コレステロール値が高い人は免疫力が高い
また、コレステロール値が高い人は、免疫力が高く、がんになりにくいという報告もあります。
高齢者の場合、コレステロール不足は免疫力を落としたり、老化のスピードを上げたりするリスクを高めます。くわえて、コレステロール値が低いとセロトニン不足を招き、うつ病になりやすいという研究データもあります。
セロトニンは脳内の神経伝達物質のひとつで、精神の安定や安心感、幸福感などをもたらす働きがあり、「幸せホルモン」とも呼ばれています。うつ病は脳内のセロトニン不足が発端となって発症すると考えられています。コレステロールは、脳にセロトニンを運び込む重要な役割も担っているともされています。
物事すべてにメリットとデメリットがあります。自分で考え、どちらをとるか考えないといけません。
「ヨボヨボになってもいいから動脈硬化にだけはなりたくない」と考える人もいるでしょう。その場合は、コレステロールが多い肉や卵を我慢し、必要とあれば薬を飲んでコレステロールを下げることになります。それもひとつの選択です。
私の例でいうと、コレステロール値はいつも300㎎/㎗を切るくらいの高さです。コレステロール値が140㎎/㎗以上で脂質異常症と診断されますが、私は、シャキッとアクティブに過ごしたいのでコレステロール値は気にせず、肉も卵も我慢していません。
先述したように、年をとれば動脈硬化は起こります。食事は日々の楽しみですから、食べたいものを食べ、ストレスフリーで暮らすほうを選んでいます
■中性脂肪が多いと血液がドロドロに?本当かどうか実験してみよう
コレステロールと並んで中性脂肪も悪玉とされています。
中性脂肪が増えると血液がドロドロになり、血の塊である血栓ができやすく脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすといわれています。しかし、血液ドロドロはあくまでイメージに過ぎません。本当に血液がドロドロになるか、実験で確かめてみるといいでしょう。
たとえば私は、中性脂肪値がふだん600㎎/dl(150㎎/dl以上で脂質異常症)あります(ときどき1800㎎/dlということもありますが、そのときは脂っこいものを控えるようにしています)。
明らかに高い数値です。この数値で血液がドロドロになるかどうか?
試しに100gの水に0.6㎖のサラダオイルを入れ、かき混ぜてみます。少なくともドロドロにはならず、トロッともしません。
中性脂肪値は食事で大きく変わり、脂肪のとりすぎで高くなります。数値が高くて気になるという人は、揚げ物や牛豚のバラ肉ばかり食べていないかチェックすることです。「血液ドロドロのイメージが頭から離れない」という人は、水分をしっかりとって血液の流れをよくしておけばいいと思います。
和田 秀樹
ルネクリニック東京院 院長
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