(※写真はイメージです/PIXTA)

熊本地震では、被害を受けた住宅を対象に「応急危険度判定」が始まりました。調査を終えた建物には、「危険」「要注意」「調査済」と書かれたステッカーが貼られます。その様子が報道されるたび、「赤い紙が貼られた家は全壊なのか」「この判定を受ければ罹災証明書も発行されるのか」と疑問を抱く人は少なくありません。しかし、応急危険度判定と罹災証明書は、目的も判定基準もまったく異なる制度です。この違いを理解していないと、支援制度の申請や保険金の請求など、被災後の生活再建で思わぬ混乱を招く可能性があります。災害時に混同されやすい「応急危険度判定」と「罹災証明書」の違い、さらに罹災証明書で利用できる主な支援制度について解説します。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

罹災証明書があると利用できる主な支援制度

罹災証明書は、さまざまな公的支援を受けるための「入口」となる書類です。

 

まず代表的なのが被災者生活再建支援金です。住宅の被害程度に応じて支給される基礎支援金は、全壊世帯で100万円、大規模半壊世帯で50万円です(中規模半壊世帯は基礎支援金の対象外)。これに、住宅の再建方法に応じた加算支援金が加わり、全壊・大規模半壊世帯は建設・購入200万円、補修100万円、賃借50万円、中規模半壊世帯は建設・購入100万円、補修50万円、賃貸25万円が支給されます(いずれも単身世帯は4分の3の額)。

 

また、固定資産税や都市計画税、住民税、所得税については、減免や軽減措置が設けられることがあります。所得税では雑損控除や災害減免法による軽減措置を利用できる場合もあります。

 

さらに、自治体によっては国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、国民年金保険料などの減免制度を設けています。

 

地震保険や火災保険は保険会社が独自に損害認定を行いますが、手続きを円滑に進めるため、罹災証明書の提出を求められることがあります。

 

住宅ローンを返済中の場合には、金融機関へ相談することで返済猶予や返済条件の変更を受けられる可能性があります。また、大規模災害では「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が適用される場合もあり、生活再建に配慮した債務整理制度を利用できるケースがあります。

 

このほか、応急仮設住宅やみなし仮設住宅、公営住宅への一時入居、住宅修理費補助、家財撤去費用補助、災害見舞金など、自治体独自の支援制度もあります。

判定結果に納得できない場合は

罹災証明書の判定に納得できない場合には、市町村へ再調査を申し出られる場合があります。

 

被害認定は、支援金や税の減免などに大きく影響するため、「実際の被害より軽く判定された」と感じる場合は、そのままにせず自治体へ相談することが重要です。

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