のサービスと何が違うのだろうか。

 

不動産投資クラウドファンティングサービスを選ぶ際、まず注目すべきは案件数と募集口数、そこから導き出される累計投資額。不動産投資クラウドファンティングは、人気のあまり応募すらできないということも珍しくない。案件数、そして募集口数が多いということはそれだけ投資機会が多く、たくさんの投資家が参加しているということなる。2024年7月末時点、COZUCHIは組成ファンドは102、会員数は7万5,000人を超え、累計投資額は777億円にのぼる。これは不動産投資クラウドファンティングサービス、No.1の実績である(LAETOLI株式会社調べ)。

 

またCOZUCHIは事務手数料はかかるものの、運用中でも換金できる点にも注目だ。実は途中で換金できる不動産投資クラウドファンティングサービスは少なく、運用中に不測の事態が起きてもどうすることもできない。そもそもCOZUCHIはこれまで元本を割り込んだ案件はひとつもなく、中途換金ができるというメリットを享受する場面はなかった(2024年7月末時点)。それでもリスクを抑えることができるかは投資をするうえで重要なポイントである。

 

 

さらにCOZUCHIの案件は総じて想定利回り(年利)が高い。運用終了した76件のファンドの想定利回り(年利)は7.6%だった。

 

一般的に需要の高い人気物件は価格が高く想定利回り(年利)は低く、その分、リスクも低いといわれている。一方で、年利回りが高い物件はリスクが高く、年利回りとリスクは表裏一体といえる。では想定利回り(年利)の高いCOZUCHIの案件は人気が低く、その分、リスクが高いのかといえば、そうではない。

 

たとえば好立地にありながらも、相続により権利関係が複雑など、何らかの理由で流動性が低下し、低価値の不動産は多い。資金を流入させ、不動産を再生、価値を向上させれば、人気物件に仕立て上げることができる。その過程で、ときに想定を超える年利回りを投資家に還元させられるのだ。最近、東京・銀座の一等地にありながら打ち捨てられていた物件をクラウドファンディングの力で資金調達できたことからも、COZUCHIの機動力がうかがえる。

 

――法の下、しっかりと調査したうえで購入に踏み切れる低価値にとどまっている物件は数多くあります。しかし今、そうした案件に取り組もうとする企業はほとんどありません。不動産業界というレッドオーシャンの中にこつぜんと現れる、ブルーオーシャンのようなものです。課題を解決することで流動性が高まれば、「低価値の物件」から「高価値の物件」へと生まれ変わります。

 

前述の通り、運用が終了した76件のファンドの想定利回り(年利)は平均7.6%だったが、半数近くが上振れとなり、実績値としては平均16.9%を記録している。

 

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不動産投資クラウドファンティング「COZUCHI」の原点

不動産の再生、価値向上に取り組むLAETOLI社。そこにCOZUCHI誕生の原点がある。

 

――たとえば街中に廃墟があると周辺の治安が悪化します。不動産は私有財産であると同時に、重要な社会資本です。確実な再生法を模索したとき「クラウドファンディングが適しているのではないか」と思い当たりました。「銀行が資金を貸してくれないのであれば、金融の仕組みから作り上げればいい」……それが発想の原点です。

 

投資家と事業者の直接取引となるクラウドファンディングであれば、市場動向や市場がはらむリスクからの悪影響も受けにくいと、武藤氏は強調する。

 

――国内の不動産業界は金利が低く、今のところは良い状況です。とはいえ、金融機関の対応は変わっていくもの。悪い状況下では投資家の活動にもブレーキがかかってしまうでしょう。しかし資金の調達法が明瞭なクラウドファンディングであれば、金融状況に左右されにくい。投資家も事業者も、自己資金の範囲内で無理のない投資を継続できます。

 

不動産投資クラウドファンディングの可能性を提唱する一方で、武藤氏は投資家を裏切らない案件組成に向け、気を引き締めている。

 

――これまで不動産投資は資金力があり、金融機関からの借り入れも可能な投資家たちのものでした。その結果、情報や富の偏在が生まれていったのです。クラウドファンディング型の投資は小口から参加可能で、フィールドの解放に貢献しています。だからこそ我々は、案件組成や物件調達力を過信しないよう気を引き締めなくてはなりません。雑な物件選定は、必ず失敗します。「投資家の皆さんにきちんと配当できるか」を真剣に検討しながら、ひとつでも多くの魅力的なファンドを立ち上げていきたいと考えています。

 

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