(※写真はイメージです/PIXTA)

中古アパートで害虫が発生すると、入居者の不満に繋がり、退去の原因にもなりかねません。害虫に関する入居者からのクレームが、契約解除や損害賠償請求といった深刻な法的トラブルに発展するケースも少なくありません。本記事では不動産と相続を専門に取り扱う山村暢彦弁護士が、法的視点を踏まえ、中古アパート経営における害虫トラブルについて解説します。

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「害虫放置」は契約不適合責任・安全配慮義務違反になりうる!?

ゴキブリやアリ、ダニなどの害虫は、単なる不快要素では済まされない場合があります。特に築古アパートでは、老朽化による隙間や断熱不良から、害虫が発生・侵入しやすく、入居者の生活環境に深刻な影響をおよぼすことも。このような状況が放置されたままだと、貸主である大家は「契約不適合責任」や「安全配慮義務違反」を問われる可能性もあるのです。

 

居住に適さないレベルでの害虫被害が確認されると、賃借人からの契約解除請求や損害賠償請求といった法的リスクに直面します。実際に「ゴキブリが大量に出るので即時解約したい」「ダニ被害で健康被害が出た」などの申し入れを受けたケースもあり、放置がトラブルの火種となることは明らかです。

 

害虫によって幼い子どもやペットが体調を崩した、といった入居者側の健康被害が根深い問題になることも多いです。また、害虫でもシロアリ等になってくると、老朽戸建てなどの安全性のリスクも生じてきますので、単なるクレームの域を超えて大きな問題となるケースもあります。

 

もっとも、害虫の発生が「通常の生活の範囲内」である場合、必ずしも大家側に駆除義務があるとは限りません。たとえば、コバエがでるとか蚊が多いなどでは、法的問題にまで発展しないことも多いです。問題はその程度と影響の大きさです。抽象的な表現になるのですが、この手の生活被害は騒音等と同じように「受忍限度を超えるかどうか」、程度の影響と大きさによって、法的問題か否かが変わってきます。

 

苦情を受けた際には、現地確認と専門業者の意見を踏まえ、社会通念上、日常生活の範疇か異常な状態なのかを見極め、適切に対応することが求められます。法的リスクを最小限に抑えるためには、早期の対応と適切な判断が不可欠です。

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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