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楽天証券では、通常は100株単位でしか買えない国内株式を1株から買えるようにした「単元未満株」の取引はできませんでした。また、単元株の10分の1、つまり10株単位で取引できる「ミニ株」の取り扱いもありませんでした。
しかし、2023年4月17日より「かぶミニ(単元未満株取引)」で1株から国内株式が買えるようになりました。また、7月4日からはスマホアプリ「iSPEED」からも発注できるようになり、サービスを拡充しています。
本記事では、
「『かぶミニ』のメリットは?」
「『かぶミニ』を取引するときの注意点は?」
「『かぶミニ』の手数料は?」
という疑問をお持ちの方に、楽天証券で「かぶミニ」で少額で株式投資を始める方法をお伝えします。
最後まで読めば、通常の100株単位で取引するステップアップになります。
〈目次〉
はじめに:「単元未満株」とは
最初に、(一般的な)単元未満株のメリットとデメリットについて簡単に解説します。すでに理解している人は読み飛ばして、「1. 楽天証券の『かぶミニ』のサービス概要」にお進みください。
・単元未満株のメリット
単元未満株を利用すると、本来は100株単位の「単元株」でしか買えない銘柄も、1株や5株といった少額で株式を買うことができます。
たとえば、大手家具チェーンのニトリ(銘柄コード:9843)の株価は大体16,000円なので、100株を買う場合は約160万円が必要です。しかし、1株の場合は100分の1の16,000円程度で買うことができます。そのため、投資に回せるお金が20万円しかない人でも、単元未満株を利用することで複数の銘柄に分散投資ができます。
また、1株~99株の単元未満株を保有していても、保有株数に応じた配当金(企業が得た利益を株数に応じて株主に分配するもの)を受け取ることができる点もメリットです。
・単元未満株のデメリット
単元未満株の取引単位は単元株の100分の1なので、損失も小さい反面、利益も小さくなります。そのため、積極的に株式トレードをして資産を大きく増やしたい人には不向きです。
また、注文方法が「成行」のみで「指値」が使えなかったり、株主優待が原則なかったり(一部の銘柄では実施)、株主総会での議決権がなかったりなどの注意点もあります。
・指値(さしね):買う価格or売る価格を指定して注文する方法。
・成行(なりゆき):買いの場合は、そのときに出ている売り注文で最も安い価格。売りの場合は、そのときに出ている買い注文で最も高い価格で注文が即時に成立する方法。
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1. 楽天証券の「かぶミニ(単元未満株取引)」のサービス概要
最初に、楽天証券の「かぶミニ」の特徴を整理してお伝えします。大事な項目は後ほど補足するので、ここではイメージをつかむだけで大丈夫です。
なお、詳細は「メリット①:リアルタイム取引ができる」で説明しますが、「かぶミニ」には、取引所が空いている時間帯に通常の株式と同じように売買する「リアルタイム取引」と、他社の単元未満株と同じように注文が成立する時間が限定されている「寄付取引」の両方が利用できます。
■「かぶミニ」の概要
サービス概要 |
国内株式が単元未満株(1株~99株)で取引できる |
取扱銘柄 |
・リアルタイム取引:746銘柄 ・寄付取引:1,602銘柄 ※2023年8月14日時点 |
取引口座 |
特定口座、一般口座、一般NISA口座、未成年口座 |
注文方法 | 成行のみ ※指値は不可 |
取引時間 |
・リアルタイム取引:9:00~11:30、12:30~15:00 ・寄付取引:前場寄付のみ(注文時間は17:00~翌日8:45) |
手数料 |
・買い:無料(スプレッド0.22%は必須) ・売り:11円/1取引あたり(スプレッドは別途0.22%) |
取引チャネル |
・PCWEB(スマホからのWEB接続も可) ・スマホアプリ「iSPEED」 |
ポイント投資 |
楽天ポイントを購入代金の全額または一部に利用可能 |
日計り取引 | 買いと売りを1日で完結させるデイトレードも可能 |
自動スイープ |
楽天銀行の口座と連携(=「マネーブリッジ」)をすれば資金の自動振替が可能 |
配当金 | 保有株数に応じて受取可能 |
議決権 | 単元株(100株)に満たない場合はなし |
貸株 | 不可 |
ご覧のように、楽天証券の新サービス「かぶミニ」には、通常の「単元株」の取引と比べて異なる点があります。
次章から詳しく解説していきます。
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2. 楽天証券の「かぶミニ」のメリット3つ
本章では、「少額投資ができる」などの一般的な単元未満株のメリット以外の、楽天証券の「かぶミニ」ならではのメリットを3つ紹介します。
■「かぶミニ」のメリット
- リアルタイム取引ができる
- 日計り取引(デイトレード)ができる
- 楽天ポイントで投資ができる
それぞれ解説します。
メリット①:リアルタイム取引ができる
楽天証券の「かぶミニ」の最大の特長は、寄付取引の他に、大手オンライン証券※で初となる、単元未満株のリアルタイム取引ができることです。
※楽天証券、SBI証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券の5社
他社の単元未満株取引サービスの場合は、注文が成立する約定タイミングは1日のうちで限られるので、直近の株価を参考にして、いくらで約定しそうかを予測するしかありませんでした。
しかし、「かぶミニ」であれば、通常の株式投資と同じように平日の9時~11時30分と12時30分~15時の時間帯に、取引されている株価を見ながら注文を出すことができるので、思わぬ価格で約定するリスクを防げます。
また、かぶミニのリアルタイム取引であれば損をしても額が小さいので、将来的に100株の取引をしたい人にもおすすめです。
・リアルタイム取引の取扱銘柄
リアルタイム取引ができる銘柄数は、サービス開始当初の98銘柄から大幅に拡充され、746銘柄になりました。銘柄一覧は、公式サイト「かぶミニ取扱銘柄一覧」で確認できます。
メリット②:日計り取引(デイトレード)ができる
「かぶミニ」ではリアルタイム取引が可能なので、その日に買った銘柄をその日のうちに売る「日計り取引」をすることもできます。
ただし、1株のトレードを1日何十回繰り返しても大きな利益にはならず、手数料もかさむので、今後本格的にデイトレードを始めたい方が練習で取り組む分にはおすすめです。
メリット③:楽天ポイントで投資ができる
「かぶミニ」では、楽天ポイントを1pt=1円として買付代金の全額または一部に充てることができます。もともと少額投資ができる単元未満株取引ですが、ポイント投資を活用すれば、自己資金ゼロで気軽に株式投資を始めることも可能です。
なお、単元未満株取引でポイント投資ができるその他の証券会社には、auカブコム証券(Pontaポイント)、大和コネクト証券(dポイント)などがあります。
\単元未満株のリアルタイム取引は国内初/
3. 楽天証券の「かぶミニ」のデメリット2つ
メリットの次は、楽天証券で「かぶミニ」を取引するときの注意点も知っておきましょう。
■「かぶミニ」のデメリット
- 注文方法が成行のみ
- 手数料が単元株と比べて割高
それぞれ解説します。
デメリット①:注文方法が成行のみ
「かぶミニ」の注文方法は成行のみで、指値注文ができません。これは、単元未満株取引のサービスを提供している他社でも同じです。
しかし、「かぶミニ」の寄付取引の対象となっている1,602銘柄は、ある程度の流動性(株式をいつでも売ったり買ったりできるかどうかを表す言葉)が選ばれているので、成行注文であっても極端に不利な株価で約定する心配は少ないです。
デメリット②:手数料が単元株と比べて割高
楽天証券の「かぶミニ」に限らず、単元未満株を取引する場合の手数料は、100株単位の単元株を取引するときより割高になります(詳細は「4. 楽天証券のかぶミニの手数料 」で解説)。
そのため、「かぶミニ」で頻繁に取引しようとする場合は手数料に注意しましょう。
\初心者にも使いやすいと評判/
4. 楽天証券の「かぶミニ」の手数料
楽天証券の「かぶミニ」の手数料体系は、次のようになっています。
■「かぶミニ」の手数料
取引 | 手数料 |
---|---|
買付 | 無料 |
売却 | 11円/1取引あたり |
買付手数料は表面上は無料になっていますが、寄付価格や気配値に対して0.22%のスプレッドのコストがかかるので注意が必要です。
わかりやすく説明すると、買付時は、注文が成立しそうな価格に0.22%をかけた金額を上乗せしたものが約定単価になります(1円未満は切り上げ)。
一方、売却時は、注文が成立しそうな価格に0.22%をかけた金額を引いたものが約定価格になります(1円未満は切り捨て)。
例をあげて説明すると、株価が5,000円の銘柄を1株買う場合、5,500円×0.22%=12.1円(1円未満は切り上げて13円)がスプレッドになり、5,500円+13円=5,513円が約定単価になります。
一方、株価が5,600円に上昇したときに1株売る場合は、5,600円×0.22%=12.32円(1円未満は切り捨てて12円)がスプレッドになり、5,600円-12円=5,588円が約定単価になります。
まとめると、1株の売買なら、売却価格5,588円-買付価格5,513円-売却手数料11円=64円の利益となります。なお、特定口座や一般口座の場合は、売却益に対して約20%の税金が引かれます(一般NISA口座の場合は非課税)。
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5.「単元未満株」の取引ができる主要ネット証券5社を比較
本章では、楽天証券の「かぶミニ」を含む、単元未満株取引サービスを提供している主要ネット証券5社を比較表で紹介します。
■「単元未満株」の取引ができる主要ネット証券
証券会社 | |||||
---|---|---|---|---|---|
サービス名 | かぶミニ | S株 | ワン株 |
プチ株® |
名称なし |
取扱銘柄 | 東証 リアルタイム取引:746 寄付取引:1,602 |
東証 | 東証 名証 |
東証 名証 |
東証 名証 |
買付手数料 |
無料 ※スプレッド0.22%は必須 |
無料 | 無料 | 約定代金の0.55% ※最低52円 |
取扱い なし |
売却手数料 |
11円/回 ※スプレッドは別途0.22% |
約定代金の0.55% ※最低55円 |
約定代金の0.55% ※最低52円 |
約定代金の0.55% |
|
往復コスト (約定価格が 5,000円の場合) |
33円※ | 55円 | 52円 | 110円 | 55円 |
リアルタイム 取引 |
〇 | × | × | × | × |
ポイント 投資 |
楽天 ポイント |
× | × | Ponta ポイント |
× |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
※「買付時:手数料0円+スプレッド0.22%(11円)=11円」と「売却時:手数料11円+スプレッド0.22%(11円)=22円」の合計
ご覧のように、単元未満株の取引条件は各社で異なりますが、リアルタイム取引ができるのは楽天証券だけです。
また、かぶミニの手数料はスプレッドが0.22%かかるのでわかりにくいですが、スプレッドを考慮しても楽天証券の手数料は他社の単元未満株のサービスと比較して最安となっています。
1取引あたりの手数料の差は数十円かもしれませんが、取引回数が増えるとコストがかさむので、これからデイトレードに挑戦したい方にも楽天証券の「かぶミニ」はおすすめです。
板(売買注文の価格と数量を表示した情報)を見ながら売買シミュレーションをしてノートに記録する方法も有効ですが、1株でも自己資金を投じたほうが緊張感を持って真剣に取引ができます。
\つみたてNISAの開設数No.1(2022年9月末時点)/
6. よくある質問
最後に、楽天証券の「かぶミニ」に関するよくある質問に6つ回答します。本文と重複する箇所もありますが、復習のためにお役立てください。
Q1. 楽天証券の「かぶミニ」サービスはいつから始まりますか?
「かぶミニ」は2023年4月17日からサービスを開始しています。
Q2. 楽天証券の「かぶミニ」で取引できる銘柄を教えてください。
「かぶミニ」では、東京証券取引所に上場している銘柄のうち楽天証券が選定した銘柄のみ取引ができ、リアルタイム取引は746銘柄、寄付取引は1,602銘柄が対象です(銘柄一覧は、公式サイト「かぶミニ取扱銘柄一覧」を参照)。
Q3.「かぶミニ」で人気の銘柄をランキングで見ることはできますか?
公式サイト「かぶミニ™売買代金ランキング」では、3週間前の週間売買代金ランキングを見ることができます。
銘柄選びの参考にしてください。
Q4. 単元未満株をコツコツ買って、 100株になったらどうなりますか?
100株になれば自動的に単元株扱いとなり、議決権が得られたり、通常の手数料コースで売却できたりします。
Q5.「かぶミニ」の注文方法を教えてください。
注文はPCWEBからのみで、ログイン後、「国内株式」メニューから購入したい銘柄を表示させ、現物取引の「単元未満 買い」「単元未満 売り」ボタンから発注します。
なお、かぶミニ取引ができる銘柄は、注文画面の銘柄名の横に「単元未満可」と表示されます。
Q6.「かぶミニ」に関するキャンペーンはありますか?
サービス開始を記念して、かぶミニの売却手数料が無料になる次のキャンペーンを実施中です。
エントリーは不要なので、楽天証券でお得にかぶミニ取引を始めましょう。
7. まとめ:「かぶミニ」の有効な使い方
この記事では、楽天証券の待望の新サービス「かぶミニ(単元未満株取引)」について解説しました。
単元未満株取引は、通常の100株単位での取引に慣れるための練習にも便利ですが、株価が1万円以上する値がさ株を何回かに分けて買い、将来的には100株の単元株を保有して株主優待を受け取るといった使い方も有効です。
たとえば、JR東海(銘柄コード:9022)の株価は大体19,000円なので、約190万円の購入資金が必要です。しかし、「かぶミニ」を利用して5株ずつ20回に分けて買えば(1回あたりの購入金額は約95,000円)、運賃が割引になる優待券をもらうことができます。
その際、2023年6月11日から始まった国内株式の積立サービス「かぶツミ」を利用すれば、毎月(もしくは毎週)5株をコツコツ自動で積立買付をしてくれるので、手間がかかりません。
配当金は保有株数に応じてもらえるので、単元未満株取引なら100株になるまで待たなくても気軽に「株主体験」ができます。本記事を参考にして、株式投資を始めるきっかけにしていただければと思います。
\2024年からの新NISA口座にもおすすめ/
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