そして「マイナンバー」が登場
その後、平成25年には、現在のマイナンバー制度の根拠法である「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が制定されました。
そして、令和3年にはデジタル庁が発足しました。マイナンバー制度は、当初からデジタル庁が所管していたわけではありません。制度の運用や関連する行政事務については、内閣府や総務省などが担ってきました。その後、デジタル庁の発足によって、行政のデジタル化を推進する体制が整えられ、現在に至っています。
こうしてみると、日本では税務、年金、社会保障など、それぞれの行政分野で個人を識別するための番号制度が発展してきたことが分かります。
現在の私たちには、基礎年金番号とマイナンバーという異なる番号が付されています。
「番号を一つにする」ことは可能か
冒頭の区役所での出来事は、一つの窓口での個人的な体験にすぎません。
しかし、そこから見えてくるのは、日本の番号制度が、長い年月をかけて行政分野ごとに整備されてきたという事実です。
米国の社会保障番号(SSN)のように、一つの番号を幅広い分野で利用する仕組みと比べると、日本の制度は複数の番号が併存する形になっています。
もちろん、個人情報保護やセキュリティーの観点から、すべての情報を一つの番号で管理すればよいという単純な話ではありません。
一方で、行政のデジタル化を進めるのであれば、既存の番号制度をどのように整理し、国民にとって分かりやすく、かつ安全な仕組みにしていくのかは、今後も重要な課題になりそうです。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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