RC造マンションは融資を受けやすい
次は、建物の構造について見てみよう。建物には主に次の5つの構造体がある。
〇SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
〇RC造(鉄筋コンクリート造)
〇重量鉄骨造
〇軽量鉄骨造
〇木造
構造体によって、建物の強度やコスト、税金などが異なり、賃貸経営の収益性にも大きく影響する。それぞれのメリット・デメリットについて知っておくことが重要だ。
〈SRC造・RC造のメリット〉
〇建物が強固
〇建物の使用可能期間を意味する「法定耐用年数」が長い
〇資産価値が高い
〇防音性が高い
建物の中で最も強固な構造はSRC造で、その次に強固なのがRC造だ。「マンション」と呼ばれる建物は基本的に、この2つの構造となっている。建物は高層になればなるほど強度が必要となるため、タワーマンションなどの高層マンションはSRC造だ。賃貸住宅で個人が所有するマンションは、大抵RC造だ。
「法定耐用年数」も長い。法定耐用年数とは建物の使用可能期間で、SRC造・RC造は47年、重量鉄骨は34年、軽量鉄骨造は19年または27年、木造は22年だ(いずれも住宅使用の場合の期間)。耐用年数が長いほど金融機関から融資を受けられる期間も長くなるので、毎年の返済金額を抑えられる。また、長期間価値を維持できるということで、融資も受けやすくなる。その他、よほど築年数の古い建物でなければ基本的に二重床、二重天井になっているため、防音性能も高い。
〈SRC造・RC造のデメリット〉
〇価格が高い
〇工事期間が長い
RC造は、建物が強固という点で人気があり、外観のグレード感もまるで違うため、鉄骨造や木造より家賃を高く取れるものの、取得価格も高いため収益性は落ちる。
さらに土地から購入して新築を建てる場合、工事期間が長いため、家賃収入が発生するまでに時間がかかり、資金に余裕がないと財務的に厳しくなる。