見落としがちな「未成年者控除」
胎児や未成年者が相続人となる場合、もう一つ忘れてはいけないのが「未成年者控除」でだ。相続開始時点で18歳未満の法定相続人が財産を取得した場合、一定の要件を満たせば相続税額から控除を受けることができる。
控除額は、
で計算される。例えば、15歳の子どもであれば、18歳まで3年間あるため、「3年×10万円=30万円」の控除が可能だ。生まれたばかりの子どもの場合は、18年間分となるため、「18年×10万円=180万円」の控除を受けられる計算になる。
ただし、この控除は自動的に適用されるものではない。相続税申告の際には、適用要件を確認し、正しく申告する必要がある。
「まだ生まれていない」「まだ子どもだから」は通用しない
胎児が相続人になるケースや、未成年者が相続人になるケースは、一般的な相続と比べれば多くない。しかし、一度発生すると、相続人の確定から遺産分割、相続税申告まで、さまざまな場面に影響する。
特に注意したいのは、「まだ生まれていないから関係ない」「子どもだから親が手続きできる」と考えてしまうことである。
制度を知らないまま進めると、後になって遺産分割協議をやり直したり、相続税申告を修正したりする必要が生じる可能性がある。
八ツ尾順一税理士は、「胎児が相続人となるケースは決して多くありませんが、一度該当すると、法定相続分や相続税の基礎控除だけでなく、遺産分割や申告手続きにも大きな影響を及ぼします。妊娠中の家族がいる場合には、出生時期も考慮しながら、早い段階で専門家に相談することが重要です」と指摘する。
