粗食は自分の体をヨボヨボにしている
▶栄養を足す
■肉はたんぱく質の宝庫!意欲と筋肉を養う
私はあらゆる機会をとらえて、「肉を食べよう!」と言い続けています。肉は動物性たんぱく質の宝庫です。たんぱく質は筋肉や血管、皮膚や粘膜などありとあらゆる組織の材料になります。
肉を食べてたんぱく質を十分にとり、後述する運動習慣をプラスすることで筋肉量が増え、年をとってもスタスタ歩ける足腰をキープすることができます。
肉にはセロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれています。すでに述べましたが、加齢によって意欲が低下する原因のひとつはセロトニン不足です。肉を食べてセロトニンを増やしておけば、意欲の低下やうつ病の予防になります。
フレイルを予防したい人も、すでにフレイルぎみかもと心配している人も、肉食を増やすことこそ問題解決の近道といえます。
■粗食はヘルシーではなく老化を早めるだけ
日本人は、質実剛健というか倹約的なこと、粗食的なことを美徳とするところがあります。
粗食という言葉にどこか清いイメージを感じ、年をとったら、ごはんに干物か豆腐の副菜、おひたしにみそ汁くらいがヘルシーでいい、と考えている人が実に多く見られます。
声を大にして言いますが、肉を避ける粗食志向はヘルシーとは真逆です。低栄養を招き筋肉量を減らし、免疫力を低下させて感染症などにかかりやすくなるからです。
日本で粗食が健康にいいと言い出したのは、『養生訓』を書いた江戸時代の学者・貝原益軒ですが、その時代の日本人はものすごく早く死んでいます。
先述したように戦後、国民病ともいえる結核や脳卒中が激減したのは、食糧難を脱して動物性たんぱく質を摂取して栄養状態が改善したからです。
食糧に恵まれているこの時代に肉を食べないのは、自ら体をヨボヨボにしていることになります。
魚や大豆製品もたんぱく質が豊富ですから、もちろん毎日とったほうがいい食品です。
とくにサバやイワシなどの青魚は、血栓をできにくくして心筋梗塞や脳梗塞を予防するとされるEPAやDHAといった必須脂肪酸が多く含まれており、病気予防に役立ちます。
私が言いたいのは「肉もしっかり食べてください」ということなのです。