(※写真はイメージです/PIXTA)

血圧が高いと「塩分を控えるように」と言われます。しかし、年をとってから塩分を控え続けると、血液中のナトリウム濃度が非常に低くなる低ナトリウム血症のリスクが高まります。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)で解説します。

コレステロール値が高い人は免疫力が高い

また、コレステロール値が高い人は、免疫力が高く、がんになりにくいという報告もあります。

 

高齢者の場合、コレステロール不足は免疫力を落としたり、老化のスピードを上げたりするリスクを高めます。くわえて、コレステロール値が低いとセロトニン不足を招き、うつ病になりやすいという研究データもあります。

 

セロトニンは脳内の神経伝達物質のひとつで、精神の安定や安心感、幸福感などをもたらす働きがあり、「幸せホルモン」とも呼ばれています。うつ病は脳内のセロトニン不足が発端となって発症すると考えられています。コレステロールは、脳にセロトニンを運び込む重要な役割も担っているともされています。

 

物事すべてにメリットとデメリットがあります。自分で考え、どちらをとるか考えないといけません。

 

「ヨボヨボになってもいいから動脈硬化にだけはなりたくない」と考える人もいるでしょう。その場合は、コレステロールが多い肉や卵を我慢し、必要とあれば薬を飲んでコレステロールを下げることになります。それもひとつの選択です。

 

私の例でいうと、コレステロール値はいつも300㎎/㎗を切るくらいの高さです。コレステロール値が140㎎/㎗以上で脂質異常症と診断されますが、私は、シャキッとアクティブに過ごしたいのでコレステロール値は気にせず、肉も卵も我慢していません。

 

先述したように、年をとれば動脈硬化は起こります。食事は日々の楽しみですから、食べたいものを食べ、ストレスフリーで暮らすほうを選んでいます

 

■中性脂肪が多いと血液がドロドロに?本当かどうか実験してみよう

 

コレステロールと並んで中性脂肪も悪玉とされています。

 

中性脂肪が増えると血液がドロドロになり、血の塊である血栓ができやすく脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすといわれています。しかし、血液ドロドロはあくまでイメージに過ぎません。本当に血液がドロドロになるか、実験で確かめてみるといいでしょう。

 

たとえば私は、中性脂肪値がふだん600㎎/dl(150㎎/dl以上で脂質異常症)あります(ときどき1800㎎/dlということもありますが、そのときは脂っこいものを控えるようにしています)。

 

明らかに高い数値です。この数値で血液がドロドロになるかどうか? 

 

試しに100gの水に0.6㎖のサラダオイルを入れ、かき混ぜてみます。少なくともドロドロにはならず、トロッともしません。

 

中性脂肪値は食事で大きく変わり、脂肪のとりすぎで高くなります。数値が高くて気になるという人は、揚げ物や牛豚のバラ肉ばかり食べていないかチェックすることです。「血液ドロドロのイメージが頭から離れない」という人は、水分をしっかりとって血液の流れをよくしておけばいいと思います。

 

和田 秀樹
ルネクリニック東京院 院長

 

 

↓コチラも読まれています 

「意欲の低下」は気持ちの問題でも年のせいでもないという理由

70歳でも若さを持続できる人と一気に衰える人の決定的な違い

若返るのではなく「死なない」だけ…「人生100年時代」の悲愴

寿命が伸び続けても「脳の老化は止められない」という怖い現実

弟の東大現役合格で確信!「受験は才能ではなくて要領である」

※本連載は和田秀樹氏の著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術

シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術

和田 秀樹

マキノ出版

老化による脳や体の衰えは避けられないもの。しかし「もう年だから」とあきらめることはありません!現代の710代は、老いと闘える最後の世代! 70代になったら薬で数値を下げたり、塩分や脂質の低い食事をションボリ食べる「…

80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい

80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい

和田 秀樹

廣済堂出版

70代は人生の下り坂に差し掛かった時期。一気に滑り台のようにおりていくか、鼻歌でも歌いながら気長におりていくか……。80代、90代を迎える大事な時間である70代をいかに過ごすべきか。30年以上にわたり高齢者医療に携わって…

アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

和田 秀樹

大和書房

親の言葉かけが、子どもを東大へ行かせます。 罰しても子どもは勉強しません。なぜなら自分に価値があると思うときに子どもは勇気を持てるからです。アドラーは親子関係を対等なものと考え、子どもが人生の課題に取り組み、乗…

東大医学部

東大医学部

和田 秀樹 鳥集 徹

ブックマン社

灘高→東大理Ⅲ→東大医学部卒。それは、日本の偏差値トップの子どもだけが許された、誰もがうらやむ超・エリートコースである。しかし、東大医学部卒の医師が、名医や素晴らしい研究者となり、成功した人生を歩むとは限らない…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録