葬式費用はどこまで相続税で控除できるのか――相続税で認められる支出・認められない支出の決定的違い【税理士が解説】

葬式費用はどこまで相続税で控除できるのか――相続税で認められる支出・認められない支出の決定的違い【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

相続税の計算では、被相続人の借金などを差し引く「債務控除」が認められています。そのなかに「葬式費用」が含まれることは広く知られていますが、どこまでの支出が控除の対象になるのかを正確に理解している人は多くありません。香典返しは控除できない一方で、会葬返礼品や通夜振る舞いは認められるなど、葬儀に関する支出は内容によって相続税上の扱いが大きく異なります。本記事では、相続税法や国税庁通達、さらに国税不服審判所の裁決事例を踏まえながら、「葬式費用」として債務控除できる支出とできない支出の境界線を、実務の流れに沿って整理していきます。

葬式費用も被相続人の「債務」扱いになる

吉田課長「相続財産から控除できる債務には、葬式費用も含まれるんですね」

 

はい。葬式費用は、被相続人の死亡に伴って遺族が支出するものであり、厳密には被相続人自身の債務ではありません。

 

しかし相続税では、相続財産の価額から控除できる「債務控除」のひとつとして扱われています。下記1.(1)〜(3)が適用要件であり、2.の(1)に該当する債務と(2)の葬式費用が債務控除の対象となります。

 

1.債務控除の適用要件(相続税法13条1項)

次の(1)~(3)の要件を満たすこと。

 

(1)相続または遺贈により財産を取得した者についての取扱いであること。

 

(2)上記(1)の遺贈とは、次の①、②に限られる。

①包括遺贈

②被相続人から相続人に対して行われた遺贈

 

(3)上記(1)に該当する者は、日本国内に居住している場合、2.(1)および(2)の金額について、原則としてその全額を債務控除することができる。

※相続開始前10年を超えて外国に住んでいる日本人は、相続税の課税対象となる財産が限定されるため、債務控除が認められる債務も限定される。

 

2.債務控除の対象になるもの(相続税法13条1項)

相続税の課税対象からは、次の(1)(2)の金額のうち、その者が負担する金額を控除する。

 

(1)被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む)

(2)被相続人に係る葬式費用

 

吉田課長「相続税では、なぜ葬式費用が債務控除の対象になるのですか?」

 

葬儀は、故人(被相続人)を偲び冥福を祈るために行われる儀式であり、その際に必要となる支出が葬式費用です。

 

葬式費用を債務控除の対象とする理由としては、第1に「被相続人の死亡に伴って必然的に発生する支出であること」、第2に「実務上、被相続人の預金から支払われることが多い」という実態が挙げられます。

 

吉田課長「どこまでが葬式費用に含まれるのか、判断が難しい場合もありそうですね」

 

そのとおりです。相続税法には、「葬式費用」の明確な定義が置かれていません。そのため、このような場合は“社会通念”に基づいて判断することになります。

 

しかし、社会通念は人によって幅があるため、どこまでを葬式費用とみなすのかわかりにくい面があります。そこで国税庁は、葬式費用の範囲を通達で示しています(下記3、4)。3が「葬式費用として認められる支出」です。

 

次ページ「葬式費用」の定義
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