土地の権利形態には所有権と借地権がある
不動産を購入する際、どのような権利関係があるかを押さえておくことは重要だ。権利関係と書くと、堅い法律の話になると思って敬遠したくなる人もいるかもしれない。しかし、権利関係によって実際の不動産価格は異なるため、きちんと押さえておきたい。
土地と建物のうち、土地の権利形態には大きく分けて2つある。「所有権」と「借地権」だ。それぞれの意味は読んで字のごとく。所有権を持つとは、その土地の所有者になることで、自由に売買したり、活用したりすることができる。土地を所有しているので、土地に対する固定資産税や都市計画税などの税金を支払う義務もある。
一方、借地権とは土地を借りる権利で、3つの種類がある。「旧法借地権」「普通借地権」「定期借地権」だ。
旧法借地権は、土地所有者に特段の事情がない限り契約更新を拒否できない。普通借地権は、契約期間が 30 年で、1回目の更新は20年、2回目以降の更新は10年となる。普通借地権も、土地所有者に特段の事情がなく、借地権者(借地人)が希望すれば契約は自動的に更新される。この2つの借地権は、裏を返せば借地権者に圧倒的に有利な権利だ。
定期借地権は、契約期間に定めがあるもので、借地人は期間満了後に土地所有者に更地で返さないといけない。時々分譲マンションの広告で「定期借地権分譲マンション」という文字を見かけることがあるだろう。50~70年の期間になっていることが多い。
収益不動産の対象となる借地権付き物件は、旧法借地権が多い。借地人に有利な借地権付き不動産のメリットとデメリットを見ていこう。