税務では「納税者番号」が検討されていた
日本でも、個人を番号で把握するという考え方が、以前から存在していました。
税務の分野では、国税庁内部に納税者を識別するための番号が存在していましたが、昭和63年には政府税制調査会に納税者番号等検討小委員会が設置され、納税者番号制度の導入を提言する報告書が公表されました。
さらに、平成4年11月には第2次報告書が取りまとめられています。
つまり、日本では現在のマイナンバー制度が登場するはるか以前から、税務を中心として「個人を番号で把握する仕組み」をどう構築するかが議論されていたのです。
「グリーンカード制度」が残した教訓
こうした番号制度を考えるうえで、忘れてはならないのが、かつて導入が検討された「グリーンカード制度」です。
政府税制調査会は、昭和55年度の税制改正において、利子・配当の総合課税への移行と、少額貯蓄等利用者カード、いわゆる「グリーンカード」の導入を答申しました。
その後、昭和55年度の税制改正でグリーンカード制度は立法化され、昭和59年1月1日以降に預け入れられる預貯金を対象として適用されることになりました。
しかし、制度はその後廃止されました。個人の預貯金をカードによって管理し、所得を正確に把握するという構想は、結果として実現しなかったのです。
この経験は、日本における「個人を番号で把握すること」の難しさを象徴する出来事だったともいえます。
