築40年の木造家屋でも相続税がかかる謎…所得税は“実質価値ゼロ”なのに相続税は「最低20%」になる、一見不合理な「固定資産税ルール」【税理士が解説】

築40年の木造家屋でも相続税がかかる謎…所得税は“実質価値ゼロ”なのに相続税は「最低20%」になる、一見不合理な「固定資産税ルール」【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

故人から不動産を相続した場合、相続税評価上は家屋と土地を別々の財産として評価します。「家屋」の評価は一見簡単そうですが、実務で知っておくべき問題点があります。そこで本記事では、家屋とその周辺設備(附帯設備)の「価値」をどのように評価するか、その評価方法と実務上の注意点を税理士がくわしく解説します。

附帯設備の評価…①家屋と構造上一体となっている設備

ここからは、家屋に付随するさまざまな設備(=附帯設備)が、相続税の評価においてどのように扱われるのかを確認していきます。

 

附帯設備は、大きく下記の2種類に分類されます。

 

①家屋と構造上一体となっている設備

②家屋とは独立して存在する設備

 

①は「家屋の一部といえるかどうか(簡単に取り外しができないかどうか)」で評価が変わり、②は家屋とは別の財産として評価します。

 

床暖房は「家屋の一部」、壁掛けエアコンは「動産」として評価

吉田課長「たとえば室内に設置した冷暖房設備は、家屋とは別に評価するのですか?」

 

家屋の一部といえるかどうか(簡単に取り外しができないかどうか)によります。下記2.(1)をみてください。

 

2.附属設備等(財産評価通達92)

(1)家屋と構造上一体となっている設備

①対象附属設備等

下記のイ、ロを満たす附属設備等であること。

 

イ.家屋の所有者が有する電気設備(ネオンサイン、投光器、スポットライト、電話機、電話交換機、タイムレコーダー等を除く)、ガス設備、衛生設備、給排水設備、温湿度調整設備、消火設備、避雷針設備、昇降設備、じんかい処理設備等

 

ロ.その家屋に取り付けられ、その家屋と構造上一体となっていること。

 

②評価

その家屋の価額に含めて評価する。つまり、家屋と別に評価しない。

 

家屋と一体となっている場合は、家屋の一部として評価します。これは、冷暖房設備・電気設備・ガス設備・衛生設備など(上記 2.(1)①)が、固定資産評価基準において木造家屋の建築設備として位置づけられているためです。したがって、家屋と切り離して独立した評価は行いません。

 

これに対して、家屋と構造上一体となっていない冷暖房設備などは、動産として別途評価します(後掲3.(1)①)。

附帯設備の評価…②家屋とは独立して存在する設備

門や塀などは再建築価額ベースで評価

吉田課長「家屋とは独立して存在する設備って、具体的にはどのようなものですか?」

 

はい。門や塀などがそれにあたります。財産価値がある門、塀、外井戸、屋外じんかい処理設備なども相続税の対象になります(下記2.(2))。

 

2.附属設備等(財産評価通達92)

(2)門、塀等の設備

①定義

門、塀、外井戸、屋外じんかい処理設備等をいう。

 

②評価

その附属設備の再建築価額※1から、建築のときから相続開始日までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年)の償却費の額の合計額または減価の額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価する。

 

(再建築価額-減価償却費※2の合計額)×70%=評価額

 

※1 再建築価額(財産評価通達89-2)……相続開始のときにおいて、その財産を新たに建築または設備するために要する費用の額の合計額をいう。

 

※2 減価償却費……附属設備等は、時間の経過とともに価値が減少する。減少の測定は定率法という償却方法で計算する。附属設備等の耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令で規定する耐用年数による。後掲3.(2)②の減価償却費に同じ。

 

再建築価額から、相続開始日までに生じた減価償却費を差し引き、その70%を評価額とします。70%という割合は、評価の安全性を確保するために設けられています。

 

 

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