重量鉄骨造は高層住宅にも対応できる
次に鉄骨造を見ていこう。鉄骨造は、鉄鋼材の厚さが6mm以上の「重量鉄骨」、6mm未満の「軽量鉄骨」に大別される。軽量鉄骨は、中規模なアパートや大きな戸建てに利用され、重量鉄骨は、低層住宅から高層ビルまで幅広い範囲で利用される。
〈重量鉄骨造・軽量鉄骨造のメリット〉
〇工事期間がSRC造・RC造よりも短い
〇重量鉄骨造は高層住宅も建築可能
〇木造と異なり、シロアリの不安はない
鉄骨造はグレード的には、RC造と木造との中間に位置する。木造は通常3階、高くても4階までだが、重量鉄骨造なら9階などの高層も建てられる。つまり、階層はRC造と同じ程度の高さが建てられ、工事期間が短くできる。また柱や梁に木材を使用しないため、シロアリの被害を受けることもない。
〈重量鉄骨造・軽量鉄骨造のデメリット〉
〇リフォームの選択肢が狭い
〇地震で揺れやすい
メリットだけ見ると、賃貸住宅として運営しやすいのは重量鉄骨造に見えるが、大掛かりなリフォームがしにくいというデメリットがある。鉄骨造は工場で製造したものを現場で組み上げる「ユニット工法」などが多いため、材料についてはほとんどが規格化されている。そのため、あとからリフォームをしようとしても、規格に合わない構造には変更ができないのだ。築年数が古い建物を購入する場合や、長期に持ち続けることを考えた場合は、時代のニーズによる間取り変更の選択肢が少なく、リフォームがしにくい構造だ。