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法人税率の引き下げ競争、各国はなぜ進めてきたのか
法人税について、基本税率だけを比較すると、日本は23.2%、米国は21%、英国は25%、ドイツは15.825%、フランスは25%です。このうち、地方税のない英国が最も税負担が軽いことになります。
英国を例にすると、法人税の基本税率は1999年度以降30%でしたが、2008年度以降は28%、2011年度以降は26%、2013年度は23%、2014年度は21%、2015年度は20%、2017年度以降は19%となり、現在は25%です。
これは英国だけの特異な状況ではなく、各国が法人税率の引き下げ競争を行ってきた結果です。地方法人税のない英国の場合、国税の税率が実効税率となります。
しかし、各国の法人税率の引き下げ競争も下げ止まりを見せています。新型コロナウイルス感染症の流行などによって各国の財政が逼迫したこともあり、これ以上の法人税率の引き下げ競争は進まないものと思われます。
日本より法人税率が低い香港・シンガポール
では、なぜ各国は法人税率の引き下げ競争を行ってきたのでしょうか。その大きな理由の一つが、企業誘致です。
日本の場合、アジアには法人税率が16.5%の香港、17%のシンガポールなどがあります。国境を越えて移転できる企業は、税率の高い日本ではなく、こうした低税率国などに移転する可能性があります。
企業活動が国際化する以前であれば、法人税率を引き上げて税収を増やすことも選択肢の一つだったでしょう。しかし、企業が税負担の低い国などへ移転しやすくなっている現在の状況では、法人増税がそのまま税収増につながるのかどうかは疑問です。
法人税率を引き上げることで、国内企業の税負担が増えるだけでなく、企業の投資や拠点の海外移転などに影響を与える可能性もあります。法人税率を引き上げれば、それだけ税収が増えるという単純な関係ではありません。

