(※写真はイメージです/PIXTA)

勤務先の病院で血糖値を測ると重症レベルの糖尿病。その医師が始めたのがウォーキングとスクワットです。それで血糖値をコントロールしているといいます。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)で解説します。

62歳の私が実践する「足し算」健康術

■インスリンを使わずウォーキングとスクワットで血糖値をコントロール

 

私自身の健康管理についてもお話ししましょう。

 

私はいま62歳ですが、いくつも持病を抱え、まさに病気のデパートのような人間です。

 

2018年の正月、のどが異常に渇き10分おきぐらいに水を飲まないといられなくなり、夜中に何度もトイレに立つようになりました。

 

こんな状態が1カ月も続いたので、勤務先の病院で血糖値を測ったところ、なんと600㎎/㎗を超えていたのです。重症レベルの糖尿病です。

 

私はどうしてもインスリン注射を打ちたくなかったので、知り合いの医師に頼んで都内でインスリンを使わない治療をしている別の医師を紹介してもらいました。いくつも薬を試しましたが血糖値はなかなか下がりません。

 

そこで私が始めたのが歩くことです。

 

運動をすると、筋肉でブドウ糖や脂肪の消費量が増え、とくに食後の血糖値の上昇が改善されます。また、運動を習慣にすることで、血糖値を下げるインスリンの効きがよくなり血糖値の上昇を防ぎます。

 

当時の私は、移動に車かタクシーを使い、まったく歩かないという生活をしていました。血糖値を下げるには下半身の筋肉をつけるのが効果的と知ったので、一日30~60分は歩くように心がけ、スクワットも日課にしました。

 

すると、早朝血糖値は200㎎/㎗程度、ヘモグロビンA1c(過去1~2カ月の血糖値を示す指標)の値は8前後まで下がりました。

 

健康診断でこの数値が出たら「高いですね。下げましょう」と言われるところです。しかし、これ以上下げると頭がぼんやりする感覚があるので、私はこの数値でコントロールしています。最近は300㎎/㎗くらいになりましたが、あまり症状がないので、よしとしています。正常値より高めですが、のども渇かず夜中にトイレで目覚めることも一回くらいで済んでいます。

 

■血圧は利尿剤を服用して高めにコントロール

 

かれこれ10年来、血圧も高いときは220㎜Hgくらいありました。

 

頭痛などの症状がなかったので放っておいたのですが、知り合いの医師のクリニックで心臓ドックを受けると、いちじるしく心筋が肥大していることがわかりました。

 

血圧が高い状態が続くと、心臓に負担がかかり筋肉が分厚くなる心肥大が起こるのです。心肥大が生じると心臓の血液を送るポンプの働きが低下するので、少し歩いただけで息苦しくなります。

 

心肥大の進行を防ぐためにいろいろ血圧の治療薬を試したところ、私の場合は、血圧を170㎜Hgより下げると体がだるくなり、頭もフラフラして仕事になりませんでした。そこで170㎜Hgくらいでコントロールしていたら、ついに心不全の症状が出て、喘鳴もするし、息も切れるようになりました。

 

結果的に利尿剤を飲んだら症状は出なくなりました。その後は少しくらい高めの数値でも、息も切れず生活に支障はないので、利尿剤を飲んで血圧は160㎜Hgくらいにコントロールしています。心臓ドックで検査を受けていますが、心肥大は改善しています。

 

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※本連載は和田秀樹氏の著書『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術』(マキノ出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳 80歳の壁を超える「足し算」健康術

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