楽天証券の「かぶミニ(単元未満株取引)」は、通常の100分の1単位の少額で国内株式を売買できるサービスのことです。取引ルールやメリット・デメリット、他社の単元未満株(ミニ株)取引サービスとの違いなどを、楽天ユーザーでFP資格を持つ証券会社出身のSGO編集者が解説します。
楽天証券「かぶミニ」…1株から少額投資できる単元未満株取引を解説

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楽天証券では、通常は100株単位でしか買えない国内株式を1株から買えるようにした「単元未満株」の取引はできませんでした。また、単元株の10分の1、つまり10株単位で取引できる「ミニ株」の取り扱いもありませんでした。

 

しかし、2023年4月より「かぶミニ(単元未満株取引)」のサービスが始まったことで、1株から国内株式を売買できるようになりました。

 

本記事では、

 

「『かぶミニ』のメリットは?」

「『かぶミニ』を取引するときの注意点は?」

「『かぶミニ』の手数料は?」

 

という疑問をお持ちの方に、楽天証券で「かぶミニ」を利用して少額で日本株取引を始める方法をお伝えします。

 

初心者にも使いやすいと評判

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はじめに:「単元未満株」とは

単元未満株のイメージ図
(引用:楽天証券

 

最初に、(一般的な)単元未満株のメリットとデメリットについて簡単に解説します。すでに理解している人は読み飛ばして、「1. 楽天証券の『かぶミニ』のサービス概要」にお進みください。

 

・単元未満株のメリット

メリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

単元未満株を利用すると、本来は100株単位の「単元株」でしか買えない銘柄も、1株や5株といった少額で株式を買うことができます。

 

たとえば、大手家具チェーンのニトリ(銘柄コード:9843)の株価は大体20,000円なので、100株を買う場合は約200万円が必要です。しかし、1株の場合は100分の1の20,000円程度で買うことができます。そのため、投資に回せるお金がたとえば10万円しかない人でも、単元未満株を利用することで複数の銘柄に分散投資ができます。

 

また、1株~99株の単元未満株を保有していても、保有株数に応じた配当金(企業が得た利益を株数に応じて株主に分配するもの)を受け取ることができるのもメリットです。

 

 

・単元未満株のデメリット

デメリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

単元未満株の取引単位は単元株の100分の1なので、損失も小さい反面、利益も小さくなります。そのため、積極的にトレードをして資産を大きく増やしたい人には不向きです。

 

また、注文方法が「成行」のみで「指値」が使えなかったり、株主優待が原則なかったり(一部の銘柄では実施)、株主総会での議決権がなかったりなどの注意点もあります。

 

■基本的な注文方法

・指値(さしね):買う価格or売る価格を指定して注文する方法
・成行(なりゆき):買いの場合はその時点で出ている売り注文で最も安い価格、売りの場合はその時点で出ている買い注文で最も高い価格で注文が即時に成立する方法

 

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1. 楽天証券の「かぶミニ(単元未満株取引)」のサービス概要

(楽天証券の公式YouTubeチャンネル『【1株から投資!】かぶミニ™の魅力・操作方法がすぐわかる!』)

 

最初に、楽天証券の「かぶミニ」の特徴を整理してお伝えします。大事な項目は後ほど補足するので、ここではイメージをつかむだけで大丈夫です。

 

なお、詳細は「メリット①:リアルタイム取引ができる」で説明しますが、「かぶミニ」には、取引所が空いている時間帯に通常の株式と同じように売買する「リアルタイム取引」と、他社の単元未満株と同じように注文が成立する時間が限定されている「寄付取引」の両方が利用できます。

 

■楽天証券の「かぶミニ」のサービス概要

サービス概要

国内株式が単元未満株(1株~99株)で取引できる

取扱銘柄

・リアルタイム取引:740銘柄

・寄付取引:2,066銘柄

※2024年11月29日時点
※楽天グループの関連銘柄、ETF、REIT、外国株などを除く

取引口座

特定口座、一般口座、NISA口座(成長投資枠)

注文方法

・リアルタイム取引:成行、指値

・寄付取引:成行

取引時間

・リアルタイム取引:9:00~11:30、12:30~15:00

・寄付取引:前場寄付のみ(注文時間は17:00~翌日8:45)

手数料

・買い:無料(リアルタイム取引のみ別途スプレッドが0.22%発生)

・売り:無料(リアルタイム取引のみ別途スプレッドが0.22%発生)

取引チャネル

・PCウェブ(スマホからのWEB接続も可)

・スマホアプリ「iSPEED」

ポイント投資

「楽天ポイント」を購入代金の全額または一部に利用可能

日計り取引 買いと売りを1日で完結させるデイトレードも可能
自動スイープ

楽天銀行の口座と連携(=マネーブリッジ)で資金の自動振替が可能

配当金 保有株数に応じて受取可能
議決権 単元株(100株)に満たない場合はなし
貸株 不可

 

ご覧のように、「かぶミニ」には、通常の100株単位「単元株」での取引と比べて異なる点があります。

 

次章から詳しく解説していきます。

 

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2. 楽天証券の「かぶミニ」のメリット3つ

楽天証券のかぶミニのメリット
(引用:楽天証券)

 

本章では、「少額で取引できる」などの一般的な単元未満株のメリット以外の、楽天証券の「かぶミニ」ならではのメリットを3つ紹介します。

 

 

それぞれ解説します。

メリット①:リアルタイム取引ができる

メリット①:リアルタイム取引ができる
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

楽天証券の「かぶミニ」の最大の特長は、寄付取引の他に、大手オンライン証券で初となる、単元未満株のリアルタイム取引ができることです。

※楽天証券、SBI証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券の5社

 

他社の単元未満株取引サービスの場合は、注文が成立する約定タイミングは1日のうちで限られるので、直近の株価を参考にして、いくらで約定しそうかを予測するしかありませんでした。

 

しかし、「かぶミニ」であれば、通常の株式投資と同じように平日の9時~11時30分と12時30分~15時の時間帯に、取引されている株価を見ながら注文を出すことができるので、思わぬ価格で約定するリスクを防げます。

 

また、かぶミニのリアルタイム取引であれば損をしても額が小さいので、将来的に100株の取引をしたい人にもおすすめです。

 

・リアルタイム取引の取扱銘柄

リアルタイム取引ができる銘柄数は、サービス開始当初の98銘柄から大幅に拡充され、740銘柄になりました(2024年11月29日時点)。

 

銘柄一覧は、公式サイト「かぶミニ®(単元未満株取引)取扱銘柄」で確認できます。

 

メリット②:日計り取引(デイトレード)ができる

メリット②:日計り取引(デイトレード)ができる
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「かぶミニ」ではリアルタイム取引が可能なので、その日に買った銘柄をその日のうちに売る「日計り取引」をすることもできます。

 

ただし、1株のトレードを1日何十回繰り返しても大きな利益にはならず、コストもかさむので、本格的にデイトレードを始めたい方が練習で取り組む分にはおすすめです。

 

メリット③:楽天ポイントで投資ができる

(楽天証券公式YouTubeチャンネル『動画でわかる!ポイント投資(投資信託)ってなに?』)

 

「かぶミニ」では、楽天ポイントを1P=1円分として買付代金の全額または一部に充てることができます。

 

もともと少額投資ができる単元未満株取引ですが、ポイント投資を活用すれば、自己資金ゼロで気軽に株式投資を始めることも可能です。

 

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3. 楽天証券の「かぶミニ」のデメリット

楽天証券のかぶミニのデメリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

メリットの次は、楽天証券で「かぶミニ」を取引するときの注意点も知っておきましょう。

 

 

それぞれ解説します。

デメリット①:リアルタイム取引はスプレッドコストが発生する

スプレッド
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「かぶミニ」の寄付取引の手数料は買付も売却も無料ですが、リアルタイム取引のみ0.22%のスプレッドが発生します。スプレッドとは、株価と取引価格の差のことで、実質的なコストにあたります。

 

たとえば、リアルタイム取引で株価が5,600円になったときに1株売る場合は、5,600円×0.22%=12.32円(1円未満は切り捨てて12円)がスプレッドになり、5,600円-12円=5,588円が約定単価になります。

 

ただし、リアルタイム取引は楽天証券だけのサービスで、ゆったり注文したい人は売買手数料が無料の寄付注文で充分です。

 

デメリット②:注文方法が成行のみ(寄付取引)

かぶミニ指値注文に対応
(引用:楽天証券)

 

「かぶミニ」は、サービス開始当初は成行注文しかできませんでした。しかし、2024年8月26日からリアルタイム取引に限り指値注文ができるようになったことで、このデメリットはだいぶ解消されました。

 

寄付取引は成行注文のみですが、対象の2,066銘柄は流動性(株式をいつでも売ったり買ったりできるかどうかを表す言葉)が高い銘柄なので、成行注文であっても極端に不利な株価で約定する心配は少ないのでご安心ください。

 

4. 主要ネット証券5社の「単元未満株取引」サービスを比較

ランキング
(※写真はイメージです/PIXTA)
 

ここでは、楽天証券を含む主要ネット証券5社の単元未満株取引サービスを比較します。

 

■「単元未満株取引」ができる主要ネット証券5社の比較

証券会社 楽天証券のロゴ SBI証券のロゴ マネックス証券のロゴ auカブコム証券のロゴ 松井証券のロゴ
サービス名

かぶミニ®

S株 ワン株

プチ株®

名称なし
取扱銘柄 東証
リアルタイム取引:740
寄付取引:2,066
東証 東証
名証
東証
名証
東証
名証
売買手数料 無料 無料 買付:無料 約定代金の0.55%
※最低手数料52円
※NISA口座は無料
買付:取扱なし
売却:
約定代金の0.55%
※最低手数料52円
※NISA口座ではキャッシュ
バックにより実質無料
売却:
約定代金の0.55%
※最低手数料なし
※NISA口座は無料
スプレッド

リアルタイム取引:
0.22%

寄付取引:なし

なし なし なし

なし

往復コスト
(約定価格が
6,000円の場合)
27円 0円 52円 104円
リアルタイム
取引
× × × ×
ポイント
投資
楽天ポイント Vポイント
Pontaポイント
× Pontaポイント ×
積立サービス かぶツミ® 日株積立 ×

プレミアム積立®
(プチ株®)

×
公式サイト 詳細を見る  詳細を見る  詳細を見る 詳細を見る 詳細を見る

 

ご覧のように、単元未満株の取引条件は各社で異なりますが、リアルタイム取引ができるのは楽天証券だけです。

 

デイトレードの練習のために板(売買注文の価格と数量を表示した情報)を見ながらノートに記録してシミュレーションする方法も有効ですが、楽天証券のかぶミニならリアルタイム取引で少額で売買ができるのでおすすめです。

 

国内株式積立サービス「日株積立」がスタート

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5. よくある質問

Q&A
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、楽天証券の「かぶミニ」に関するよくある質問に5つ回答します。本文と重複する箇所もありますが、復習のためにお役立てください。

Q1. 楽天証券の「かぶミニ」で取引できる銘柄を教えてください。

「かぶミニ」では、東京証券取引所に上場している銘柄のうち楽天証券が選定した銘柄のみ取引ができ、リアルタイム取引は740銘柄、寄付取引は2,066銘柄が対象です(銘柄一覧は、公式サイト「かぶミニ取扱銘柄一覧」を参照)。

 

Q2. 楽天証券の「かぶミニ」で人気の銘柄をランキングで見ることはできますか?

公式サイトの「ランキング」の「かぶミニ®ランキング」のタブを選ぶと、デイリーとウィークリーの売買代金ランキング上位30銘柄を見ることができます。

 

かぶミニランキング

 

銘柄選びの参考にしてください。

 

Q3. 単元未満株をコツコツ買って100株になったらどうなりますか?

100株になれば自動的に単元株扱いとなり、議決権が得られたり、100株単位で売却できたりします。

 

Q4. 楽天証券の「かぶミニ」の注文方法を教えてください。

PCウェブからの場合は、ログイン後、「国内株式」メニューから購入したい銘柄を表示させ、現物取引の「単元未満 買い」「単元未満 売り」ボタンから発注します。

 

楽天証券のかぶミニの注文画面

 

なお、かぶミニ取引ができる銘柄は、注文画面の銘柄名の横に「単元未満可」と表示されます。

 

Q5. 楽天証券の「かぶミニ」に関するキャンペーンはありますか?

楽天証券で現在実施しているかぶミニに関するキャンペーンはありません。新たなキャンペーンが始まったら、本ページでも紹介します。

 

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6. まとめ

ポイント
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

この記事では、楽天証券の「かぶミニ(単元未満株取引)」について解説しました。

 

かぶミニは新NISAの成長投資枠でも取引できるので、配当利回りが高い銘柄を少しずつ買って定期的に配当金が入ってくる仕組みを作りたい人には、非課税で効率よく資産形成ができる手段としてもおすすめです。

 

また、国内株式の積立サービス「かぶツミ」を活用すれば、設定した日に自動で積立買付をしてくれるので、手間もかかりません。

 

本記事を参考にして、株式投資を始めるきっかけにしていただければと思います。

 

資産形成を始めるなら

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