SBI証券から楽天証券に株式や投資信託を移管する方法を、FP資格を持つ証券会社出身の編集者が初心者にもわかりやすく解説します。また、NISAの金融機関の変更手続きが2025年10月からできるようになったことに伴い、SBI証券から楽天証券にNISA口座を乗り換える方法もお伝えします。
SBI証券から楽天証券に「移管」するには?NISA口座の変更方法も解説

『資産形成ゴールドオンライン』は複数の企業と提携して情報を提供しており、当サイトを経由して申込みがあった場合、各企業から報酬が発生することがあります。しかし、提携の有無などが本ページ内のサービスの評価や掲載順位に関して影響を及ぼすことはありません(提携会社一覧)。

楽天証券とSBI証券は2大ネット証券と呼ばれており、サービス競争を繰り広げています。

 

どちらで取引するかは最終的には個人の好みの問題ですが、実際に使ったり情報を収集したりするうちに、「やっぱり楽天証券のほうがよかった」と思っている人もいるはずです。

 

そこで本記事では、

 

「SBI証券から楽天証券に変更するデメリットは?」

「どうやって手続きをすればいいの?」

「2026年からNISAは楽天証券で始めたい」

 

という人のために、SBI証券で保有している株式や投資信託を楽天証券に移管する方法を解説します。移管という方法を使えば、売却することなく取得価格のまま別の金融機関に移すことができます。

 

また、NISA口座をSBI証券から楽天証券に変更する方法についても紹介します。

 

「普段から楽天ポイントを貯めているから楽天証券にしよう」

「iDeCoは楽天証券でやっているから、NISAも楽天にしよう」

「楽天証券のほうが使いやすそう」

 

という人は、本記事を参考にして楽天証券への乗り換えを検討しましょう。

 

なお、銘柄の移管方法やNISA口座の変更方法はどこの金融機関でもほぼ同じなので、SBI証券以外の金融機関から他社に乗り換えを検討している人も参考にしてください。

 

■お知らせ

楽天証券では、10月1日より他の金融機関からNISA口座を変更する手続きがWEBでもできるようになりました(参照:2024年9月18日のニュースリリースより)。

変更前の金融機関が電子化に対応していない場合は、従来どおり紙の書類を取り寄せる必要がありますが、楽天証券ではその情報をWEBサイトに入力するだけで済み、簡単かつ迅速に手続きができるようになりました。

本記事では、従来の方法に加えて、WEBでの手続き方法にも触れています。

 

1. SBI証券から楽天証券に「株式や投資信託」を移管する方法

赤い服を着た女性
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI証券で保有している株式や投資信託を楽天証券に移管するには、次の3つのステップが必要です。

 


順番に解説します。

STEP1:SBI証券から必要書類を取り寄せる

銘柄を移管するには、現在その銘柄を保有している証券会社から必要書類を取り寄せます。移管先ではありません。

 

SBI証券のWEBサイトにログイン後、メニューから「サービス案内」をクリックしましょう。

 

サービス案内

 

続いて、「移管(入庫・出庫)・CB権利行使」をクリックします。

 

移管(入庫・出庫)

 

「移管出庫」から、出庫する商品をクリックします。ここでは、「国内株式」を選びます。

 

移管出庫

 

次の「株式移管出庫サービス」の画面で、必要書類を送ってもらう場合は「必要書類を郵送にて取り寄せる場合」をクリックします。自分で印刷する場合は、「お客様ご自身で必要書類を印刷(セルフ印刷)される場合」を選びます。

 

ここでは、「必要書類を郵送にて取り寄せる場合」を選択します。

 

株式移管出庫サービス

 

移管する銘柄が「特定口座」にあるか「一般口座」にあるかによって、取り寄せる書類は以下のように異なります。

 

  • 特定口座:特定口座内上場株式等移管委託依頼書(出庫用・特定)
  • 一般口座:口座振替依頼書(出庫用・一般)

 

必要な枚数を選択して「申込」ボタンをクリックすると、登録住所に書類が郵送されてきます。

 

申込

 

なお、「一般口座」にある銘柄を「特定口座」に移管することはできません。また、「特定口座」にある銘柄を「一般口座」に移管することもできません。

 

STEP2:取り寄せた書類に必要事項を記入してSBI証券に返送する

SBI証券(移管元の証券会社)から送られてきた書類に以下の内容を記入し、捺印してSBI証券(移管元の証券会社)に郵送します。

 

■記入事項

証券会社名 楽天証券
部支店名 本店
所在地 東京都港区
機構加入者コード 1205760
加入者口座コード 「お客様基本情報」で確認要す

 

STEP3:移管完了まで待つ

移管完了までは、国内株式の場合は1~2週間、投資信託の場合は1~2ヵ月程度かかります。

 

楽天証券のWEBサイトにログイン後、「マイメニュー>保有商品一覧の該当商品」から、移管した銘柄が表示されるのを確認しましょう。

 

保有商品一覧

 

これで、移管は完了です。

 

国内(証券単体)最多の1,200万口座(2025年1月時点)

楽天証券の公式サイトへのリンク

 

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2. SBI証券から楽天証券に「NISA口座」を変更する方法

(楽天証券公式YouTubeチャンネル『【ウェブで完結】NISA口座の金融機関変更(他社→楽天証券)』)

 

銘柄の移管方法の次は、SBI証券のNISA口座を楽天証券に変更する方法を、2024年10月から可能になったWEBによる手続き方法とともに紹介します。

 

ただし、NISA口座は1人1口座しか作ることができず、変更は年単位のみなので、慎重に判断しましょう。なお、現在のNISA口座で保有している銘柄を新しいNISA口座に移管することはできません。

 

その年にNISA枠で投資をしていなければ1月でも9月でもいつでも金融機関の変更はできますが、1円でもNISA枠で取引していると手続きは10月以降となります。

 

NISA口座の変更スケジュール
■NISA口座の変更スケジュール(他社のNISA口座で取引済の場合) (引用:楽天証券)

 

NISA口座を変更する場合、積立設定が残っていて翌年1月に注文が執行してしまうとさらに1年待つことになるので、余裕を持って11月中には変更手続きを完了させることをおすすめします。

 

NISAの金融機関を変更するには通常は2~4週間かかりますが、2024年10月以降は楽天証券に書類を送る手続きをWEBで完結できるようになり、変更手続き完了までの期間が短縮されました。

 

本章では、SBI証券のNISA口座を利用している人が金融機関の変更手続きを行い、2026年から楽天証券のNISA口座で取引する流れを解説します。

 

流れは、以下の5ステップ。NISA口座を変更する方法はどこの金融機関でもほぼ同じなので、SBI証券以外から他社に乗り換えを検討している人も参考にしてください。

 

 

順番に解説します。

STEP1:SBI証券で「勘定廃止通知書」を発行する

NISA口座を変更するには、現在NISA口座を開設している金融機関、つまりSBI証券から「勘定廃止通知書」を発行してもらう必要があります。変更後の証券会社(楽天証券)ではありません。

 

SBI証券のWEBサイトにログイン後、「口座管理」>「お客さま情報 設定・変更」>「お取引関連・口座情報」をクリックします。

 

お取引関連・口座情報

 

「NISA」の欄の「他社への変更手続き」>「お申し込み」から発行手続きをします。なお、筆者は楽天証券のNISA口座を保有しているので、「お申し込み」ボタンは表示されません。

 

他社への変更手続き

 

申し込みから5~6営業日程度で、登録された住所にSBI証券から「勘定廃止通知書」が発送されます。

 

STEP2:(楽天証券の口座を持っていなければ開設する)

楽天証券の総合口座を持っていない人は、このタイミングで開設しましょう。すでに総合口座を持っている人は、STEP3に進んでください。

 

口座開設の手順は、『楽天証券の始め方…口座開設の流れや必要書類、初期設定の方法を解説』をご覧ください。途中で「NISA口座を開設しますか」の画面が出てくるので、「開設する」を選択し、「他社から乗り換える」を選びます。

 

NISA口座を開設しますか

 

STEP3:楽天証券に「NISA口座開設のための申込書」を請求する

すでに楽天証券の口座を持っている人は、楽天証券のWEBサイトにログイン後、「NISA」→「管理・手続き」をクリックしてください。

 

管理・手続き

 

そして、「NISA口座 各種手続き」欄の「NISA口座開設」から「申込む」ボタンをクリックし、「過去にNISA口座を開設したことがある方」を選んでください。

 

すると、登録住所にNISA口座開設のための申込書が同封された「スターターキット」が送られてきます。

 

STEP4:楽天証券に必要書類を返送する

必要書類
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

次の3種類の書類が揃ったら、まとめて楽天証券に返送します。

 

■楽天証券に返送する書類3点セット

 

  1. 勘定廃止通知書(SBI証券より)
  2. NISA口座開設のための申込書(楽天証券より)
  3. マイナンバー通知届出書(未登録の場合)

 

「スターターキット」に説明書が同封されているので、必ず確認しましょう。ここで不備があると再提出となり、NISA口座の開設が遅れてしまいます。

 

【補足】WEBで手続きをする場合

2024年10月以降、WEBで変更手続きをする場合は、STEP3とSTEP4を簡略化できます。SBI証券から送られてきた「勘定廃止通知書」に書かれている情報をもとに、楽天証券で次のように入力しましょう。

 

廃止通知情報の入力
(引用:楽天証券)

 

STEP5:税務署の審査後、NISA口座開設完了

税務署
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

NISAは税金が絡んでくるため、税務署の審査が必要です。審査完了までは1~2週間かかるので、「何月からNISAを始めよう」と決めている人は、余裕を持って手続きを進めましょう。

 

無事に審査に通過して楽天証券側の処理が終了すると、NISA口座開設完了のメールが楽天証券から届きます。

 

楽天カードでクレカ積立をする場合は、毎月12日までに積立設定する必要があります。2026年1月から楽天証券のNISA口座で投信積立を始める場合は、2025年12月12日(金)までに積立設定を完了させましょう。

 

NISA口座の開設数No.1(2024年12月末時点)

楽天証券の公式サイトへのリンク

 

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3. SBI証券から楽天証券に移管・変更するメリット3つ

メリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここまで、SBI証券から楽天証券に商品を移管するやり方とNISA口座の変更方法をお伝えしてきました。

 

本章では、楽天証券に金融機関を変更するにあたり、“楽天証券ならではのメリット”を3つに絞って紹介します。

 

 

それぞれ解説します。

メリット①:投信積立のキャッシュレス決済で月15万円までの積立額にポイントがつく

楽天カードクレジット決済
(引用:楽天証券)

 

投資信託の積立額をクレジットカードで決済する方法が「クレカ積立」で、楽天証券では楽天カードで決済すると、カードの種類に応じて0.5~最大2%のポイントが還元されます(NISA口座でもOK)。

 

さらに、楽天証券には「楽天キャッシュ」という電子マネーによる独自の決済手段があり、楽天キャッシュでの積立買付時にも0.5%(200円につき1ポイント)の楽天ポイントが還元されます。

 

楽天キャッシュ決済の仕組み

 

そして、「楽天カード決済」と「楽天キャッシュ決済」を併用すると、最大月15万円までキャッシュレスで投信積立ができ、全額がポイント還元の対象になります。

 

決済手段ごとの積立上限額を整理すると、次のようになります。

 

  • 楽天カードクレジット決済:月10万円
  • 楽天キャッシュ決済:月5万円

 

月10万円までクレカ積立ができる証券会社は他にもありますが、「楽天キャッシュ」のような独自のキャッシュレス決済手段があるのは楽天証券だけです。

 

そのため、月10万円以上を投資に回せる人には、合計で最大月15万円までキャッシュレスで投信積立ができる楽天証券はポイント還元面で優位性が高くなります。

 

メリット②:楽天ポイントがお得に貯まる

ブタの貯金箱
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天市場には、楽天グループのサービスの利用状況に応じて買い物の還元率がアップする「SPU(スーパーポイントアップ)」という仕組みがあり、楽天証券のポイント投資もSPUの対象になっています。

 

具体的には、楽天証券で以下の商品に最低1P以上使ってポイント投資をすると、当月の楽天市場でのポイント還元率がアップし、効率よく楽天ポイントを貯めることができます。

 

  • 当月合計30,000円以上を国内投資信託にポイント投資:+0.5倍(+0.5%)
  • 当月合計30,000円以上を米国株式(円貨決済)にポイント投資:+0.5倍(+0.5%)

 

米国株式はハードルが高いですが、投資信託なら月30,000円以上の買付額のうち1P以上利用すればSPUを達成できます。NISA口座でもOKなので、ポイント還元率アップのためだけに取引する必要もありません。

 

このように、楽天証券を含む「楽天経済圏」には、グループ内の様々なサービスを利用することでポイントがお得に貯まる仕組みが用意されています。

 

実際に筆者は楽天経済圏をフル活用して楽天ポイントを毎月3,000P以上を安定して獲得しており、すべて楽天モバイルの利用料金の支払いに充てて通信費ゼロを実現しています。

 

筆者の楽天モバイルの利用料金
■筆者の楽天モバイルの利用料金

 

SBI証券にも「SBI経済圏」があって筆者も一部利用していますが、楽天経済圏のほうが規模が大きく、使いやすくてポイントがたまりやすいと実感しています。

 

物価高のいま、ポイントを効率よく貯めて、現金の持ち出しを減らすことは家計の助けにもつながります。

 

メリット③:資産を一元管理できる

財布と電卓
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券に限った話ではありませんが、保有銘柄は1つの金融機関にまとめたほうが資産の管理がしやすくなります。

 

株式はA証券、NISAはB証券のように取引商品ごとに証券会社を使い分けていた方は、移管や金融機関の変更を検討しましょう。

 

楽天ポイントをお得に貯めるなら

楽天証券の公式サイトへのリンク

 

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4. SBI証券から楽天証券に移管・変更するデメリット5つ

デメリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI証券から楽天証券に変更するメリットの次は、注意点も把握しておきましょう。特にNISA口座の変更は年単位でしか行えないので、慎重に判断しましょう。

 

 

それぞれ解説します。

デメリット①:投信保有ポイントの対象は6銘柄のみ

投信残高ポイントプログラム
(引用:楽天証券)

 

投資信託の月間の平均保有残高に応じて付与されるのが「投信保有ポイント」で、SBI証券の「投信マイレージ」では、同社が取り扱うほぼすべての銘柄を対象としています。

 

一方、楽天証券の「投信残高ポイントプログラム」は以下の「楽天・プラス・シリーズ」の6銘柄のみが対象で、楽天証券でしか買うことができません。

 

■「投信残高ポイントプログラム」の対象銘柄

対象ファンド 信託報酬率
(税込・年率)
ポイント還元率
(年率)
実質コスト 純資産

楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
(愛称:楽天・プラス・オールカントリー)

0.0561% 0.017% 0.0391% 5,722.53億円

楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
(愛称:楽天・プラス・S&P500)

0.077% 0.028% 0.049% 8,011.71億円

楽天・プラス・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド
(愛称:楽天・プラス・先進国(除く日本))

0.088% 0.033% 0.055% 163.67億円

楽天・プラス・日経225インデックスファンド
(愛称:楽天・プラス・日経225)

0.132% 0.053% 0.079% 427.98億円

楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド
(愛称:楽天・プラス・NASDAQ-100)

0.198% 0.05% 0.148% 1,506.42億円

楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド
(愛称:楽天・プラス・SOX)

0.176% 0.05% 0.126% 208.25億円

※純資産は、2025年12月1日時点のデータ

 

人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」も楽天証券に移管できますが、投信保有ポイントは付与されない点に注意してください。

 

ただし、「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と同じ指数に連動するように設計されています。

 

そのため、SBI証券から楽天証券に変更して新たに積立設定する場合は、「楽天・プラス・オルカン」や「楽天・プラス・S&P500」を選ぶと、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」とほぼ同じ運用成績が期待できるうえ、投信保有ポイントも獲得できます。

 

なお、楽天証券には「投信残高ポイントプログラム」とは別に、毎月末時点の投資信託の残高が初めて一定の金額に到達した場合のみ所定の楽天ポイントが付与される「資産形成ポイント(ハッピープログラム)」もあります。

既存の「資産形成ポイント(ハッピープログラム)」
 
基準残高に応じた進呈ポイント
(引用:楽天証券)

しかし、「資産形成ポイント(ハッピープログラム)」は保有残高が2,000万円に達しても累計獲得ポイントが2,090Pにしかならないので、あまり期待しないようにしましょう。「投信残高ポイントプログラム」との併用もできません。

 

デメリット②:移管できない銘柄もある

ファンド
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券で取り扱っていない銘柄は、そもそも移管することができません。

 

株式の個別銘柄はほとんど対応していますが、たとえば投資信託の「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」など一部のSBI・Vシリーズは楽天証券では買えないので、SBI証券で保有していても楽天証券に移管できません。

 

楽天証券で取り扱っている投資信託は「投信スーパーサーチ」で確認できるので、事前に確認しましょう。

 

デメリット③:投資信託の出庫に手数料がかかる

トラックと電卓
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券に投資信託を「入庫」するときの手数料は無料ですが、SBI証券から「出庫」するときには移管手数料として1銘柄につき3,300円(税込)がかかります。これは、どこの金融機関でもほぼ同じです。

 

しかし、楽天証券では出庫手数料を負担してくれるキャンペーンを年に数回実施しているので、上手く活用すると実質無料で投資信託を移管することも可能です。

 

なお、国内株式の移管にかかる手数料は無料となっています。

 

デメリット④:移管やNISAの金融機関の変更手続きに時間がかかる

時計とブロック
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

株式や投資信託の移管は「証券保管振替機構(ほふり)」という機関を通じて行うので、移管元の金融機関の対応にもよりますが、株式の場合は1~2週間、投資信託の場合は1~2ヵ月かかります。

 

これは、楽天証券に限らず、どこの金融機関でも同じです。

 

一方、NISAの金融機関の変更には税務署の審査が必要なので、完了まで2~4週間かかります。そのため、何月から新しいNISA口座で取引しようと決めている場合は、積立設定の締切日から逆算して、余裕を持って手続きするようにしてください。

 

デメリット⑤:NISA口座で保有している銘柄は移管できない

NISA
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券に限った話ではありませんが、NISA口座で保有している銘柄は、変更後の金融機関に移管できません。いったん売却して変更後のNISA口座で買い直すこともできますが、その場合は取得価格が変わってしまいます。

 

変更前のNISA口座で保有している銘柄はそのままNISA口座で取得した分として非課税で保有することも可能ですが、新規の買付はできません(課税口座の場合は買付可)。

 

このように、NISA口座を変更することにより、今後は2つの金融機関にログインしてNISAの保有資産を管理することになる点にはご留意ください(NISAの生涯投資枠は1,800万円で変わりません)。

 

ただし、変更前のNISA口座で保有していた銘柄を売却すれば、売却分(取得額)の非課税投資枠が翌年に変更後のNISA口座で復活します。

 

取引画面が見やすいと初心者にも評判

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5. よくある質問

Q&A
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、NISA口座の金融機関の変更に関するよくある質問に5つ回答します。本文と重複している内容もありますが、復習のためにお役立てください。

Q1. 株式や投資信託の移管にかかる日数は?

移管元の金融機関にもよりますが、株式の場合は1~2週間、投資信託の場合は1~2ヵ月かかります。

 

Q2. 株式や投資信託の移管にかかる手数料は?

国内株式の移管にかかる手数料は、無料にしている証券会社がほとんどです。

 

一方、投資信託の移管にかかる手数料は、入庫時は無料ですが、出庫時は1銘柄につき3,300円(税込)かかる証券会社が多いです。

 

Q3. 単元未満株も移管できますか?

100株の単元株に満たない単元未満株(1~99株)の国内株式も、移管前と移管後の証券会社で単元未満株の取り扱いをしていれば可能です。

 

単元未満株取引として、SBI証券ではS株、楽天証券ではかぶミニの名称でサービスを提供しているので、SBI証券から楽天証券への移管もできます(手数料無料)。

 

Q4. 今からNISA口座の変更手続きをすると、2025年はもうNISAで取引できませんか?

2025年10月にNISA口座の変更手続きをしても、年内は現在のNISA口座での取引になります。

 

10~12月に行うNISA口座の変更手続きは、あくまでも来年から取引するNISA口座の“予約”だとお考えください。

 

Q5. 楽天証券で2026年1月からNISAでクレカ積立を始めるには、いつまでに設定が必要ですか?

楽天証券で2026年から楽天カードでクレカ積立を始めるには、2025年12月12日(金)までに設定する必要があります。

 

ただし、クレカ積立の設定が間に合わず1月に入った場合でも、楽天銀行マネーブリッジを含む現金決済による積立設定であれば翌営業日に積立買付が可能です。また、積立買付ではなく(1回限りの)スポット買付であれば、いつでも発注できます。

 

6. まとめ

SBI証券と楽天証券のエントランスの看板

 

この記事では、SBI証券から楽天証券に株式や投資信託を移管する方法とNISA口座を変更する方法を解説しました。

 

取引する金融機関をまとめると資産の管理をしやすくなりますが、ポイント還元率の改悪や、より低い信託報酬率の投資信託が他社でしか買えないという理由だけで、安易に金融機関を変更するのはおすすめしません。

 

サービス内容の変更は今後もありえるので、ポイントに振り回されないことが重要です。

 

証券会社は資産形成をするにあたっての大切なパートナーです。SBI証券も楽天証券もどちらも優秀でおすすめなので、あなたに合った好きなほうの口座で取引しましょう。

 

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