(※写真はイメージです/PIXTA)

熊本地震では、被害を受けた住宅を対象に「応急危険度判定」が始まりました。調査を終えた建物には、「危険」「要注意」「調査済」と書かれたステッカーが貼られます。その様子が報道されるたび、「赤い紙が貼られた家は全壊なのか」「この判定を受ければ罹災証明書も発行されるのか」と疑問を抱く人は少なくありません。しかし、応急危険度判定と罹災証明書は、目的も判定基準もまったく異なる制度です。この違いを理解していないと、支援制度の申請や保険金の請求など、被災後の生活再建で思わぬ混乱を招く可能性があります。災害時に混同されやすい「応急危険度判定」と「罹災証明書」の違い、さらに罹災証明書で利用できる主な支援制度について解説します。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

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人命を守るための「応急危険度判定」

大規模地震の発生後、余震による建物の倒壊や外壁・屋根瓦の落下など、二次災害の危険性が高まります。こうした危険から住民を守るために実施されるのが「被災建築物応急危険度判定」です。

 

建築士などの資格を持つ判定士が、主に建物の外観を短時間で調査し、「その建物に立ち入っても安全かどうか」を判断します。

 

判定結果は次の3区分で表示されます。

 

・危険(赤):建物への立ち入りは危険
・要注意(黄):立ち入りには十分な注意が必要
・調査済(緑):現時点では危険性は低い


ここで重要なのは、この判定は建物の資産価値や損害額を評価するものではないという点です。

 

例えば、外壁が大きく剥がれ落ちそうで通行人に危険が及ぶおそれがある場合には、建物本体の損傷が比較的小さくても「危険」と判定されることがあります。

 

逆に、建物内部の柱や基礎に重大な損傷があっても、外観からは判断できないケースもあります。応急危険度判定は「住み続けられるか」を判定する制度ではなく、「今、この建物に入って安全か」を判断するための緊急措置なのです。
 

次ページ生活再建の基礎となる「罹災証明書」

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