(※写真はイメージです/PIXTA)

孫と過ごす時間を楽しみにしている祖父母は少なくないでしょう。学校行事に出かけたり、一緒に旅行をしたりすることは、家族の思い出にもなります。ただ、孫が成長すれば、その過ごし方も少しずつ変わっていきます。いつの間にか自分たちの予定を後回しにしていた――。そんなことに、ある出来事から気づく人もいます。

「来るかもしれないから」連休を空け続けていた70代夫婦

「孫と出かけるのは、私たちも楽しかったんです。だから誰かに無理をさせられていたわけではありません」

 

そう話すのは、72歳の紀子さん(仮名)です。74歳の夫・隆夫さん(仮名)と2人で暮らしています。

 

夫婦には45歳の長女がおり、その家族は車で40分ほどの場所に住んでいます。孫は現在、中学1年生と小学4年生です。

 

幼いころから、2人はよく祖父母宅へ遊びに来ていました。

 

動物園や水族館へ連れていき、夏には一緒に旅行へ出かけます。誕生日やクリスマスには自宅へ招き、料理を用意するのも紀子さんの楽しみでした。

 

夫婦の年金収入は月約31万円。預貯金や金融資産も約4,200万円あり、住宅ローンは完済しています。

 

孫とのレジャー代を出すことも、家計を圧迫するほどではありませんでした。ところが、孫が小学生になったころから、夫婦は自分たちの予定を決める前に、長女一家の予定を確認するようになります。

 

大型連休には「みんなでどこか行く?」と早めに連絡。夏休みも、孫と出かける日が決まってから自分たちの予定を入れていました。

 

ある春、紀子さんは友人夫婦から2泊3日の旅行に誘われます。以前から行きたかった温泉地でした。しかし、その日程は連休中。

 

「娘たちが来るかもしれないから、ちょっと待って」

 

紀子さんはその場で返事をせず、長女へ連絡しました。長女からは「まだ分からないけど、どこかで行くかも」と返信が来ます。

 

結局、紀子さん夫婦は旅行を断りました。

 

「孫が来るかもしれないのに、私たちだけ出かけるのもな、と思ったんです」

 

ところが連休が近づいたころ、長女から連絡がありました。上の孫は部活動、下の孫も友達の家族と出かける予定ができたため、今回は祖父母宅へ行かないというのです。

 

紀子さんは「そうなんだ」と返信しました。孫が友達との予定を優先すること自体は、何もおかしくありません。それでも、電話を置いたあと、紀子さんは夫に言いました。

 

「私たち、何のために予定を空けてたんだろうね」

 

内閣府『令和7年版高齢社会白書』によると、直近1年間に何らかの社会活動へ参加した65歳以上の人のうち、生きがいを「十分感じている」または「多少感じている」と回答した人は84.6%でした。いずれの活動にも参加しなかった人より23.0ポイント高い結果です。

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