実質利回りは…「不動産は立地」のみで考えてはいけない理由

経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』から一部を抜粋した原稿です。

不動産購入の本来の目的を忘れてはいけない

家主業の基本をある程度理解したら、次は不動産購入の基本について考えていきたい。

 

まず、購入するときにどんな条件で不動産を探したらよいだろうか。最低限検討するべき点は、 「立地」「建物の構造」「建物の種類」「建物の築年数」「建物の間取り」「土地の権利」「利回り」、そして「価格」だろう。

 

この連載ではそれぞれの条件について検証していくが、その前に不動産購入時に忘れてはいけない大事なことを確認しておきたい。それは、「不動産を購入する目的」だ。本来の目的を見失ってしまい、資産を減らしかねない事態に陥るケースもある。

 

買いたい不動産はそう簡単に手に入るものではない。
買いたい不動産はそう簡単に手に入るものではない。

 

いざ収益不動産を買おうと思っても、買いたい不動産はそう簡単に手に入るものではない。欲しいと思った不動産がなかなか買えないと、永遠に買えないのではないかと不安になり、焦る。本来、焦りは禁物だが、なかなか買うことができないと、いつの間にか、目的は収益性の高い「いい不動産」を買うことではなく、買うこと自体が目的になり、徐々に「買える不動産」に買い付けを入れるようになる。そのような状況に陥ることを「買いたい病」に罹るという。「買いたい病」に罹るリスクは、1棟目はもちろんのこと、2棟目も同様だ。

 

早く事業的規模にしたい――。こんな思いが募り、かつて「買いたい病」に罹ったと振り返るのは神奈川県在住の高田修さんだ。1棟目は全4戸のアパートを購入し、高収益でうまくいっていた。そこで家主業の旨味を知ったことから、税制優遇措置があり、事業的規模といわれる5棟10室まで早く規模を拡大したいと思ったという。

 

1棟目は、土地が高くて建物が安かったので、2棟目は、減価償却が取れるように、建物が高くて土地が安い物件を探した。その結果、郊外の土地が安い地域に全10戸の新築デザイナーズアパートを購入。

 

ところが、立地が悪かったことから、なかなか満室にならず、結局、2年で売却。運良く不動産の相場が上がっているタイミングだったので、購入金額とほぼ同じ額で売却できたが、時期が悪ければ、資産はマイナスになっていただろう。

 

「新築デザイナーズアパートであれば、よほどのことがない限りうまくいくだろうと思ったのは間違いだった。いい勉強になった」と話す。

「家主と地主」 編集長

1975年、東京都生まれ。日本女子大学卒業。1998年「亀岡大郎取材班グループ」に入社。住宅リフォー ム業界向け新聞、リサイクル業界向け新聞、ベン チャー企業向け雑誌などの記者を経て、賃貸不動産 オーナー向け経営情報誌「家主と地主」編集長、賃貸住宅業界向け新聞「週刊全国賃貸住宅新聞」編集長を歴任し、2004年、全国賃貸住宅新聞社取締役に就任、現在に至る。新聞、雑誌の編集発行の傍ら、家主・地主や不動産会社向けのセミナーでの講演活動を行う。本書が初の著書となる。2児の母。

著者紹介

連載一生お金をチャリンチャリン稼げる「サラリーマン大家」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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