基礎年金番号が登場、しかし「消えた年金問題」が発生
年金分野では、平成9年から基礎年金番号の使用が開始されました。
基礎年金番号は、年金制度における個人の記録を一つの番号で管理するための仕組みです。これによって、複数の年金制度に加入した場合でも、個人の年金記録を一つの番号に結び付けて管理することが目指されました。
ところが、その10年後の平成19年、「消えた年金問題」が大きな社会問題となります。社会保険庁が管理していた年金記録に大量の不備があることが明らかになり、約5,000万件の年金記録が基礎年金番号に適切に結び付けられていないことが問題となりました。
その結果、年金記録の管理に対する国民の信頼は大きく損なわれました。その後、社会保険庁は改組され、平成22年には日本年金機構が発足しています。
「税と社会保障を共通の番号で」という発想
こうした年金問題を経験する一方で、税と社会保障を共通の番号で管理するという考え方も強まっていきました。
平成21年(2009年)には、民主党の「政権政策Manifesto 2009」において、「所得把握を確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入する」という方針が明記されました。税と社会保障を共通の番号で管理するという考え方は、その後のマイナンバー制度につながっていくことになります。
ただし、基礎年金番号の利用範囲が限定的である理由について、「消えた年金問題」が直接影響したのかどうかは定かではありません。
もっとも、年金記録の管理で大規模な問題が発生したことは、基礎年金番号を社会保障や税務など幅広い行政分野で共通して利用するうえで、信頼性という課題を残したと考えることはできます。
