区役所の窓口で基礎年金番号を尋ねられ、マイナンバーカードを提示しても、それだけでは代用できなかった――。そんな経験から見えてくるのが、日本の「番号制度」の複雑さです。日本では、税務、年金、社会保障などの分野で、それぞれ異なる番号制度が整備されてきました。なぜ基礎年金番号があるのに、マイナンバーも必要なのでしょうか。かつてのグリーンカード制度から、消えた年金問題、そして現在のマイナンバー制度まで、日本の番号制度がたどってきた道のりを振り返ります。
ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
父が溶かした退職金【上巻】・【下巻】
小林篤典(著)+ゴールドオンライン(編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
区役所で感じた「番号制度」の不思議
筆者の個人的な体験ですが、先日、必要があって区役所に書類を受け取りに出向きました。その際、係員から基礎年金番号を尋ねられました。
マイナンバーカードは持参して提示していたものの、基礎年金番号は持参していない旨を伝えると、係員は氏名と生年月日からパソコンを操作し、10桁の基礎年金番号を示してくれました。
この経験から、日本では個人に関する基本的な番号制度が、必ずしも一元化されていないことに気付きました。
米国では、1930年代以降、年金制度に利用するための社会保障番号(SSN)が整備され、その後、預金や納税申告書など、さまざまな分野で利用されるようになっています。
一方、日本では、マイナンバーとは別に基礎年金番号が存在しています。さらに、窓口の係員に聞いたところでは、区役所内でも基礎年金番号が一律に使用されているわけではないとのことでした。
では、日本の番号制度は、なぜこのような形になったのでしょうか。
国際課税研究所首席研究員 博士(会計学)。
中央大学大学院商学研究科修士課程修了。昭和50年東京国税局に勤務、平成2年退職。産能短期大学助教授、日本大学商学部助教授、教授を経て平成14年中央大学商学部教授(平成30年退職)。税務大学校講師、専修大学商学研究科非常勤講師、慶應義塾大学法学研究科非常勤講師、新潟産業大学経済学部非常勤講師、武蔵大学経済学部非常勤講師を歴任。
著書に『国際課税と租税条約』(ぎょうせい、第1回租税資料館賞受賞)、『租税条約の論点』(中央経済社、第26回日本公認会計士協会学術賞)、『移転価格税制の理論』(中央経済社) 、『詳解日米租税条約』(中央経済社)など。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載ゴールドオンライン新書編集部発_注目の執筆者の書下ろし!