(※写真はイメージです/PIXTA)

熊本地震では、被害を受けた住宅を対象に「応急危険度判定」が始まりました。調査を終えた建物には、「危険」「要注意」「調査済」と書かれたステッカーが貼られます。その様子が報道されるたび、「赤い紙が貼られた家は全壊なのか」「この判定を受ければ罹災証明書も発行されるのか」と疑問を抱く人は少なくありません。しかし、応急危険度判定と罹災証明書は、目的も判定基準もまったく異なる制度です。この違いを理解していないと、支援制度の申請や保険金の請求など、被災後の生活再建で思わぬ混乱を招く可能性があります。災害時に混同されやすい「応急危険度判定」と「罹災証明書」の違い、さらに罹災証明書で利用できる主な支援制度について解説します。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

生活再建の基礎となる「罹災証明書」

一方、罹災証明書は、市町村が住家の被害状況を調査し、その被害の程度を公的に証明する書類です。

 

調査では、建物の基礎、柱、壁、屋根などの損傷状況を確認し、国の「住家被害認定基準」に基づいて被害割合を判定します。

 

一般的な判定区分は、

・全壊
・大規模半壊
・中規模半壊
・半壊
・準半壊
・一部損壊

などです。

 

この判定結果は、被災者生活再建支援金や税金の減免、応急仮設住宅への入居など、多くの支援制度を利用する際の基準となります。罹災証明書は被災後の生活再建を支える「スタートライン」となる重要な書類なのです。

「赤い紙=全壊」ではない

応急危険度判定の「危険(赤)」と、罹災証明書の「全壊」は全く意味が異なります。

 

例えば、外壁や屋根の一部が崩れ落ちそうで余震時に危険と判断されれば、「危険」の判定になることがあります。しかし、その後の詳細な調査では「半壊」や「一部損壊」と認定されるケースもあります。

 

逆に、外観上は比較的きれいに見えても、建物内部の柱や基礎が大きく損傷していれば、「全壊」と認定されることもあります。

 

各自治体も、応急危険度判定は人命保護のための制度であり、罹災証明書のための住家被害認定とは別制度であることを明確にしています。

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