経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』から一部を抜粋した原稿です。

不動産会社はビジネスパートナーである

不動産会社との関わり方には大きく分けて3つある。

 

(1)募集だけを依頼する媒介業務委託

(2)家賃集金、入居者対応などの管理全般を委託する賃貸管理業務委託

(3)建物を一括で借り上げてもらうサブリース委託契約

 

まず、(1)の委託については、不動産会社は、基本的に募集と契約、契約の更新時期の通知、更新 または解約業務の手続きを行う。この媒介業務委託はさらに2つのタイプに分けられる。「専任媒介」と「一般媒介」だ。

 

専任媒介では、その名の通り1つの不動産会社に募集を依頼する。専任媒介で依頼した不動産会社は、自社だけがその不動産情報を取り扱うメリットがあるため、一生懸命募集してくれることが期待できる。また、自社だけで募集が難しい場合、他の不動産会社に情報を流し、その結果、他の不動産会社が契約した場合は、仲介に関わる手数料の半分を契約を決めた不動産会社に支払い、残り半分を専任媒介の不動産会社が受け取るという形となる。

 

サラリーマン大家は不動産会社との付き合い方が大事。
サラリーマン大家は不動産会社との付き合い方が大事。

 

もう一つの一般媒介では、1社ではなく、複数の不動産会社に募集を依頼する。複数の不動産会社が募集するため広く宣伝することができる点がメリットだ。依頼した各不動産会社にとっては、専任媒介と違って募集して契約が成立したら、仲介手数料は100%受け取ることができるメリットがある。だが、他の不動産会社にも募集を依頼しているため、競争にさらされるデメリットもある。そのため、一般媒介では、複数の不動産会社と上手に付き合う方法を考えなくてはいけない。上手に付き合っている家主たちがどのような方法を取っているのかは後述する。

 

次に(2)の委託については、いわゆる賃貸管理全般を不動産会社が行う。そのため「管理会社」と呼ぶ。入居者募集から契約、入居後の家賃集金、入居期間中のクレームや問い合わせ対応、退去時の立ち会い、原状回復工事の手配などを行う。入居者の募集時は専任媒介となる。サラリーマンで日常忙しい人や、遠隔地に所有していて現地になかなか行けない人は、管理委託契約をしているケースが多い。管理費は家賃の3~5%が相場だ。

 

最後に(3)の委託については、(2)の賃貸管理業務委託と似ているが、大きく違うのはサブリース会社が賃貸住宅を丸ごと借り上げるということだ。例えば1棟10戸のアパートを所有していた場合、そのアパートをサブリース契約すると、実際は空室があったとしてもサブリース会社が全10戸を賃貸借契約する。サブリース会社と家主との業法上の契約関係は「賃貸借契約」となり、サブリース会社は家主の合意を得て、「転貸」するビジネスなのだ。そのため、入居者の実際の貸主はサブリース会社であり、所有する家主とは契約関係はない。

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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